そういえば昔、キルアが訓練でいっぱい怪我しててキルアの怪我をしょっちゅう治してたら
イルミがわざと怪我してきたことがあった気がする。
「キルばっかずるいでしょ。」
そう言ってわざと怪我した場所をあたしに手当てさせたよこの男確か。
彼と私の恋愛事情[3]
「よし。そういうわけだから今からの両親にも報告しよう。」
「えええええええ、ちょ、ちょっと待ってよ、本気?」
「オレがそんな冗談かますと思ってる?」
「思ってません。」
「分かってるなら聞かないでよ。」
「だってそんないきなり・・・」
と、言いかけてハッとする。
そうだ、両親にこのことを伝えれば逆にこのことはなかったことになるかもしれない。
いかに付き合いが長く親睦が深いゾルディック家と言えど、こうも簡単に娘が勝手に婚約することになったら文句の一つや二つ言うだろう。
ゾルディック家と家が代々培ってきたこの関係を簡単に壊すことなど出来ないだろう。
親が文句を言ってやれば、イルミも少しは考え直すだろう。
は心の中でそう考えていた。
「じゃあ電話するから。」
「う、うん。」
コールが2回ほど鳴ると、電話越しから声が聞こえた。
聞こえた声はの親ではなく、家の執事だ。
「もしもし。」
『はい、どちら様でしょうか?どういったご用件で?』
「ゾルディックのイルミだけど。」
『ゾルディック様でございますか。失礼いたしました。』
「うん、あのさ、の両親に代わってほしんだけど。」
『当主様でございますね。少々お待ちください。』
「うん。」
電話に出た執事はイルミがそう言うと早急にの両親へと繋いだ。
1分もしないうちに、電話越しからは先ほどの執事ではなくの両親と思われる声が聞こえてきた。
『もしもし、電話代わりました。』
「もしもし。こんにちは。」
『イルミ君。久々だね。今日は急にどうしたんだい?誰か怪我でも?』
「いえ、誰も怪我はしてません。今日はそういうことで電話したんじゃないんで。」
『では、どうしたんだい?』
電話越しから聞こえるのはの父親であった。
受話器から聞こえてくる父親の声を聞きながらは、いきなり婚約を持ちかけてきたイルミをどうか叱ってくれ、
心の中でそう願い続けた。
「おじさん、オレ、と婚約することにしました。」
『・・・え?婚約?と?イルミ君が?』
「はい。」
単刀直入にそう言い切るイルミ。
言ってやれ、ガツンと言うんだ、人の娘をなに勝手に婚約させてるんだ、そう言ってくれ。
電話越しの父にそう必死に念を送っていた。
『そうかぁ、イルミ君と婚約か!母さん!母さん!』
『なぁに?どうしたの?』
『今イルミ君から電話がきてね。なんとイルミ君とが婚約することになったんだって。』
『ええ!!』
ちょっと待って、ちょっと待って。
なにかおかしい。
怒るどころか“そうかぁ”とか言って納得してるんだけどパパ!!
しかもママもなんか嬉しそうな声あげてる・・・!!!
これはもしかしてもしかしなくても・・・・
『いやぁ、実はね、私もの夫になる人はイルミ君だったらいいなぁと思っていたんだよ!』
「へぇ、そうなんですか?じゃあ決定ですね。」
『そうだな!』
『ママも嬉しいわぁ。イルミ君みたいな息子が欲しかったの!』
「じゃあこれから、お義父さん・お義母さんと呼ぶことにします。」
『うん、どんどん呼んでくれ!』
どんどん呼んでくれじゃないでしょパパ!!
ええええ!!予想外すぎる!!
なんのためらいもなしにあっさり婚約成立しちゃってる!!どうしよう!!
『どうせもそっちにお邪魔してるんだろう?』
「オレの隣にいますよ。」
『そうか、じゃあにもよろしく言っておいてくれ。』
「はい。」
『イルミ君。』
「なんですかお義父さん。」
『あ、お義父さんって響きいいね。まぁ、それは置いといてだね。を幸せにしてやってくれ。』
「はい。」
『うん、じゃあ近々シルバ殿やキキョウ婦人にもこちらからまた連絡をするよ、式のことなど色々あるからね。』
「ちょちょちょちょ、パパー!!?待って待って!!可愛い娘が結婚させられちゃうよ!?」
『じゃ、イルミ君、そろそろ失礼するよ。』
「はい。失礼します。」
「ええええええ!!!無視!?完全に無視したよー!!?」
ガチャリ、ツーツーツー・・・、と電話の切れる音がの耳に虚しく聞こえた。
おかしい。おかしいだろう今の会話は!!はとにかくそう思っていた。
何を意気揚々に婚約の話にノっているんだ、娘の話を聞こうとは思わないのか、は自分の親のマイペースさにも愕然とした。
「というわけだよ、。聞こえてたでしょ?オレとお義父さんが話していたの。」
「ちゃっかりもうお義父さんって呼んでるよこの人ー!!!」
「だって、の父さんがどんどん呼んでくれって。」
「そういう問題じゃないでしょ!!ああああ!!!なに!?なにこれ!!もう婚約成立しちゃってるの!?」
「何を今更・・・。の両親にも了解得たし、うちの両親も大賛成だしね。」
「あ!そうだ!イルミ!!あんたうちの親を操作したでしょ!!操作してあんなこと言わせたんだ!!」
「心外だなぁ。そんなことするわけないじゃないか。それにオレの針は遠隔操作はできないよ。」
「うー・・・!!!」
「ねぇ、。」
「なに!」
「そんなに嫌なの?」
首をかしげてイルミがそう聞いてきた。
心なしか表情が少し悲しそうである。最も普通の人から見れば全く変わってないかのようにも見えるが。
の顔を覗き込むようにしてそう尋ねるイルミを見て、はグッと口を紡いだ。
そんな顔されたら『嫌だ』なんて言えないじゃないか。
ましてや別にイルミのことは嫌いではないので言えない。
ただ幼馴染として好きなだけでありそこに恋愛感情はなかった。それがいきなり結婚だなんて。
しかもそんな自分の意思は全く無視だ。
だからこそ納得できないわけで、イルミが嫌なわけではない。
「オレのこと嫌いなの?」
「え、いや、嫌いじゃないけど」
「だってすごく嫌がってるじゃん。」
「嫌がってるっていうか納得できないっていうか・・・」
「ふぅん、嫌なわけじゃないんだね?」
「まぁ、イルミのことは嫌じゃないよ、もちろん。」
「じゃあいいや。」
「はい?」
「婚約中にオレのこと好きになればいいよ。がオレのこと好きになったら結婚ね。」
「・・・え?」
「幼馴染だからそういう気持ちが今ひとつ持てないんでしょ?」
「まぁ、それも、多少あるけど・・・。」
「オレ本気だよ。」
「・・・・。分かったよ、うん。それでいいよ。」
「本当に?よかった。」
「そのかわり、あたしのこと婚約者にしたんだから、絶対好きにさせてよね。」
「うん。」
結局イルミの言葉に負け、婚約することを認めた。
が婚約者成立の言葉を口にした瞬間、イルミの口端がフッと上がった。
いつになく嬉しそうな顔をしたイルミは長年幼馴染としていたもそんな顔は初めて見た。
「あー、よかった。じゃあ婚約成立ね。」
「まぁ、そういうことになる、よね。」
「。」
「なに?」
「オレ本気だからね。覚悟しといたほうがいいよ。」
「・・・そうしとく。」
=、幼馴染イルミ=ゾルディックとの婚約成立。
イルミの見せた本気の表情にほんの少しだけドキっとしてしまったことは不覚ということにしておく。
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イルミが積極的すぎる。偽者だ。