しらゆきひめは、まじょからもらったどくりんごをたべ死んでしまいました。
だけど、おうじさまのきすでめをさまし、おうじさまとすえながくなかよくくらしました。
彼と私の恋愛事情[6]
「ばかじゃないの。」
「え?」
「死んだ人間がキスなんかで生き返るなんてありえないし。」
「・・・・童話だからさ。」
「毒りんごね。オレとかには効かないね。」
「まぁ、効きはしないけど、マズイよね、毒入ってると。」
「慣れた。」
「慣れたって言ってもやっぱマズイ。」
「ふぅん。じゃあゴトーに頼んでの料理にだけ倍毒入れてもらおう。」
「え!?なんで!?今マズイって言ったばっかじゃん!」
「んー、毒が入ってまずそうに顔歪ませるが見たい。」
「ドSめ!」
イルミの部屋でこんな話をしていた。
白雪姫の話に馬鹿馬鹿しいと、イルミはため息をついた。
そんな話をしながらはイルミに買ってもらったアンティークの品々を飾り始めていた。
「ねぇねぇ、これここに飾ったら可愛いよね。」
「いいんじゃない。」
「これはこっち。」
「いいんじゃない。」
「あ、これはここにしよう。」
「楽しそう。」
「うん、楽しい。」
「ふぅん。」
「分かんないなー、って顔してるね。」
「そ?そんなこと分かるのぐらいだよ。」
「長年幼馴染やってると分かるもんだよ。」
「家族でも分からないのにね。」
「ヒソカとかクロロは?」
「知らない。興味ないんじゃない?」
「ふぅん。」
「幼馴染だけど、もう婚約者だよ。」
「あぁ、うん。実感沸かないけどね。」
イルミに買ってもらったものを眺めて『やっぱこれ可愛いなぁ』なんて思いながらイルミとの会話を続ける。
に買ってあげたものの中の一つを手に取り、意味もなく眺めながらとの会話を続けるイルミ。
「本当は今すぐにでも結婚でもいいんだけどね、オレは。」
「それはちょっと。」
「だから仕方ないから婚約でいいよ。」
「何故上から目線。」
「そんなことないさ。」
「ていうかさ、今でも結構驚いてるんだけど。婚約とか結婚だとか、イルミがそんなこと言い出したの。」
「そう?だってオレずっとのこと好きだったし。」
「ずっとって・・・」
「ずっとだよ。」
「そんなふうには見えなかったけどねぇ・・・。」
「そうかな。」
「そうだよ。」
婚約したという事実を未だに実感できていないと言う。
無理もない。
婚約したとは言え、半ば強制的にさせられたようなもので、しかもそれが長年付き合ってきた幼馴染であるのだから。
「いつ好きになってくれる?」
「え?」
「オレのこといつ好きになってくれるの?」
「・・・イルミってさ、」
「なに?」
「人が困るような質問するの得意だよね。」
「そうかな。」
「うん。・・いつ好きになるかなんて分かんないよ。もしかしたらこの3秒後とかには好きになってるかもしれないし、
もしかしたら、1年後かもしれないし、もしかしたら好きにならないかもしれないし。人を好きになるタイミングなんて分からないよ。」
「ふーん。そうか。でも好きになってくれないと困る。オレは以外の女に興味ないんだよね。」
「・・・・・。」
きっとこれってすごい殺し文句。
普通の女の子だったらここでズキューンときちゃうんだろうけど。
「ていうかさ、あたしにもし好きな人とかいたらどうすんの。」
「え?いるの?」
「いないけど。」
「あー、良かった。いたらそいつ殺すし。」
「・・・・・。」
「駄目だよ。オレのこと好きになってよ。」
「決して嫌いではないのよ。むしろ好きだよ。イルミのこと。じゃなかったらこんなマイペースな人と長年付き合ってられないよ。」
「好きなら結婚でいいじゃん。」
「そういう好きじゃないんだよ。」
「よく分からないけど。早く好きになってよね。」
「・・・・・。」
本当に自分勝手な物言いだ。
だけどこれが彼、イルミなんだ。
慣れとは恐ろしいもので、『はぁ?』と思ってしまうようなことを言われても
『イルミだから仕方ない。』の一言で済んでしまうのだ。
そしてそんな彼は嫌いじゃなかった。
「新婚旅行いつ行く?」
「え?イルミ、人の話聞いてた?」
「聞いてたけど。失礼だな。」
「いや、まだ結婚してないでしょ。」
「うん。だけど今のうちに何処に行きたいか決めておいてよ。明日になったらオレのこと好きになってるかもしれないんでしょ。」
「・・・・・じゃあジャポン。」
「えー・・オレは嫌だな。」
「じゃあ聞かないでよ。」
全く本当に自分勝手な人間だ、は思った。
けれど嫌じゃないのが本当に不思議なもので。
そう思っていたは買ってもらったアンティークを飾り終えた。
「えへへー、また増えちゃった!」
「よく飽きないよね。こんなの集めててさ。」
「バカにしないでよねー。中には本当に凄いものだってあるんだから。わざわざヨークシンのオークションに行ってまで
手に入れたものだってあるんだから。」
「ふぅん。」
「まぁ、イルミはそうやって執着するものないよね。そういうの見たことないし。」
「うん。ないよ。あえて言うなら、そうだな・・ぐらいじゃないの?」
「真顔でそんなこと言う貴方はすごい。」
「あぁ、そういえば、明日は?」
「え?」
「仕事なの?」
「あぁ、うん。あるよ。」
「ふぅん。」
「すっごい不満そうだね。」
「本当のこと言うとね、」
「うん?」
「オレ以外のヤツ治療してほしくないんだよね。」
「無理だよ、仕事だもん。」
「そこは大目に見るよ。」
「だから何故上から目線。」
「まぁ、の腕は確かだからね。仕方ないか。」
「ありがとう。なんかイルミにそう言われると照れるなぁ。」
「そう?オレだけじゃないよ。うちの家族は皆そう思ってるよ。」
「嬉しいけど、プレッシャーだね。」
「そんなの感じないくせに。」
「少しは感じるよ。やっぱり命が委ねられる仕事だし。」
「裏では暗殺家業なのにそんなこと言えるんだからすごいよな。」
表沙汰、医者であるだが、イルミの言うとおり裏では暗殺家業。
医者であり命を守ると同時に暗殺者として命を奪う、まさに正反対のこの仕事。
だからこそ裏に深く関わっている人物ほど家のような暗殺一家に依頼する。
「正反対の仕事だもんね。人の命を助けることと、人の命を奪うんだもの。」
「だからこそ、足がつかないんだろ。」
「まぁ、誰も医者が暗殺家業営んでるだなんて思わないでしょ。」
「まぁね。」
カチ、っと分針を刻んだ時計の音。
それを見てイルミが言った。
「あぁ、もうこんな時間だ。そろそろ夕食だと思うよ。」
「・・・・あんま気乗りしないなぁ。」
「ほら、行くよ。」
イルミに引っ張られリビングへと向かった。
やっぱり毒入りの食事に苦い顔をしながら食べているがいた。
唯一の救いはイルミなら有言実行するだろうと思ってた毒が倍に入っていなかったこと。
「あ。」
「え?」
「ゴトーにのは毒倍にしてって言うの忘れてたよ。」
「・・・・・。」
忘れていただけらしい。
それでも彼は
「好きな子ほど苛めたくなるって、言うでしょ?」
=、イルミ=ゾルディックのナチュラルドSに振り回される予定。
****
兄さんは素でドS。別に意識してるわけでもなく。笑