「なんであたしも誘ってくれなかったの!」
プゥ、と頬を膨らませながら口論する彼女が可愛いとか思ってしまうあたり、末期なのかもしれない。
彼と私の恋愛事情[8]
一昨日クロロと会って話をしたという話をしたらは『自分も会いたかった』と。
なのでどうして誘ってくれなかったのかとプンスカしている。
の話をするためにクロロに会ったのに本人がいちゃ意味がないだろう、なんて言えないけれど。
「クロロなんか別に会わなくてもいいじゃん。」
「だって最近会ってないもん。」
「会いたいの?」
「うん。」
「駄目。」
「なんで!」
「なんでも。(だってクロロがのこと変な目で見るし。)」
「最近マチ達にも会ってないから会いたいなぁ・・・。」
「なに?クロロに会いたいんじゃなくて旅団の人と会いたいの?」
「うん。」
なんだ。それならいっか。
も言ってるけど、確か旅団に何人か女がいたからきっとクロロがなにかしでかそうとしたら止めてくれるだろう。
「ふぅん。じゃあ、いいか。行く?」
「あり?なんかさっきとは打って変わってあっさりと言うね。」
「だって旅団の人に会いたいんでしょ?クロロ単体じゃなくて。」
「うん。」
「うん、だからいいの。」
「???」
「にぶちん。」
「はい?」
「まぁいいよ。ほら、行くよ。」
待って、支度するから!と嬉しそうに支度を始めた。
そういえば言ってたかも、旅団の女と仲いいんだった。
ていうか、旅団の女がのこと気にいってるんだよね。
クロロが確かの雇用客だから・・・あぁ、それで知り合ったのか。
なんて考えてるうちにの支度は終わってた。
「マチー!」
「・・あれ、。なに、どうしたの?」
「えへー、遊びに来ちゃった!」
「なんだ、メールしてくれれば良かったのに。」
旅団のアジトに着くなり、はマチって女に飛びついた。
・・・・オレにはあんなことしないくせに。
マチは驚いた表情をしたあと、すぐにフッと笑っての頭を撫でた。
「シズクは?パクは?」
「今出てる。多分、もうすぐ戻ってくるよ。」
「そっか。元気だった?」
「うん、まぁね。それにしてもどうしたの、急に。」
「えー、この前イルミがクロロに会ったって言うからあたしも皆に合いたくなっちゃって。」
「イルミ?誰それ。」
「あ、あそこにいる・・・」
「・・・や。が世話になってるね。」
トコトコととマチの方へと歩み寄り、イルミは無表情で挨拶した。
ジロリと睨むようにイルミを見るマチ。
「のトモダチ?」
「え、あぁ、おさななじ」
「婚約者。」
「は?」
マチの鋭い眼光がイルミを捕らえた。
それを物ともせずに無表情で飄々としているイルミ。
そんな二人に挟まれるはきょとんとしている。
「馬鹿も休み休み言いな。」
「そんなこと言われても困るな。本当のことだし。ねぇ、。」
「え、あー・・・えーと・・・」
「そうなの?。」
「うーーーん・・・まぁ、一応・・・。」
「ね?嘘じゃないでしょ?」
どこか勝ち誇ったような表情でそう言うイルミを先程よりもジロリと睨みつけるマチ。
どうやらマチはかなり気に入らないらしい。
そしてに言った。
「、あんた男の趣味悪くなった?」
「ええ・・いやぁ、そんなこと言われてもなぁ・・・。」
困っているところにタイミングよく、マチとは違う旅団員がを見つけ声をかけてきた。
しかし、それがイルミの機嫌を損ねることになろうとは思ってもなかった。
「!来てたんだ!」
「シャル!久しぶり!!」
シャルと呼ばれた男、シャルナークもとは仲が良いらしい。
しかしマチとは違い、シャルは男である。
それを見てイルミが良い気分になるはずもなく。
久しぶりの再開に嬉しくなり思わずマチのときのように飛びついた。
「久しぶりだな、。最近見ないからどうしてるかと思ったよ。」
「誰かが怪我でもすればいつでも来るよ、あたしは。」
「生憎怪我を負うような相手と出くわしてないんでさ。」
「相変わらず余裕だね、シャルは。あ、シャルに限らずか、旅団の人は。」
「ははは、そうだね。」
おもしろくない。
ていうか、ムカツク。
マチって女はともかく、シャルってやつは男だろ。
何そんな無防備に抱きついたりしてるわけ。
ていうかオレのこと忘れてるよね。
・・・なんかすごく面白くない。
こんなの初めてだ。
「。帰るよ。」
「え!?まだ皆に会ってないよ、パクとかシズクとか・・・あとフェイとかフィンにも会いたい。」
「パクとシズクとフェイとフィンって女?男?」
「パクとシズクは女の子だよ。フェイタンとフィンクスは男。」
「じゃ、帰るよ。」
「だっ、いだだだだっ、ちょ、イルミ!腕!引っ張らないでよ、千切れちゃうよ!」
「これくらいどうってことないでしょ、なら。」
「もー・・なんなのさ!」
「が悪いんだからね。」
「何故あたし!」
「自分の胸に聞いてみなよ。」
そんな会話をしながらもズルズルとイルミに引っ張られ旅団のアジトを去ろうとしている。
と目を合わせようともしないイルミ。
しばらくしてシャルがポンと掌を打ち、なるほど、と笑った。
「分かった。ヤキモチだ。」
ビンゴ?と命知らずにもシャルがイルミに聞いた。(シャルも簡単にやられる男ではないけれど)
しかしイルミはワケの分からなそうな顔をして首をかしげた。
「ヤキモチ?なにそれ。行くよ、。」
「イダダダダッ、ちょ、シャル!助けっ・・ふごっ」
「黙ってよ。うるさい。」
の口をスッポリと手で覆いそう言いながらアジトを出た。
『サヨナラ。世話になったね。』感情のこもっていない声で棒読みにそう言った。
「なんなの、あの男。」
「マチ、怒ってるね。」
「別に。」
「嘘。だって久々にに会えたのにすぐにサヨナラだよ?」
「ふん。」
「マチはのことお気に入りだしね。」
「シャルだって腹立つだろ、あの能面男。」
「んー、まぁ、仕方ないっちゃ仕方ないよね。」
「シャルまで何言ってんの?」
「ヤキモチくらい可愛いもんじゃないんですかね。健全な男子ならさ。」
「・・・・。」
マチとシャルがそんな会話をしているのも露知らず、アジトを出てから無言で黙々と歩くイルミと。
しかしその無言に耐え切れなくなったはついに口を開けた。
「ねぇ、イルミ!イル!!」
「なに?」
「なにじゃないよ!もう!なんなの、急に怒りだして・・・」
「驚いた。まだ分かってないのか。」
「だからなにが」
「ホント、ってムカつくなぁ。」
「じゃあなによ、あたしが悪いの!?」
「当たり前でしょ。」
「その当たり前の当たり前が分からないんだけど。」
「オレさ、のこと好きなんだけど。」
「だからなんで話がそんなふうに」
「のこと好きって言ったじゃん。普通好きな女が他の男に抱き付いてるのなんか見たらムカつくもんじゃないの?」
「・・・・・・・。」
おかしい?首をかしげながらそう聞くイルミに、思わずポカンとした顔で彼を見つめた。
数秒たってやっと彼の言った言葉の意味を察し、思わず頬が緩んでしまった。
「・・・つまりヤキモチ?」
「ヤキモチってなに?」
「・・・だから、あたしがシャルとか、他の男の人と仲良くしてたりするのが嫌なんでしょう?」
「うん。殺してやろうかと思った。」
「そういうのを、ヤキモチっていうの。」
「ふぅん。そうか。じゃあヤキモチってやつだ。」
なるほどね、イルミはそう言ってうんうん、と頷いた。
「イルミって結構可愛いとこあるんだね。」
「なにそれ。そんなこと言われても全然嬉しくないし。」
「幼馴染ずっとやってるけど、そういうの初めて見たよ。」
「ふぅん。どうでもいいけど、オレ怒ってたんだけど。」
「・・・ごめん。(って、なんで素直に謝ってるんだろう。)」
「今回だけは許してあげるよ。」
ヤキモチ。
なんて、幼馴染のそんな一面を見て少し新鮮な感じになる。
「イルミ。」
「なに。」
「手、繋ごう。」
「なに?誘ってるの?」
「何故そこまで話が飛躍する。」
イルミ=ゾルディック(24)、一歩前進、したような、してないような。
“幼馴染”と手を繋ぐのとはちょっと違ったある日の出来事。
****
・・おまけ・・
イルミとが帰ったあとの旅団アジト。
「なにぃぃぃぃ!!!?が来ただと!?」
「来たけど。団長、顔酷いことになってるよ。」
「何故オレに知らせなかったマチ!シャル!」
「いやぁ・・だって、ねぇ?」
「めんどくさいのよ、団長に関連のこと伝えると。うるさいし。」
「ぬぅっ・・!!!ーーーー!!!!イルミなんかやめてオレとっごふっ」
「「うるさい団長。」」
「団長になんてことをするんだお前らっ・・おぼふっ!!」
「「だからうるさい。」」
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哀れクロロ。