「またイルミはキル君に意地悪して!!!」
「別に意地悪じゃないよ。訓練さ。」
「訓練って言ったってまだキル君だってこどもなんだからね!」
「またそうやってキルの肩ばっかり持つ。」
「イルミが悪いの!!」
彼と私の恋愛事情〜私と三男のある日の会話〜
キル君はゾルディック家でも特に素質があるって、期待されてる。
それ故に過酷な訓練も必至。
特にイルミは容赦ない。
「大体さ、殺し屋なんだからこのぐらいの訓練耐えられなくちゃ。」
「イルのはね、訓練って言うよりもただの意地悪にしか見えない。」
「が悪いんだよ。」
「なんでそこであたしが・・・!!あたし別に関係ないでしょうに!」
「(がキルばっかりかまってるのがいけないんだよ。)」
その日の訓練でキル君はいつもよりも沢山怪我をした。
それを治すのがあたしの仕事でもあるけど、まだこどもなのに可哀想に。
「キル君。大丈夫?今治してあげるね。」
「サンキュ、姉。」
「ほんっと、イルは容赦ないよねー・・・信じられない。」
姉はいつも優しい。
オレが訓練で怪我をすると誰よりも心配してくれる。
イル兄に本気で怒ったり。イル兄にそんなことできるの姉しかいないと思う。
オレはそんな姉といるのが大好きだった。
姉といるときが一番、自分を出せてる気がしたから。
「はい、おしまい。」
「わ、やっぱ早ぇなー。すげ。」
「早い・確実が売りだからね。」
「あーぁ。姉が本当にオレの姉貴だったらいーのになぁ。」
「あら。あたしはキル君のこと本当の弟みたいに思ってるわよ。」
「でも実際違うじゃん。オレはずっと姉が家にいてほしい。」
「ふふ、それは難しいね。」
「オレさー、姉といるとき、すっげー楽しいんだよね。」
「そう言ってもらえて嬉しいよ。あたしも、キル君と喋ってるの楽しいよ。」
姉は目を細めて綺麗に笑った。
本当、自分の姉貴だったら、って思う。
そんなことを思っていたら、姉が突然こんなことを言い出した。
「キル君はさ、」
「ん?」
「殺し屋としての素質はあるけど─・・・」
「あるけど?」
「殺し屋には向いてないかもね。」
「は?なんで?」
ありえない。つーか、それ以外に仕事できねぇだろ。
殺し屋以外に、オレには道はないんだよ。
「キル君は、優しいから。」
「え?」
「だから、あんまり殺し屋には向いてないと思うよ。」
「オレが向いてねぇって言うんだったら、姉はもっと向いてねぇよ。
オレなんかよりも、姉は優しいよ。つーか、オレ優しくねぇし。」
「あたしは、本職は医者よ。それに、優しくなんかないわ。」
「優しいよ。少なくとも、オレはそう思ってる。」
「ふふ、ありがとう。」
「オレは、きっと殺し屋が転職だと思う。いや、それ以外に、選ぶ道はないよ。」
「キル君には、友達を作って色んなことを見てほしいなぁ、とか、勝手に思ってたりするんだよね。
きっと、キル君ならいい友達ができると思うし。─・・・・今喋ってたこと、イルには絶対内緒だよ?」
クスクスと笑って、姉は人差指を自分の口に当てた。
本当、この人は綺麗な笑顔をする。
オレだって、できるなら友達ってもんを作ってみたい。
でも、できないんだから仕方ない。
だってこの世界以外を知らないから。
でも、姉がそう言うから─・・・・
「機会があれば、出て行くよ。ま、出ていきたいとは思ってんだけどさ。」
「そう。まぁ、キル君がいなくなったら、あたしすごく寂しいけどね。」
「そんなこと言うなよ。いざ出て行くとき出ていきにくいじゃんか。」
「寂しいのは本当よ。でも、キル君にもしそんなときがきたとしたら、あたしは応援するよ。協力する。」
「サンキュ。」
やっぱりオレ、姉がだいすきだ。
こんな家庭に生まれたけど、姉がいると落ち着くよ。
「ねぇ、。キルと何話してたの?」
「えー?別に。」
「なにそれ、ムカつくな。」
「たいしたことじゃないよ。」
「たいしたことじゃないなら言いなよ。」
「キル君が本当の弟だったらいいのにな、って話してたの。」
「ふーん。じゃあ、オレの嫁にくればキルが本当の弟になるよ。」
「またそんな冗談言って。遠慮しとくわ。」
「・・・・・。(冗談じゃないんだけどなぁ。)」
そんなある日のお話。
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イルミがに結婚の話を持ちかける2年前くらいの話な設定。