【オヤツは冷蔵庫の中にあるYO。より】




























少し私用で出かけていて、本部に戻ってくれば。

テーブルの上に置いてある1枚の紙切れ。

そこにはの字でそう書いてあった。











「いつの時代のお母さんですか・・・貴女は・・・。」



そう言いながらもその紙に書いてある通りに冷蔵庫へと向かう竜崎。

そして顔はなんだか少し嬉しそうで。

しかし冷蔵庫を開けるも、中にオヤツなど一つも入ってなどいなかった。








「・・嘘つきは泥棒の始まりですよ・・・・。」





はぁ、とためいき一つ落とし、チラっともう一度冷蔵庫の中を見てみれば。

そこにもまた1枚紙が置いてあった。

その紙をつまみ、どれどれ、と見てみればそこには先ほどと似たようなことが書いてあった。









【冷蔵庫にオヤツないからって落ち込まないでね。気を取り直して、オヤツは相沢さんの資料の上に置いてあるよ。













指示通り冷蔵庫を見て中にオヤツが入っていなかった時の竜崎の反応を想像して書いたようなその紙にはまたもオヤツの置き場所の指示が。

しかも今度は相沢のデスクの上ときた。

その指示を見た竜崎は慌てて相沢の資料のあり場所までへととんでいった。










「相沢さんが私のおやつ食べてしまっていたらどうするんですかっ、全く・・」










それはあり得ないと思うが。

相沢が竜崎の好むようなお菓子を食べるとは思えない。たとえそれが自分の資料の上に置いてあったとしても。

それが松田であったら分からないが。

竜崎が相沢の資料の上を見ようとするが、相沢が先に竜崎に話し掛けてきた。












「あの、竜崎。」

「なんですか、相沢さん。私のオヤツは・・」

「(オヤツ?)いや、これが俺の資料の上に・・・多分ちゃんだと思うんだが・・」

「え?」









相沢が竜崎に渡してきた物はまたも紙きれ。

はぁ・・とまたためいきをつきその紙切れを指先で摘むように持つと『今度は一体何処なんでしょうか・・』と言いながらそれを見た。












【ライト君のズボンのポケットに。】











もうめんどくさくなったのか、紙には必要事項だけが短文で書かれている。

それを見た竜崎は物凄く嫌そうな顔をしながらライトのところへと足を運んだ。











「なんでライト君なんですか・・よりにもよって・・・しかもズボンのポケット・・はぁ・・」













本当に嫌そうな顔をしていた。

悠長にソファに座りながら雑誌を眺めているライトに近づき、乱暴にグイっと彼の腕を引っ張る。

当然ながら、わけも分からずそんなことをされたライトは怒った。






「オイッ、竜崎、何するんだよっ。」

「うるさいです。ちょっとズボンのポケット、見せてください。」

「はぁ・・?」




わけの分からなそうなライトを放っておき、非常に嫌そうな顔をしながらライトのズボンのポケットに手を突っ込むと

そこにお目当てであるからの指令の紙。





「ん?なんだよ、竜崎、それ・・。」




ヒョイっとそれを覗き込むようにしてライトがそれを見ると、その紙にはこう書いてあった。







【松田さんの靴の中】







「・・・嫌ですよ・・。」

「なんだ?それ。」

「ライト君には関係ないです。」

「なんだよ、人のポケット漁ったくせに。」




ムっとしながらそう訴えるライトを無視して松田の方へと足を向ける。

もはやもうオヤツが何処にあるとかそういう問題ではなく、次のメモが何処にあるか、になっている。

だってライトのズボンのポケットの中や松田の靴の中にオヤツが入っているわけない。








「松田さん、ちょっと。」

「え?なんですか、竜崎?」

「じっとしてください。靴を脱いでください。」

「え?靴?何でですか?」

「つべこべ言わず脱いでください。」

「(ホント自分勝手だなぁ・・・)」







竜崎に言われたとおり、靴をいそいそと脱ぐとパッと松田の靴を奪い靴の中を覗く。

覗きながらなんだか眉をひそめて物凄く嫌そうな顔をしている。

そりゃ人の靴の中なんて覗き込みたくない。

右の靴の中から紙が一枚。あぁ、やっぱり・・・なんて顔をしてそれをカサカサと開けた。










「なんですか?それ・・」

「なんでもいいでしょう。」

「・・・。(人の靴脱がしておいて・・・;)」









その後もその紙に、引き続き色々な場所を指定した事が書いてある。

いい加減、早くオヤツにありつきたい竜崎はもうやめてしまおうかとも思ったが、そんなことをしたら

きっとが残念そうな顔をするに違いない、そう思うと面倒くさいながらもノソノソとその紙の指定場所まで移動していく。









【キッチンにおいで】








「・・・キッチンですか、・・・これで最後だといいんですけど・・早く食べたいです・・。」









げんなりしながら、キッチンへ向かう竜崎。

キッチンへ入れば『やっと来た!!』とばかりの顔をしている竜崎の可愛い恋人が待っているではないか。

しかし、そんな恋人の顔を見るなり口を開いて言う言葉はただ一つ。






















、オヤツは何処にあるんですか。」

「ハイハイ、お疲れ様。よく探してきたね。」

「全く・・なんなんですか、あんなことをして・・。」

「宝探しみた「いじゃないですからね。」





『宝探しみたいで楽しかったでしょう?』と聞きたかったのに竜崎がそれを遮るもんだから不満そうな顔をしている。





「まぁまぁ、急かすなよ世界の名探偵。」

「急かしたくもなります。」

「実はですねー、竜崎のために、ケーキを作りましたー。」




パンパカパーン、とでも効果音をつけてあげたいほどのとびきりの笑顔でハイッ、とケーキを差し出すに竜崎は目を見開いた。

そういえば、の格好はエプロン姿。

キッチンも何かを作っていたかのようなそんな形跡がある。





「私に作ってくれたんですか?」

「うん。驚かせたくてね。でも出来るまでバレたくないからこうやって宝探し形式にしましたー。・・・嫌だったかな?」






あぁ、今まで面倒くさいとかなんて思っていた事なんて、どうでもよくなった。

なんて可愛いことをしてくれるんだろう、彼女は。

私のためにこんなことを。








「いえ、すごく嬉しいです、嫌なわけありません。今までに貰ったおやつの何よりも嬉しいです。」

「それはよかった。」

「食べてもいいですか?」

「どうぞ。そのために作ったんだから。あぁ、じゃあ座ってて。紅茶も一緒にいれてあげる。」

「ありがとうございます。」












コポコポ、と慣れた手付きで紅茶を淹れてくれる。

そういえばこの前ワタリに淹れかたを教わっていたような・・・

・・・・・・・自惚れてもいいんですかね、・・私に淹れてくれるためにだと。








「へい、おまちッ。ケーキ1丁ですぜ旦那ー。」

「お茶の淹れ方はとても上手くなってますが・・・ここはお寿司屋じゃないですよ。」





ケーキの乗った皿をまるで寿司皿のようにスッと差出し、お茶をコトンッ、と置く。






「今日のケーキはシャリがいいですよ旦那。」

「それは上手く出来たということでいいんですよね?」

「がってんだ!!」








ニコニコと嬉しそうにそう言うと、私の前の席のソファへ座る。

自分用のマグカップを手に持ち私がケーキを食べるのをじぃっと見ている。










「・・美味しい??」

「はい、とても。が作ってくれるケーキはどのケーキよりも美味しいです。」

「それは光栄ですな。」

「ついでに、今日の夜はデザートにをいただいてもいいでしょうか?」










そう言うと、さっきまで寿司屋気取りでふざけていたの顔が一気に赤くなった。

宝探しの最後は、やっぱり一番いい物を手に入れたいですから。

私の一番の宝物は、やっぱりいつだって貴女なんですから。















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なんだかなぁ。笑