かまって

かまって

かまって



私を見て欲しい


























三時間


そろそろ、ですかね。



















ソファに座りながら一生懸命を読んでいるのは竜崎の愛しい愛しい恋人。

読んでいるのは竜崎から借りた推理物の小説。

読み始めてからもう3時間ほど経っている。

一度読み始めるとその結末を見るまでずっと読みふけるクセがあるはずっとこの調子だった。

最初は竜崎も自分の仕事をしなければいけなかったからが本を読んでいることに何も口出ししなかったのだが。

竜崎がその仕事を終えたのは1時間前ほど前で、が本を読んでいるのをかれこれ2時間くらい待っていた。

どうにも、竜崎は自分が待たされるのは苦手なのか、先ほどからの隣に座って構って欲しそうにの肩にコテンと頭を置いてみたり、

横からのお腹に腕を回して抱きついてみたり、横で『も食べませんか?美味しいですよ、これ。』などとわざと

ボリボリバリバリうるさく音をたててお菓子食べていたが、『竜崎、ゴメンね、ちょっと静かにしててね。』と、軽く無視されてしまい

なんとなくへこんでいたが、もう3時間もたつと竜崎も痺れがきれたのかついに最後の手段へと手を出した。



























。」

「・・・・・。」

。」

「・・・・・。」









本の話も中盤を超え、いよいよ犯人が分かりだすというそのときだった。



























「この話の犯人って、キャサリンなんですよね。」

























あろうことか、この男。

犯人を言ってしまったではないか。

推理小説で一番してはいけないことは犯人を言ってしまうことだ。

それなのに竜崎ときたらなんの詫びれもなく、飄々(ひょうひょう)とした顔をして当たり前のように親指の爪をかじっていた。

一方、犯人をあっけなく言われてしまったは口をパクパクさせながら目に涙をためていた。












「なっ・・な、な、な・・・」

「どうしたんですか?」

「な、・・・なんで言っちゃうのぉぉ〜・・っ!?」

「え?まだ犯人分かったところまで読んでなかったんですか?すいません。」











この男は。

最初からが犯人が分かる所まで読んでいないことまで分かっていたくせにぬけぬけとこんな事を言う。













「嘘だぁっ、絶対わざとでしょっ、絶対わざと言ったでしょ!!」

「酷いですね、私がそんなことするように見えますか?」

「見えるよ!!!この前だって同じ事したじゃんっ!!」

「この前の犯人は確かマイケルでしたね。」

「ホラッ!!わざとでしょ!!」

「はい、実はわざとです。」

「きぃっ!!」












本を乱暴に閉じ、そのままテーブルに置くとソファの上で足をじたばたさせながら物凄く悔しがっている

の姿を見て、竜崎は心なしか嬉しそうな顔をしている。














「もーっ!!竜崎から推理小説借りたっていっつもいっつも犯人言っちゃうんだもんっ。意味ないよっ。せっかくさー、」

「じゃあはあの時点で犯人は誰だと思ってたんですか?」

「・・・・ミッシェル。」

「全然違うじゃないですか。ミッシェルはこの後キャサリンに殺されてしまいます。」

「あ!!また言った!!」

「いいじゃないですか、もう犯人分かってるんですから。」

「そういう問題じゃないのーっ、きぃっ、この竜崎め!!」

「はい、そうですね、私は竜崎ですね。」










いちいち分かっている事を言い返す竜崎にますますイライラする

推理小説を読んでいて犯人を言われたのは今日が初めてなわけではなかった。

以前にも(さっきも話していたが)竜崎が犯人を言ってしまったり、挙句その犯人のその後のことや、

物語の全てを結局話してしまうのでは全く面白くない。

せっかく時間をかけて読んでいるのに、いいところでネタばらしなんて最悪極まりない。

















「もう!!竜崎のバカ!!嫌いッ。」

「え、」

「もう絶対竜崎から本借りないし、竜崎の部屋で本読まないッ。」

「え、あの、」










ヤバイ、やりすぎたか?

そんな顔をする竜崎だったが、もう遅い。

はプンプンと、効果音のつくくらいご立腹だ。

流石に嫌いとまで言われると、ショックだったのか、先ほどまでの楽しんでいる口調はなくなり、素直にに謝り始めた。
















「すいませんでした。」

「・・・・。」

「その・・、もうしませんから。」

「・・・・。」

「だから、・・・嫌いにならないでください。・・・これからも私の部屋に来て、本を読んだり、・・・私の傍にいてください・・。」

「・・・・・ホントに、もうしない?」

「はい、しません。」

「したら、許さないからね?」

「はい。」

「じゃあ、いいよ。」

「よかったです、本当に嫌われたかと思いました。」

「嫌いになるわけ、ないよ。・・・私、竜崎のこと大好きだもん。」

「私ものこと大好きですよ。いえ、愛してますよ。」








大好き、と言われて、すごく嬉しそうに軽く微笑むと竜崎はぎゅぅっとを抱きしめた。

抱きしめられたは、なんだかちょっぴり照れくさそうに竜崎の言葉と抱擁を受け止めた。

ぎゅっと竜崎の背中に腕を廻して抱き返すと、竜崎が口を開いた。

















「・・・でも、だって悪いんですよ。」

「え?」

「私が何回読んでも無視するし、お菓子食べませんか、って誘っても邪険にするし、寂しかったんですよ。」

「・・ゴメンね?」

「私は寂しいと死んでしまうんですよ。」

「・・・竜崎はウサギか何かかね。」

「だから、これからは本だけではなく私にもかまってくださいね。」

「そうするよ、竜崎が死んじゃうの、嫌だからね。」

「そうしてください。私ものこと、いっぱいかまってあげます。」

















****

エルたすは絶対犯人言っちゃいそう。ワラ
てゆか、マット以外のワイミーズは犯人言っちゃいそうね。
メロもニアも言っちゃいそう。
マットはきっと犯人言わないで分からない彼女をからかってそう。