「流河君って、誕生日いつなの??」








そう聞かれるまで、今まで私は自分の生まれた日のことなんてあまり考えたことがなかった。








































隣の○○君
〜番外編〜A PROF OF BIRTH 1031




















































誕生日。

自分が生まれた日。

自分はなんのために生まれてきたのだろうか。

考えたこともなかったが、改めて考えてみれば私は

【L】になるために生まれてきたんだろうか。

施設にいたころも、盛大ではないが誕生日というその日には大きなケーキを貰ったりして食べたり、そんなものだった。

私からすれば、別にそんなこと祝わなくてもいいし、そんなのただケーキが食べれる日だということにしか思えなかった。

だけど、今目の前にいる愛しい存在は首をかしげながらこう聞いた。

私の誕生日はいつなんだ、と。
























「誕生日ですか?」

「うん。聞いてないなぁ、て思って。」

「初めてそんなこと聞かれましたね。」

「そうなの?」

「はい。今まで誕生日とか、そんなことあまり深く考えたこともなかったので。」

「淡白だね。」

「別に誕生日だからと言って特にいいことがあるわけではないし、・・・あぁ、敢えて言うのならケーキが食べられることくらいですね。」













私がそう言った瞬間、貴女はひどく悲しそうな顔をした。

何か、言ってはいけないことを言ってしまったんだろうか。

彼女を傷つけるようなことを言ってしまったのだろうか。

それならすぐに謝らなければ。

彼女の悲しそうな顔は見たくない。













「すいません、何か悪いことでも言ってしまいましたか?」

「うん、すごく。」

「・・・すいません。」

「何が悪いか分かってないでしょう?」

「・・・・・。」

「やっぱり。」

「何が悪かったんですか?」

「名探偵さん、自分で考えてみよう。」













名探偵さん。

彼女はこういうとき必ず言う。

私が何か、失言をしたときに。

こう言われるのは嫌ではない。













「・・・ギブアップですね。」

「まだ1分しかたってないよ。」

「分からないものは分からないです。」

「負けず嫌いの流河君がそんなこと言うなんて。」





貴女を悩ませたその意味を早く知りたいからですよ。

・・なんて言っても、その悩ませた意味を作ったのは私ですが。









「私ね、流河君に会えてよかったな、って、思うの。」

「どうしたんですか、急に、」

「流河君のこと好きになってよかった、って思うの。」

「はい、私もさんのことが大好きですよ。」

「そう思えるのって、すごく、幸せじゃない?」

「そうですね。」

「幸せだって思えるの、どうしてだと思う?」

「・・・・だから、さんが好きだからだと」

「私も流河君が好き。」







今日の彼女はやけに積極的に『好き』だと言ってくれる。

私としては非常に嬉しいのだが(いつもは恥ずかしがってそんなことあまり言ってくれませんから。)

妙に意味深に言ってくるのがやけに気になる。











「何が言いたいんですか?」

「私が、流河君のことが好きで、幸せだって思えるのは、流河君が生まれてきてくれたからなんだよ。」

「・・私がですか。」

「そうだよ、流河君が生まれた日は、私にとって幸せが生まれた日なんだよ。・・・・だから、『特にいいことない』なんて、言わないで。」









あぁ─・・・

なるほど彼女がひどく悲しそうな顔をしたのは、そういうことだったのか。

私が、『誕生日なんて特にいいことない』と言ったことを。

なるほど、さんの言うとおりだ。

こうして生まれてこなければ、私は今こうして彼女と話しながら、幸せだと思うこともなかったんだろう。

大体、こうして幸せだと思うことも、全て彼女に出会ってからだと思う。

自分で言うのもおかしいとは思うが、こうして実に人間らしい感情は初めてに等しい。

そう思うと、私の誕生日というのはとても大切な日なんじゃないか。

たった今、初めて思った。
















「そうですね・・・『特にいいことない』だなんて失言ですね。」

「そうだよ。流河君が生まれてきてくれたから私幸せなんだもん。」

「私がこの日に生まれてきたからさんは幸せだと感じてくれているし、私も幸せなんですね。」

「・・・なんか反復されるとすごく恥ずかしいけど・・・うん。そうだよ。」

「さっきはたくさん『好き』だと言ってくれたじゃないですか。普段恥ずかしがってあまり言ってくれないので嬉しいですよ。」

「さ、さっきは、だって・・」

「ありがとうございます。」










初めて、自分の誕生日というものが嬉しく感じた。

ケーキが食べられるからとか、そういうことじゃなく。

ちゃんとその日の意味を感じて、嬉しいと思った。

貴女がその日を幸せだと言ってくれたから。















「話は最初に戻るんだけどさ、」

「はい。」

「流河君の誕生日って、いつ?」

「今日です。」

「あぁ、今日ね、え!?今日!?」

「はい。」

「えっ・・そんな、急すぎるっ・・な、なんか欲しいものとかない?」

「欲しいものですか?」

「うん。」

「欲しいものはもう手に入ったのでいいです。」

「そんなこと言わずに、」

「それとも、さんの気持ちはまだ私のものにはなってくれてないんですか?」

「え・・、」

「私の欲しいものは、それだけでいいです。」

「・・それなら、とっくに手元にあると思いますよ。」

「それはよかった。嬉しいです、それで、十分ですよ。」












誕生日。

自分が生まれた日。

自分はなんのために生まれてきたのだろうか。

考えたこともなかったが、改めて考えてみれば私は

【L】になるために生まれてきたんだろうか。



否、


それは表向きだけで、きっと貴女を幸せにしてあげられるように生まれてきたのだと、貴女の言葉でそう感じた。

こんなことを思えるようになったのも貴女のおかげだ。


















「あぁ、さん。」

「ん?」

「一つだけ、お願いしてもいいですか?」

「いいよいいよ、今日は特別。なんでも聞いてあげる。」

さんの作ったケーキが食べたいです。」

「そんなので良かったら、いくらでも。」

















生まれて初めて、自分の存在意義を確かめられた

幸せなのはこの日があるからで

私は貴女と出会うために生まれてきたのかもしれない、と

そう思ってもいいでしょうか













*****

Lたすっ誕生日おめでとう!!!!

How To Read が出てLたすの生年月日も分かり・・・こうして誕生日夢を書くことが出来まして。

いやー、よかったよかった!!笑

とにかくおめでとうっ。生まれてきてくれて有難うLたす。