「バレンタインです。」
「・・・うん?」
「・・・・なんですかその反応・・・。」
「え?なんで?」
「くれないんですか?チョコ。」
「え!?チョコが欲しいの?!」
「欲しいに決まってるじゃないですか。ください。」
「そんなにあからさまにチョコ欲しがる人初めて見たよ私。」
昼下がりのワイミーズハウス。
外では子ども達が楽しそうに遊んでいる。
そしてハウスの中の廊下の真ん中でチョコをくれよと豪語する男とそれに困る女性が一人。
「・・・・まさか、が私にくれないなんてことがあるなんて想定外でした。ホリエモンもビックリです・・・。」
「いや・・その・・・」
どうやらLにチョコの用意をしていなかったみたいだ。
別にいつもケーキとか作ってあげてるんだからいいじゃないか、とも思ったが、違うのだ。
バレンタインは、別物だ。
好きな人から貰う、好きだという気持ちがこもった自分だけが貰えるもの。
しかし、目の前にいる自分の愛しい女性はチョコを用意してないというじゃないか、
Lは完全に拗ねてしまっている。
そんな所にタイミング悪くハウスの子どもが通りかかった。
「あ!!!!!」
「あ、メ、メロ。」
「!チョコサンキュー!!美味かった!!」
「メ、メロ・・・!!!」
メロのその言葉にピクリと反応するL。
今そんなこと言わなくても、と思いながらチラリとLを見やれば背中から不のオーラをあからさまに出しているLと
ばっちりと目が合ってしまった。
「・・・・・・メロ・・・・」
「あ?L、なにしてんのこんなとこで。」
「メロ・・・あなたからチョコを貰ったんですか?」
「うん。すっげぇの、今まで食べたチョコん中で一番美味かったなアレ。」
「・・・・・・・・・。」
とても嬉しいことをこの少年は言ってくれているのだけど、今はその口を謹んで欲しい。
そう思っているも、今度はメロではない違う声が聞こえる。
「・・。」
「あ・・ニア・・・」
「チョコ、有難うございました。・・とても美味しかったですよ。」
真っ白なダボダボとしたパジャマのような服を来て相変わらず気だるそうに歩いてくる白い少年はニア。
この子もどうしてこのタイミングでやってくるんだろうか、頼むからチョコに関することはこれ以上口にしないでくれ、
そう願うがそれも虚しくかなわなかった。
「今まで食べたチョコの中で多分一番美味しかったです。」
「あ、ありがとう・・ニア・・・。」
「お前ももらったのかよ。」
「メロ、いたんですか。」
「お前より先にいたんだよ!チビ!!」
メロはメロでニアもからチョコを貰ったことを知ると少しふて腐れたような顔をする。
ニアは至って平然としているが。
「ニア・・・」
「L、いたんですね。しか見えませんでした。」
「私のほうが先にと一緒にいました。」
「そうですか。」
「そんなことはどうでもいいんです、・・・あなたからチョコ貰ったんですか?」
「貰いましたよ。さっき美味しく頂きました。」
そんな言葉はLを挑発しているのとなんら変わらぬ言葉だ。
メロもニアもからチョコを既に貰っているのに自分は何故貰っていないんだコイツらの腹の底からチョコを引きずり出してやろうか
そんなことまで考えているような顔でLはうな垂れている。
「・・・・・な、なんでですか・・・」
「エ、L・・」
「、どうしたんだよ、L。」
「いつも以上におかしいですよ。」
メロとニアが面白半分にLの顔を覗き込む。
その瞬間、Lはグッと口を結んで顔をあげた。
「な・・」
「「「な?」」」
「な・・・なんで・・・の馬鹿・・・。」
「L、何言ってんだ?」
「頭おかしくなったんじゃないんですか。」
「L、ゴ、ゴメン、あの、それにはちゃんと理由が・・」
「もうなんて知りませんよ!?口聞いてあげませんからね!!」
至極悔しそうな顔をしながらにそう言ってショックでよたよたとおぼつかない足取りで走り自室へとこもってしまった。
その様子を見て『あぁ、なるほど。』なんて状況を把握するメロとニア。
「あげなかったんですか?」
「あげなかったっていうか・・・」
「L、あれ相当拗ねるぜ。」
「いい大人にもなって・・・。みっともないですね。」
「ニア、お前、仮にもあれ先輩だぞ。」
「、どうするんですか?あの人。」
「いや、Lにはチョコは用意してないけど違うものを・・・」
「「それを早くあげろ(てください)」」
「う、うん・・。」
だってLが人の話聞こうともせずに勝手にヘコむんだもの。
言うタイミングを逃したっていうか。
ていうか、Lはそんなにチョコが欲しいわけ?
拗ねて自室にこもったLは部屋の隅っこでいつものあの座り方でガリガリ爪をかじっていた。
子どもより性質が悪くどうしようもない拗ね方だ。
『Lの仕事』にも一向に手をつけようとしない。
さっきワタリに向かって『私仕事しませんからね。』と言っていた。
それを聞いたワタリはフォッフォと軽く笑いながら『はい。』と受け流していた。
どうせまたとなにかあったんだろう、いつものことだ、そう言いたげなワタリの顔はなんともLの扱いが慣れているというか。
「ロジャー。」
「どうしたんだい、。」
「Lは?」
「Lはさっきから自室にこもってるよ。最も仕事じゃないけどね。」
「あぁ、やっぱり。」
「また何かあったんだね?」
「うん、今から行ってくるよ。」
ロジャーにLの居場所を聞き、すぐLの部屋へと足を向けた。
いや、そもそも私が悪いんだろうか?そうも思うがこうなったらLはこっちが何かアクションをしなければ拗ねたままだ。
ずっと放っておけば今度は『なんで来ないんですか。』なんて逆にこちらが攻められ拗ねられる上にずっと一緒にいることを要求されるに違いない。
全くなんて手のかかる恋人だろうか。
そう思いながらも彼を好いているので仕方ない。
Lの部屋のドアを軽くコンコン、と叩くが返事はない。
「L、L。」
「・・・・・・・・・・・ですね。」
「そう。口聞いてくれないんじゃなかったの?」
「・・・・・・・・・・・なんですか、私のことなんて嫌いなんでしょう。」
「え?そんなこと言ってないんだけど・・・」
「・・・だってチョコくれないじゃないですか。」
まだチョコのことを言うか。
ため息をつきもう一度、Lの名前を呼んだ。
「エーール。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・なんですか。」
「そんなにチョコが欲しいの?」
「・・・・・欲しいです。」
「チョコが、欲しいの?」
「・・・・・・・何度も言わせないでくださいよ。メロやニアにはあげたくせに。」
「そう、あげた。メロとニアにはチョコ。」
「・・・・・・・・・恋人の私にはくれないくせに。」
「そんなにチョコがいいんなら今から作り直すよ。」
「・・・・え?」
「ホントはLには違うものを用意してたの。・・・・だけどLがそんなにチョコにこだわってるんならこれから作るから、待ってて?」
のその言葉を聞いて静かに部屋のドアを開けるL。
の腕をグイっと掴み、彼女に質問を投げかけた。
「作り直すって、なんですか?」
「今からチョコ作るってことでしょう。」
「その前に何かが用意してあったんですか?」
「まぁ、してあったけど・・・Lはチョコが欲しいんでしょ。」
「いえ・・あの・・・いえ、チョコじゃなくてもいいです。」
「・・・・なにそれ。」
「それが欲しいです。」
「でもチョコじゃないよ?」
「がくれればなんでもいいんです。」
さっきまでチョコが欲しいって拗ねてたの何処の誰ですか、そう言えば口を紡ぎ、バツの悪そうな顔をしている。
でもLのそういう所も好きなんだけど、そう告げてあらかじめ用意していたLへのプレゼントを渡した。
「ゴメンね、食べ物じゃないんだ。」
「開けていいですか?」
「どうぞ。」
綺麗な包み紙をそっと丁寧に開けると、白くて肌触りの良い
「クッション、ですか?」
「うん。・・・・ゴメンね?そんなので。気に入らなかったらやっぱり作りなおすからさ。」
白い生地に小さく隅っこに黒字で綺麗に『L』と刺繍されたクッション。
予想もしないプレゼント、だけど嬉しいのは変わらない。
「嬉しいです。大切に使わせてもらいます。」
「そ、そっか、良かった。」
「なんでクッションなんですか?」
「L、ずっと座りっぱなしでお仕事するでしょ。疲れちゃうから、少しでも疲れないようにって思ったんだけど・・。」
「・・・・・・・・。」
「ん?」
「すいませんでした。」
「L、どんどんヘコんでくから言うタイミング逃しちゃったよ。」
「・・・・だってが私のこと好きじゃなくなったのかと思ったんです。」
「そんなことあるわけないでしょ。」
「はい。。」
「ん?」
「大好きです。」
ちゅ、とキスをすればの顔は真っ赤になる。
「真っ赤です。」
「Lのせいでしょ。」
「そうですね。」
「白々しいなぁ・・・。」
「別に、何かが欲しいわけじゃなかったんです。」
「ん?」
「ただに好きって気持ちを伝えて欲しかっただけですよ。」
「じゃあー、ホワイトデーは3倍返しね。」
「いいですよ。3倍どころか100倍ぐらいで返してあげます。」
「楽しみにしてるよ。」
「私のこと好きですか?」
「世界で一番、大好きよ。」
「私は宇宙で一番ルアのことが大好きです。」
「・・・負けず嫌い。」
ホワイトデーじゃなくても毎日貴女のこと大好きですけどね。
「んだよ、L。すっげー嬉しそう。」
「単純ですね。」
「オレらが貰ったのって義理?」
「そうですね。普通に考えて。」
「なんかLムカつく。」
「奇遇ですね。初めてメロと意見が合いました。」
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バレンタインフリー。(いらん)
今まで書いた中で初めてメロニア登場したわ。
バレンタインじゃなくてもLたすに愛いっぱいいっぱい。