隣の子、いっつも来ないなー。

登校拒否?

まだ見た事ないや。

今日も来ないのかな?






































隣の○○君
















































授業の始まりの合図を奏でる鐘の音

それと共に教室には教師が入ってくる

教師の号令と共に生徒が立ち、座る

一般的な高校生活














対して興味のない授業

そういう時は窓の外を見ているのが1番

今日も空は青いですよお母さん

それはもう気持ちのいいほどに

それなのに、私の隣の席の子は来ていない

あぁ、気持ちがいい天気だから休んだのかな
























1時間目の英語の授業

1時間目から英語なんてまるで小守唄のようじゃないか

そんな事を思いながら窓の外をボーっと眺め、授業の内容なんて右から左の

ふと、外を眺めていると校門付近に滅多に見ない光景を目にし、しばし目を外に見張る。
















(うわー…お金持ちかな?リムジン?何処かのお偉いさんかな?)























窓の外、校門付近に止まる1台のリムジンにしばし驚く。

何処かのお偉い方でも来たのだろうか、そう思いながら出てくる人物をまだかまだかと見ていると

そこから出てきたのはお偉い方でもなく。

この学校の制服を着た青年がヒョコヒョコとリムジンから降りてくるではないか。



















(え?!生徒!?生徒がリムジン登校?何処のクラスの子ですか、全くもう。車登校な上にリムジンなんて。不健康になりますよっ。そんなお金持ちの子がいたのねー。)













ポカっと口を開けながら校門から校舎へ向かう青年を見届けていると、何時の間にか1時間目の授業は

終わりを告げ、先生が教室から出て行くところだった。











































「ねぇねぇ、。」

「なぁに??」

の隣の席の子、一回も見たことないんだけど。」

「私もー。これが結構寂しいもんだね、隣いないのって。」

「登校拒否かな?」

「どうなんだろうねぇ・・。出席日数とか、大丈夫なのかな??」

「さぁ。入学式の時でさえ見てないんだから・・・ヤバイんじゃない?」

「そっかぁー・・。あ、話全然違うんだけどね、さっき外見てたらさ、校門にリムジン止まってて」

「どっかのお偉いサンでも来たんじゃない?珍しくないよ。」

「や、違うんだよー、中から出てきたのがさ、ここの生徒なの。だってここの制服着てたもん。」

「えー、うちの学校にそんな子いる?だってリムジンなんかで登校してたら、目立つでしょ。」

「そうだけど・・でもうちの制服だったしー・・」

「じゃあ転校生かなにかじゃない?」

「この時期に?」

「まぁいいじゃない。」

「うん〜・・。」







































適当に話を終わらせ、また違う話題で盛り上がる。

話している時間というのは早い。

時間が早く感じる。

10分の休み時間もあっという間に終わり、次の授業の始まりの鐘が鳴っていた。

それに共に教室へ入ってきたのは、今回は先生ではなく、一人、生徒が後ろのドアを開けヒョコヒョコと入ってきた。

生徒が教室に入ってくるなんてごく当たり前の事だが、教室にいる生徒は全員教室に入ってきた生徒を驚いたような目で追う。

何故なら、一度も見たことのない生徒であったから。






















(誰、だろう?見たことない子・・・クラス間違って入ってきたのかな・・、いや、そんな間抜けな事真顔でしないよね、うん・・)















窓際の席に座っているもその生徒が誰なのか分からずに、皆と同じように呆然としていた。

するとその生徒はヒョコヒョコとの席へと近づき、そして座る。

そう、ずっと空席だった“の隣の席”。

そしてそこでやっと分かった。



あぁ、この子が私の隣の席の登校拒否の子。(勝手に登校拒否と断言しているが)



そう思い、納得すると、また彼の顔を見て何かを思い出す。










(アレ・・・このヒト、さっきのリムジン・・・)













すると隣の席の男の子は大きな目でを見つめ、問うた。












「なんですか?私の顔に何かついていますか??」

「へっ、あ、いやっ、滅相もないっ。」

「そうですか。」










ボサボサと寝癖のような黒い髪、制服も、着ていると言ってもブレザーのボタンは閉めていない、ネクタイもしていない、

ズボンもダボダボしているのを履いている。

そして何よりも目立つのが、目の下の隈。

どれだけ寝なかったらこんな濃い隈が出来るのだろう、そう思いながら彼に声をかけてみる。











「ね、ねぇ、」

「はい?」

「名前、なんていうの??」

「名前ですか・・」

「うん、だってずっと学校来てなかったでしょう?」

「あぁ、そういえばそうですね。私の名前は、流河早樹、です。」

「おー、すごいね、芸能人と同姓同名。」

「よく言われます。・・貴女の名前は?」

。なんて呼んでもいいよ。」

さん、ですか。」

















名前を教えあっただけ。

初めて会ったのだから当たり前のこと。

でも何故か嬉しい。



















「ねぇねぇ、流河君さ、」

「はい?」

「さっきリムジン乗って来たよね??」













そう、さっき外を眺めているときに見た生徒だったのだ。

忘れるものか。

特徴的な制服の着こなし、(多分一般的にはだらしないとでもいのだけれど)寝癖のような髪型、猫背。

絶対に彼だ。

あぁ、ずっと学校に来ていない彼だったから見たことなかったのか。

そう考えながら、流河に質問してみた。












「ハイ。」

「あぁ、やっぱり。さっきね、授業中窓の外見てたらリムジンから生徒が出てくるの見てビックリしたんだー。そっかそっかー、

さっきのリムジンの人は流河君だったんだねぇ。」

「リムジンの人って・・・そんなハムの人みたいな言い方しないでくださいよ。」

「あはは、ハムの人って。ね、学校嫌い?」

「嫌いではないですよ。・・・何故ですか?」

「ずっと来てなかったからさー。隣の席の子、誰なんだろうなー、って、いつも思ってたんだぁ。」

「そうですか・・。嫌いなわけでもないし、登校拒否でもありませんよ。ただちょっと、家の都合で。」

「へぇー、そっかぁ。」










流石に人の、しかも今知り合いになったばかりの人間に家の都合まで聞くのは失礼だと思ったのか、それ以上は問わなかった。













「じゃあ初めてだね、学校生活。」

「入学式の時に来たきりですからね。」

「え、入学式いなかったよね?」

「あぁ・・式だけ出て帰ったので教室には顔を出していませんから・・」

「なるほど。だから知らなかったのね。」

「そういうことです。」












流河君って、ちょっと、いや、結構変わってる子だなぁ。

目の下隈スゴイし。

座り方変だし。

猫背だし。

でも、なんか可愛いなぁ。

あ、指くわえてる。

やっぱ変わってる子。

そんな人を可愛いなんて思う私も変わってるのかな。
























「あ、流河君。」

「はい、なんですか?」

「これ、見る??」















そう言ってが流河に差し出したのは授業のノート。

差し出されたノートをじぃっと見つめ、『なんですか?これ』と問う流河。










「授業、全然出てないでしょ?ノート、必要かと思って。一応ノートだけは取ってあるからさっ。」

「ノートだけは、ですか。」







のその発言にふっと口の端を緩ませ微笑んだ。








「有難うございます。」


























































放課後になると帰る者や、部活に行く者、それぞれが教室を出入りしている。

は部活に入っていなかったのでいつものように帰ろうと鞄に荷物を入れる。

















っ、明日ねっ。」

「うん、バイバイ、部活頑張ってねー。」

「はいよー。」








友達と別れを告げ、ふと自分の隣の席を見る。

しかしそこにもう隣の席の住人はいない。









(流河君、もう帰っちゃったんだぁ。早いなぁ。・・・明日は、学校来るのかな?)












などと、流河が明日学校に来るかどうか考えながら教室を出る。

教室を出て階段を降りていくと、前方から独特な背格好で歩いてくる人物がの目に入る。




















「あ、さん、帰るのですか?」

「え、あ、うん。あれ?流河君、帰ったんじゃないの?」

「いえ、これからです。先程、先生に出さなければならない書類があったので職員室へ行ってました。」

「あ、そうなんだ。」

「気をつけて帰ってくださいね。」

「え?あ、ありがとう、流河君も、・・って、車だもんね。あ、でも事故に逢わない様にね。」

「はい、有難うございます。では、また明日・・・」

「え?」

「なんですか?」

「明日、学校来る?」

「はい、来ますよ?」











少し、不安そうな、そんな顔で流河に聞いてみれば、当たり前ですよ、とでも言いたげな表情と口調でそう言う流河を

見て、何故かの心に嬉しさと、安心感が生まれた。













「そっかぁ、また来ないのかと思ったっ。」

さんにノートも借りていますしね。それに・・」

「ん?」











それに、学校に来るのが楽しみになりました。

貴女のおかげで。












「いえ、明日ノート返しますね。」

「あぁ、急がなくてもいいのに。」

「ノートがないとさんが困る事になるでしょう。」

「あ、そっか。」

「なので・・今日借りた以外の他のノート、また別の日にお借りしてもいいですか?」

「うん、全然いーよっ。」

「有難うございます。では・・」

「うん、明日ねっ。」

「ハイ。」


























“また明日”



当たり前のような言葉のキャッチボールなのに。

今日は何だかすごく嬉しい。

早く明日になればいいのに、なんて。






























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高校パラレルちっくなL夢。

本当は短編で終わる予定だったのになんか、これ続きそうな勢いになっちまったぜ。

もちろん流河早樹は偽名ですよ。

取り合えず、軽く続く、予定。