「あーーー!!!!もーーう!!!!なんなのさーこれはー!!!!」









日曜日



すがすがしい天気のこの空に一つ少女の怒声が響き渡った。










































隣の○○君










































いつものようにテスト勉強をしていたと流河。

そしてまたいつものように美味しそうにケーキを頬張る流河と、流河に出された数学の問題を必死に解く

ふと、ケーキを食べながらモゴモゴと流河が問題を解くに話し掛けた。








「そう、ひえば・・」

「飲み込んでからでいいよ。」

「・・・・・・。そういえば、明日は学校休みですね。」

「あ、日曜日かぁー。」

「どうしますか?」

「ん?」

「土曜日は勉強、なしにしますか?」










『なしにしますか?』と聞かれ、しばし戸惑う

勉強なんて好きではないが、流河に教えてもらいながらの勉強は好き、というか、流河と一緒にいられる時間が好きなのだろう。

そんなこと聞かれれば、『いや、やりたいです』と、言いたくなる。

しかしせっかくの日曜休みを自分なんかの勉強のために潰させてしまっていいのだろうか、と考えるとそこはなんとも言いがたい。











「えーと・・」

さんさえ良ければ私は大丈夫ですよ。」








言いにくそうにしていたのを察知してくれたのか、流河がそう言った。

というか、多分、いや、絶対流河もと一緒にいれる時間が欲しいからこんなことを言い出したのだと思う。

でなければこんなこと言い出さない。












「えっ、あ、じゃ、じゃあお願いしますっ。」

「はい。では・・場所、どうしますか?」

「えーと・・・あ、学校の近くの図書館は?あそこなら勉強スペースあるし、ね。」

「はい、じゃあそうします。」


































─・・・というわけで、日曜日、図書館で流河とテスト勉強をすることになったのだが・・

なにやらご乱心の

その怒りの目の前には大量の─・・・


















「なんなの!!この手紙はー!!!」














そう、手紙。

以前と同じように差出人は不明、手紙の内容はパソコンで打ち込まれている、という同じパターン。

しかし、今回はそんな手紙が何十通もきていた。

全部宛のものだ。

怖いとか、気味が悪いなんてことよりもこんなにたくさんの差出人不明手紙を自分に送られてきたことにイライラしている

いやいや、そんなことよりももっと考える事があると思うが。









「しかもなんですか、これ。全部書いてある文が同じだよ!!【手紙、見てくれた?僕はいつでも君の事をみているからね。】・・って。

気持ち悪いよ、これ。悪戯にしちゃ手が込んでるし・・・ストーカーとかいってそんな自意識過剰なこと考えちゃっていいのかな?」








この場合はストーカーだと断言しても自意識過剰だとは思われないと思う。













「ストーカーだとしたら・・・どうしてやろう。・・・・あぁ、でも下手にこっちから手出しても逆にやられそうだし。警察ってあんまり

ストーカー被害のことについて動いてくれないって聞くしなぁ・・・。悪戯だとしてもどうやってやめさせればいいか分からないし。」








目の前にある大量の手紙を目の前に一人でうーん、と唸る。

誰かに相談しようという考えは出来ないのだろうか、この子は。










「・・・取り合えず悩んでたってしょうがないや。うん。流河君との約束まで時間あるし・・それまでもう一眠りして・・うん、それでいい。」










いや、それではよくないし悩んでたってしょうがないことではない。悩んで当たり前のことだと思う。

大量の気持ち悪い手紙を手に抱えそれを乱暴に机の引き出しにしまい込みそのままベッドにゴロンと横になった。

女版のび太とでも言おうか、この娘。

ベッドに横になってものの5秒もしたら気持ち良さそうな寝息をたてながらもう寝ている。呑気なものだ。







































「竜崎、待ち合わせは何時なんですか?」

「1時だ。」

「おや、大丈夫ですか?」

「何が?」

「事件の依頼、終わっていないのでしょう。」

「そんなもの、徹夜すればすぐに終わる。」

「ほっほ・・そうですか。」





ニコニコと笑いながら竜崎の横で何か小難しそうな資料をまとめているワタリ。

そしてその横ではパソコンと睨めっこしながら紅茶をズズっと啜る流河・・いや、この場合では竜崎と言った方がいいだろうか。

パソコンのモニターにはこれまた難しそうな資料が映し出されている。

それを見てはうんうん、と頷いていたり、いやこれはおかしい、などとブツブツ言ってみたり落ち着かない。

そんな竜崎の姿をいつもなら気にも留めず、邪魔をしないように話し掛けないのワタリだったのだが、今日はよほどその事が気になっていたのか

パソコンと睨めっこの竜崎に声をかけた。








「竜崎、」

「・・・なんですか。」

「そういえば・・・その娘さんにまだ自分のこと、・・言ってないんですね。」

「・・・・言う必要も、ないです。」

「そうですか?」

「そうです。」









自分が本当は世界でトップの探偵だなんて

言っても信じてくれないだろうし、─・・言ったら言ったで、彼女に危険が伴うかもしれない

それだけは、嫌だ

だから、言わない



















「─・・・11時か・・。」












依頼されたことも放って、今すぐ彼女に会いにいければいいのに

そう思いながら口をムスっと紡ぎながら時間が過ぎるのを待ち遠しそうにまたパソコンのモニターと睨めっこしはじめた。

その後1分もたたないうちにワタリに『・・まだ1時じゃないんですか?』なんて聞いてる姿があった。









(推理をしているときはこれでもか、というくらいに集中して時間など忘れているのに・・・そんなに待ち遠しいんですね、竜崎。)








なんて、呑気に微笑ましそうに時間を気にする竜崎を見やる。

相変わらず落ち着きのないその仕草に思わず『ほっほ・・』と声を出し笑うが竜崎はそんなの気にした様子もなく、『まだか、まだか』と言わんばかりに

時計をチラチラと見ている。それでも仕事はちゃんとしているのが凄いところなのか。













(・・・・これなら待ち合わせをもう少し早くしてもらえばよかった・・。)







ガリっと親指の爪をかじりながらそんなことを思った。






































一方、待ち遠しくて仕方がない竜崎と比べて、は気持ち良さそうにベッドで寝ている。

二度寝ということもあってか、かなり寝入りが良い。二度寝ほど起きにくいものはない。

静かな部屋に時計の針がカチカチと鳴る音との規則正しい寝息が響く。

時計の針は12時を指していた。

と、同時に何かが乗り移ったかのようにガバっと勢いよく起き上がった。











「・・・・何時!?」







バッっと時計を見ると時計は12時。

それを見て『しまった!!!』なんて言いながら慌ててベッドから降りた。

化粧もしてないし着替えもしていない。

どうして二度寝する前にせめて着替えをしておかなかったのか。









「き、着替えっ・・と化粧っ・・ヤバイヤバイ。図書館まで・・・えぇと・・20分くらいだから」











あぁっ!!!

自分のバカン!!!

何呑気に寝てるんですか、もう!!!

せっかく流河君が休みなのに私の勉強を見てくれるって図書館行くのに!!!

や、・・休みの日に流河君と会うのは初めてだから、・・なんてゆうの、ホラ・・ね。

少しでも可愛くしていきたいじゃないか乙女心。

いやもう、乙女心もへったくれもありませんよ、もう。














『馬鹿な自分を許してあげてよ、私。』なんてワケの分からない事を言っているところに、だ。

バッドタイミングで家のインターホンが鳴り響いた。

何もこのタイミングで鳴らなくてもいいじゃないか、そんなことを思いながらインターホンを無視しようとするが、その瞬間、またインターホンが鳴らされた。













「・・・・ハイハイハイハイ、出ればいいんでしょう、出 れ ば ッ!!」












時間ないのにさぁ、なんてブツブツ言いながら玄関先へ向かう。

着替えはすんでいるものの、顔がすごい。

用件を聞いたらさっさとすましてしまおうと思っていたは化粧をしていた途中で出て行ったのだ。

片方の目だけ、マスカラがしっかりと塗られ片方の目はまだ何もほどこされていない生まれたまんまの姿だ。

髪型もまだ整えていなかったらしく、少々ボサボサしている。

そんな状況で迎え入れようと思う彼女もスゴイ。

まぁ時間がないから仕方がない、という言い分もあるのだろうけど。

ガチャっと乱暴にドアを開け『ハイ?なんですか?』と少し不機嫌そうにその客人を見てみればそこには驚いたように立っているライトがいた。









「ラ、ライト;」

「ず、随分と不機嫌そうだけど・・・ゴメン、なんかタイミング悪かったかな;」

「あ、いや、うんっ、タイミングは悪いけどライトならいいやっ。」

「(やっぱり悪かったのか・・;化粧も途中みたいだしな・・)







どうやら回覧板を廻しに来たライトだったらしい。

ライトから回覧板を受け取ると『それにしても、すごい格好で出てきたな。』なんて言われ改めて『し、しまった・・』なんて思っている。

多分流河だったら『さんは化粧なんかしなくても可愛いですよ』なんて言うのだろうけど、ライトはそんなこっ恥ずかしいセリフ、

ましてや幼馴染に言えやしない。(へたれ)

じゃあ、とライトが帰ろうとしたとき、丁度、郵便のおじさんがの家のポストに手紙をヒョイっと入れてブロロッという音と共に去っていった。

その瞬間、キッと怒ったような顔をしながらライトの横をズカズカと通り過ぎると、ポストに勢いよく手を突っ込んだ。

勢いよく突っ込んだ際にポストの底にガツンッ、と指を折り曲げた形でぶつけたらしく『うぶっ・・』と声を漏らして痛がっている姿があった。









「ど、どうしたんだよ、・・」

「あ、やっぱり!!!もう!!」

「え!?;」






怒った顔をしながらポストの中身を取り出すが心配でポンっと肩に手を置いた瞬間、がまたプリプリと怒り出したので

ライトはビクッとしながら肩に置いた手をパッと離した。











・・?;何怒ってるんだ?」

「怒りたくもなりますよーもう!!聞いてよー、ここんとこ毎日のように差出人不明の気持ち悪い手紙が何十通も届くんだよー。」

「え!!?;」






きぃっ!!と怒りながらライトに事情を説明するに対し、焦りながら『それってストーカーじゃないか!!;』と、ライトが言おうとしたときだった。
























「・・・・あれ、なんでライト君がいるんですか?(またですか・・・)」














なんてタイミングでやってくるんだろう、この男は。

門先からヒョコっと顔を出してそんなことを言ったのは相変わらず不健康そうな顔をしながら親指を唇に当てている流河。

流河の姿を見て『げっ・・』と思っているライトと『あれ!?アレ!?』と慌てている。

もちろん、まだ1時にはなっていない。

実は1時まで待ちきれなくなったので、もう迎えに行ってしまおう、と来てしまったのだ。(途中までワタリに送ってもらった。)













「迎えに来たほうが、待ち合わすよりも早いと思って来ちゃいました。・・・スイマセン。」

「いや、あの、全然!!謝ることじゃないし、ね??有難うっ。迎えに来てくれて。」








悪い事をして親に怒られた子どものような表情をするもんだから思わず和むだったが、なんだか流河が本当に申し訳なさそうに

している姿を見て(迎えに来たということで余計な事をしたんじゃないかと不安だったらしい)、慌ててフォローを入れた。

好きな人が迎えにきてくれることを嫌だと思うわけがない。

ライトは不機嫌そうな顔をしながら『てゆうか、待ち合わせってなんだよ。』と流河にボソっと問うと、勝ち誇ったような顔で

『図書館で一緒に勉強をする約束をしました。』と言うのに対し適当に相槌を打ちムスっとした。

















「それにしても・・どうしたんですか?なんだかさんが怒ってましたが。」







流河がそう切り出すと、ライトはハッと思い出したかのように『そうだ、それだよっ。』と言い、流河に事情を説明し始めた。









「なんか、がここんとこストーカーまがいな被害にあってるらしいんだ。」

「え!!ストーカーですか?」






そんな、危ないじゃないですか、本当ですか?と尋ねる流河はいつも大きく見開かれている目が更に大きく見開かれていた。

そうだよな、?と確認するように聞くライト。

反応に困ったのか『よせやい、そんなに見つめるなよ』と茶化した











「「重大な問題だろ(ですよ)!!」」











見事なまでに綺麗に重なる二人の声に思わず『やっぱりこの二人は吉本に入ったほうがいいよ。いいコンビでやっていける。』なんて

思ったが、それは流石に口には出さず、『ゴメン。』と謝った。











「ストーカーまがいって・・やっぱりこれストーカーなのかなぁ?」

「当たり前だろ;そんな毎日のように送られてくるんだから。」

「そうですよ・・・さんは少し危機感を持ったほうがいいですよ。」

「スイマセン。」

「あ、いえ、責めてるわけじゃないですから・・とにかく、危ないですから、その・・・危機感は持ってください。」







あわあわ、と手を出したり引っ込めたりしながらに優しくそう言いなおした。







「いつからだ?」

「えーーと・・・・・一昨日くらい?」

「これからまだ来そうですね。」

「そうだな。」

「え、まだ来るの?;」

「ストーカーは段々酷くなるに決まってるだろ。」

「あぁ、そうだよね。」







さっき流河に危機感を持ってくださいと言われたばかりなのに。

ライトが呆れたように『お前なぁ・・』と言おうとするが、玄関先でギャイギャイとしていてもしょうがないから、と、は二人を中に入れた。












「見せてください。」






入るなりそう言うのは、流河。





「え?」

「その、来た手紙、全部を。」

「え、あぁ・・ちょっと待ってね。あのさ、」

「はい。」

「化粧だけ、済ませてきちゃっていいかな;」





中途半端に終わらされた自分の目を指してそう言った。

『全然かまわないですよ。』と流河が言えば、ゴメンね、すぐ終わるからさ、と急いでその中途半端な化粧を直しに部屋に戻った。












「別に・・・さんは化粧なんてしてなくても可愛いと思いますけどね・・。」

















と言ったのはが部屋に戻ってからだった。


















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ゴッタゴタしてきてワケわからんですね。苦笑