「右よーし。左よーし。前方よーし。」

「・・・・・・・何言ってるんですか。」




































隣の○○君

















































テスト当日。

いつもより早めに学校に来たと流河。

一緒に来る約束をしていたわけではなかったのだが、途中でバッタリ流河と会い、そのまま一緒に学校に来たのだった。

(きっと流河がの時間に合わせたに違いない。)

そしてチャイムが鳴るまでテスト勉強の復習をしているの隣で余裕そうに、いつもの座り方で朝からモサモサとチョコレートを頬張っている流河。










「大丈夫、大丈夫よ、出来る、私は出来る。」

「自己暗示ですか。」

「そうでもしないと、落ち着かない。」

「一生懸命やったじゃないですか、大丈夫ですよ。きっと。」

「そうかなぁ、・・そうかなぁ・・。」

「そうですよ。」







なんでがこんなに落ち着かないかというのも、1日目の1時間目からなんとまぁ、一番苦手な数学がきてしまったのだ。

そのため前日は数学漬けだったらしい。

学校の帰りにいつものように流河と勉強をしていたときも、いつもよりもみっちりやってもらい、更に家でも数学しか勉強していない。

数学以外はそこそこ点数取れるから大丈夫なだが数学は本当に苦手教科らしく、はぁぁぁあぁぁ・・・、と深くため息をつき机に顔を伏せた。









「昨日は出来てたじゃないですか。」

「・・流河君がちゃんと見てくれるからだよー。ホラ、なんてゆうの?人が見てくれてると出来るんだけど、一人になると分かんなくなっちゃうんだよ・・。」





なんとなく、言っていることは分かるような気もするが。

流河は『そんなもんなんですかね・・』なんて言いながらポリポリチョコを頬張っている。

そして一つ取り出し、それをに差し出した。






「どうぞ。」

「・・・・・有難う・・・・・。」

「甘いものを食べると頭の回転がよくなりますよ。」






それにしたって流河の糖分摂取は普通じゃないだろう、そんなようなことを思いながらもらったチョコを口に放り込んだ。











「おはよう、。・・・・と流河。・・早いな。」







達よりは遅かったが、いつもよりも早く学校に来たのはライト。

二人でいたのを見て朝からムスっとする。










「・・・ライト、おはよう。」

「・・・元気ないじゃないか;」

「だって、今日数学だよ・・。」

「・・・あぁ、そっか・・・。」





の頭をポンっと軽く撫でながら、『大丈夫だろ、今までもなんとなく大丈夫だったんだろう?』と言いながら笑った。

そうだけどさぁ・・・、ともごもご口を動かしながらなんだかこの世の終わりのような顔をしていた。









「まぁ、やるだけやりなよ。やってきたことは結果に出るから、な?」

「・・うん。」









それから数十分もすると次第に教室は生徒であふれ、チャイムが始まりを知らせた。























「机の中は空っぽにしろよー。後机の上の落書きも消せよー。」






試験監督の先生がそう言ってテスト用紙が配られ、鐘が試験開始の鐘が鳴る。

テスト独特のシーンとした静けさが嫌だなぁ、なんて思いながら問題用紙に目を通す。

解答を書き込んでいくシャープペンの音が鬱陶しい。

その音が聞こえれば聞こえるたび焦る。









(・・あ、でもこれ、流河君が教えてくれたところだ。・・・ホント山勘いいんだなぁ・・。)








またしても流河に教わったところがそのまま数字だけを変えて出てきたような問題が出た。

しみじみと流河に心の中で感謝しながらそのまま問題を解き続けた。

隣ではテストだというのにも関わらず、いつもの座り方で問題を解いている流河の姿。

途中、試験監督の先生に『コラ、お前、ちゃんと座れっ;』などと小声で何回も注意されていたのを聞いていたはなんだかおかしくなった。









































「お・・・わったー・・!!」

「お疲れ様です。」

「流河君は相変わらずの座り方で注意されてたね。」

「私はあの格好じゃないと思考力が40%減ですから。」

「あぁ・・そんなことも言ってたねぇ。」

「出来ましたか?」

「もう!!スゴイ!!私今までで一番出来たかもしれない!!」

「それはよかったですね。」

「流河君のおかげだよ!!有難う!!!」






ガシッと流河の両手を取り、ブンブンブンッと上下に揺らし感謝の言葉を継げる。

ブンブン揺らされている流河は両腕だけでなく、つられて首まで上下にカクカク揺れていた。








さんが頑張ったからですよ。」

「でも流河君が教えてくれなかったら出来なかったもん。だから流河君のおかげだよ。」





まだ1日目が終わったばかりだというのにこの喜びように思わず『まだ後2日ありますよ・・』と言おうとしたが、

なんとなく、が嬉しそうにしてたからか口を紡いでふっと笑った。






「あ、これあげる。」




ゴソゴソと鞄の中から何かを取り出したかと思えば、チュッパチャップス。

イチゴミルク味と書かれたそのチュッパチャップスを流河に手渡すと、『じゃあね、また明日ッ。』と手を振りながらリコと帰っていった。

















「・・・・数学が最後の日の教化だったら今日も一緒に帰れたんですけどね・・。」





そうポツリと漏らし、早速そのチュッパチャップスの封を開けて口に入れてカラコロと音を立てながら舐めていた。


































本当は、流河君と帰りたかったけど、─・・・理由もないのに『一緒に帰ろう』なんて言えるような

そんな大それた勇気は持ってない

ううん、流河君だとできないの

普通にしてるようだけど、ホントは、すっごく、すっごく─・・・緊張するし、ドキドキもする

結構私もポーカーフェイスなんじゃないかしら















、聞いてる?」

「へ?あ、え、・・ゴメン・・」

「もー。ボーっとしてさー。・・・流河君のこと、考えてた?」




ニヤっと笑いながらリコがの顔を覗き込む。

思わず顔を赤くして必死に『違う違うッ』と否定するものの、そんな真っ赤な顔で言われても説得力がない。

あぁ、やっぱり私はポーカーフェイスにはなれないな、なんて思いながらリコの話を聞き始める。










「私の部活にさ、」

「うん?」

「あ、・・・誰にも言っちゃダメよ?」

「分かってるよ、大丈夫、言わない。」

はそういう子だからね、大丈夫か。」

「で?なぁに?」

「部活の友達でね。・・夜神君のこと好きな子、いるんだ。」

「へぇー。」

「あら、普通の反応。」

「だって、ライトが告白されるのなんて珍しいことじゃないし、ね?」

「まぁ、それもそうか。」




でしょ、と言いながら『モテる男は大変ですねー。』なんて言っている。

するとリコがの一歩前に出てガシッとの肩を掴み、こう言った。







「で、お願いがあるんだけどっ・・」

「・・お願い?」

「うん・・その子にさ、・・夜神君の好きな人聞いてきて、って言われてるの。」

「うん?」

「・・・・・聞いてきてくれない、かなぁ・・?」

「えぇ!!やっ、無理だよ、絶対教えてくれないよ、ライトは勉強は教えてくれるけどそういうの教えてくれないもんっ。」

「友達がさ、ホラ・・と夜神君って仲いいから・・付き合ってるかと思ってたんだって。」

「あはは、まさか。」

「で、だから諦めてたらしいんだけど、私が『にはちゃんと違う好きな人がいるからそれは違う』って言ったら、・・・聞いてきてくれ、って、しつこくて・・」

「えぇ〜〜・・・聞いてもいいけど・・絶対教えてくれないよ〜?」

「取り合えず、聞くだけでも、・・ダメかな?私、夜神君とあんま喋ったことないしさー;」






親友の頼みを無下に断る事も出来ないし、まぁそれぐらいならいいか、と思い首を縦に振った。

の返事を聞くとの肩をグワングワン揺らし『ありがとぉー!!』と、喜んでいるのか嫌がらせしているのか分からない。

揺らされているは首もグラングラン揺れてなんだか気持ち悪そうにしていた。

『ちょっ・・待って・・出る、出るっ・・・』なんて言っているあたりからしてもうヤバそうだが。





































「じゃあ、また明日ね。」

「うん、バイバイ。」















しばらく歩き、いつも別れる十字路でリコと別れた。

ここの十字路を真っ直ぐに行けばもう自分の家へ着く。

家に帰る途中にはライトの家がある。

─・・わざわざ、家にまで行ってそんなこと聞く事ないか、そう思ったはそのままライトの家の前通り過ぎようとしたときだった。
















?」












なんてマンガのようなグッドタイミングなんだろう。

帰宅途中だったライトがの後姿を見つけて声をかけた。












「ラッ、ライトくん、お帰りですか?」

「・・・なんで『君』付けな上に敬語なんだよ・・;」

「いきなり声かけられてビックリだったんだよー。」

「どうしたの?なんか用事でもあった?」







ライトの家の前で少し止まっていたのを見ていたのか、にそう聞いた。

ライトにそう聞かれるとちょっと困ったように『えぇと・・』なんて言いながらライトに好きな人のことを聞こうか迷っている。

だけどここでそんなことを聞くのも不自然じゃないか、と思っている。








「いや、あの、特に用事はない、・・んだけどねっ、あは。」

「そう?じゃあ、」

「あっ、いや、やっぱりある・・・かもしれない・・?」

「なに?」






はっきりしないようなそんな口調でライトを呼び止める

そんなを不思議そうに見ながら次にから発せられる言葉を待っているライト。








「あー・・いや、大したことじゃ、ないんだけどね、」

「うん?」

「ライトって、好きな人、・・いるんだよね?」

「・・あー、・・うん。いるよ。・・それがどうしたの?」

「それって、・・うちの学校の子?」

「はは、どうしたんだよ、急にそんなこと聞いてさ。」

「え、あ・・いや・・その・・、友達が、ライトの好きな人知りたいってゆうか、、その・・」




ライトにそう聞かれると、嘘がつけないは正直にそう言ってしまう。

がそう言うと、さっきまで苦笑気味だったライトの顔つきが少し、変わった。

なんとも言えなさそうな、少し寂しそうな、複雑そうな顔をして。

俯き気味にライトに話していたにライトのその表情の変化が分からなかった。







「友達に、頼まれたんだ?」

「・・頼まれたってゆうか・・まぁ・・あの、うん・・」

「ふぅん・・。」

「(・・怒っちゃった・・・かな・・)」

「別に、・・・教えてもいいよ?」

「・・え?」





ライトの意外な返答に思わずビックリして声をあげる。

正直な話、ライトの好きな人というのは自身も気になっていた。

16年間、幼馴染として付き合ってきたものの、ライトのそういった浮ついた話なんて一度も聞いた事がなかったのだ。

だから、好きな人がいる、という話を聞いただけでも驚いていた。










「あ、いや、でもライトが教えたくなかったらいいんだよ?やっぱそういうのって秘密にしておきたいし、ね?」

「別に─・・・秘密にしてたわけじゃないんだけど、・・気づいてもらえない、っていうのかな?」

「まだ言わないの?その子に、好きって・・」

「言おうと思ってるよ。すぐにでも。」

「そっかぁ・・。」

はどう思う?僕がその子に好きって事を告げたら、その子は、─・・どう思う?」

「嬉しいんじゃないか、なぁ・・?結果が上手くいく、いかないとかじゃなくても、やっぱり好きって言われたら、私は嬉しいと思う。」






がそう言うと、ライトはじぃっとを見つめ、口を開いた。






「そう・・」

「でも、ライトなら大丈夫じゃないかな?だって、ホラ、優しいし、カッコイイし、ね?」






次から発せられるの言葉一つ一つに少し胸を痛ませながら、ライトは、言った。


















「好きなんだ。」

「うん、ライトがそうやって悩むくらいだからすごく好きなんだろうね。」

「─・・のことが。」



















ふいに言われたライトの言葉を理解できなかったのか、いや、理解はしているのだろうけれど、頭がそれについていかない、そんな様子の

目を見開いてライトの顔を見ている。

否、目を逸らせなかった。

いつも以上に、真剣な目をしたライトがそこにいたから。






























「・・え?私?」

「ははっ、・・びっくりしただろ?」










ライトがそうやって、冗談っぽく笑い飛ばすから、あぁ、冗談なんだって思って安心した。

安心?

なんで安心したの?

好きって言われたのが、冗談だったとしたら、─・・どうして安心してるの?











「でもさ、・・、冗談じゃないんだよ。」

「・・・うん・・、・・でも、なんか、」

「誤魔化すなよ。」

「誤魔化してるんじゃなくて、」

「ずっと、好きだったんだよ。小さいときから、ずっと。だけど、は気づかなかった。まぁ、僕もそこまで態度に出してなかったし、気づかないのも分かるけどね。

でも、気づかなくたってと今までどおり仲良くやっていければいいって思ってた。だから言わなかった。だけど、こうやって僕が今想いを継げたのは─・・」








そこまで言いかけて、一息ついた。

そしてそのまま、そっとに手を伸ばしてぎゅっと抱きしめた。










「─・・・が僕を恋愛対象として見ていないから。」

「・・・ライト、」

「その証拠に、今日だって友達の代わりに僕の好きな人聞きにきた。」

「・・・」

「知ってる?─・・そのたびに、傷つくんだよ。自分がそういう対象に見られていないのに気づかされるから。」

「・・・ライ」

「─・・・ゴメン、・・なんでもない。」







パッと、抱きしめていた手を離すとから顔を背けてそう言い放った。

そのまま、顔を背けたままライトは何も言わずに家へと、入った。

そこに一人取り残されたは、どうしていいか分からない、そんな顔をしながら呆然と立ち尽くすだけだった。

ただ考えるのは、ライトの言葉。

ずっと頭の中に廻って離れない。























ライトが私を好き







─知らなかった




ずっと、仲良しの幼馴染だと思ってた


私も、ライトも、


お互いそう思ってた





というのは、


私だけだったんだ





無神経に言っている一言で




私は知らないうちに、ライトのことを傷つけてたんだ




謝ったって、そんなの自分への気休めで


ライトにとってはまた不必要な言葉で、
















「─・・・ゴメン・・ね・・。」




















それでも、謝らずにはいられなかった




ライトは


きっと私の気持ちを知ってたから


















****

もうなんも言わないでください。笑

うんこ文スイマセンっしたー!!土下座