「ずっと、好きでした、オレと付き合ってくださいっ・・。」



















































隣の○○君

























































、さっき3年の先輩に呼び出されてたの、やっぱりアレ?」

「え、見てたの?」

「うん、たまたま。」

「たまたまって・・・。うん、そうだよ。」

「ひゅぅ。モテますね。」




休み時間

友人であるリコは先程3年の先輩に呼び出されていたにその話を聞こうと目を輝かせながら話し掛ける。

はこれでなかなか容姿は整っていてこれまで何度も告白というものをされてきた事があった。

今日もまた、されたらしく。

そういうトキは決まってリコが話を聞いてくれる。

茶化しているようだがちゃんと聞いてくれるリコには少し申し訳なさそうにさっきの出来事を話していた。





「からかわないでよぅ・・。」

「で?返事は?」

「うん・・・断らせてもらった。」

「またぁ?」

「また、って・・」

「だって、何度目?全部断ってるよね、。まぁ、が嫌ならいいんだけどさ。」

「嫌っていうか・・・」

「好きな人なんていたっけ?」

「や、いないけどさぁ・・」

「ふぅん、もったいないなぁ・・。ま、そのうちも頷くような王子様が現れるといいわねぇ。」

「王子様って・・・。」

















ふざけたようにそう言うリコの台詞に思わず苦笑いをするだった。

告白されるのが嫌なわけではない。

寧ろ、好意を抱いてもらえるというのはとても嬉しいことだと思っているし、有難い。

しかし付き合うというのは別だ。

いくらその人の好意が嬉しくても、お付き合いするというのは、また別な話である。

そう思いながらはこういう事がある度々、いつも断っていた。








































「おはようございます。」

「う、わっ、りゅ、流河君っ、お、おはようっ。」













ボーっとしている所にふと声をかけられ、やましい事があるわけでもないのに無駄に慌てて返事を返すと

声の主は隣の席の猫背の長身。



















「どうしたんですか、そんなに慌てて。」

「いやぁ、失敬失敬。ちょっと考え事をば。」

「そうですか。」











カタンと椅子を静かに引くと、そこにチョコンとまた体育座りのような変わった座り方で席についた。

そんな流河を、やっぱりこの子変わってるなぁ、と思いながらも何故か自然と笑みがこぼれる。

のその視線に気づいたのか、流河はふとに目線をよこした。











「どうしました?」

「ん?や、流河君のその座り方変わってるなぁ、て思って。」

「あぁ・・私、この座り方じゃないとダメなんですよ。普通に座ったら推理力・・いや、思考力が40%減です。」

「へぇ。それは大変。100点のテストが60点だよ。」

「そうですね。あ、さん、」

「ん?なぁに?」

「ノート、有難うございました。助かりました。」

「いいえ、こんなんでも役に立ててよかったですよ。」

「今日は数学を借りてもいいですか?」

「うん、いいよ。帰りに渡すね。」

「はい、有難うございます。」













流河君って、変わってるけど、なんか話してると落ち着く。

ほんの些細な会話だけど、流河君と話してるの好きだなぁ、私。
















そんな事を思っていると、今度は鞄の中から何かガサガサと引っ張り出そうとしている。

手にしているのは小さな箱に入ったチョコレート。

箱を開けて、これまた妙な持ち方で(何か汚いものを触るようなそんな持ち方だ)チョコをつまんでいる。












「食べますか?」

「いいの?」

「はい、まだたくさんありますから。」

「じゃあお言葉に甘えて。」

「はい、どうぞ。」











流河に勧められ、チョコレートを口に放り込む。

ふに口に広がるチョコの甘さが美味しい。











「このチョコ美味しいねぇ。」

「そうですか、まだありますよ?」

「ん?ありがと、でも今はいいや。」

「そうですか。」

(甘いの、好きなのかな?お菓子が好きなのかな?)








淡々と喋っている流河だが、チョコを食べる手は止まらない。

モグモグと美味しそうにチョコをつまんでいる流河の姿がまるで小さな子どものようで微笑ましかった。





















































。」

「なぁに?リコ。」

「なんか、最近流河君と仲いいのね。」

「最近、って・・・まだ昨日会ったばっかだよ・・。」

「でも、流河君と喋ってるとき楽しそう。」






楽しそう、か。

うん、確かに彼と喋ってるときはとても楽しい。

なんとなく、落ち着くし。








「うん、楽しいよ。」

「なになになに?恋ですか?」

「・・・・なんですぐにそういう話になるのかい、君は。」

「だって、からそういう浮いた話聞いたことないし。」








恋ねぇ。

よく分かんないけど、でも流河君と話してるとき、とても楽しいのは事実だから否定しない。

否定する意味はないと思うし。













さん、ちょっと・・」














リコと話していると教室の入り口で他のクラスの男の子に呼ばれた。

誰だろう。

全然知らないヒト。

というか、私自分のクラスの人以外、あまり覚えていないだけだけど。











ゴチャゴチャとそんな事を考えながら呼ばれた先へ向かう。

呼んだ本人はが自分の方へ向かってくると心なしか嬉しそうにニコリと微笑んでいた。

そして後ろではリコがその様子をニヤニヤしながら見ていた。

あぁ、どうせまた告白だかそんなものだろう、そうせフラれるに決まっている、そういう目をしている。


















「・・はい?(どなたですか、あなたは。)」

「あの、さ。・・今日の放課後、ヒマ?」

「(今日は何も再放送とかなかったから・・)うん、ヒマかな。」

「ほんと?じゃあさ、ちょっと、話したいから付き合って欲しいんだけど。」

「え、あぁ、えー・・ハイ・・。」

「ありがとう。じゃあさ、放課後、4時くらいにこの教室で待っててもらってもいい?」

「う、うん。」

「じゃあ、また後で・・」

「へい。」











“ちょっと、話したいから付き合って欲しいんだけど。”

この一言を聞いてなんとなく、分かった。

だけど心の何処かでは『もしかしたら何か恨みがあって呼び出されたのかもしれない』等とか、くだらない事まで考え始める。

何処かのクラスの誰かさんとの話が終わり、また自分の席へと戻っていく。

ふと座っていた流河と目が合ったような気がするが、何故かスグに目を逸らされてしまった。

そして読んでいたであろう本をまた片手に取り、黙々とそれを読み始めていた。

そんな流河を見て、何か話したいことがあったのかな、などと一人で考えながらその隣の自分の席へ座り次の授業の教科書とノートを机から取り出した。




















































放課後になるとは言われた通り、4時に自分の教室にいた。

自分の席に座りながら外を眺めている。

外では部活をやっている生徒達が賑わっていた。




















(・・あ、そういえば・・・流河君にノート渡すの忘れちゃった・・。大丈夫かな・・。)











そんな事を思いながら自分を呼び出した本人を待っていると、数分もしないうちに彼だと思われる声が教室に響いた。













「ゴメン、さん、オレが呼んだのに遅くなって。」

「遅くないよ、大丈夫。」

「ありがとう。・・早速なんだけど、さ。」

「ん?」









照れたように頭の後ろをポリポリとかきながらに話を吹っかけた。

当然その言葉に相槌を打つ

















「もう、分かってると思うけど、・・・オレ、ずっとさんの事好きだったんだ。・・・良かったら、付き合ってください。」





やはり相手からの告白。

率直に、しかし相手がなるべく傷つかないように、も自分の想いを告げる。

事実、そういった好意はやはり嬉しくないわけはない。

気持ちは嬉しいが・・・、というヤツだろうか。









「・・えっと、あの、ありがとう、・・・でも、私、今そういう事考えられないから・・ごめんなさい・・」














付き合う気もないのに思わせぶりな答えで相手を待たすのは悪い。たとえば、「少し考えさせてください」などとか。

なのでは自分の気持ちを告げたのだ。

今までならここで『そっか、分かった・・・。』など、そんなような、悲しそうな言葉が返ってきて終わりだった。

しかし、今日はいつもと少し違った。


















「そっか・・・でもさ、さん、オレの事何も知らないでしょ?」

「え、う、うん・・(クラス違うし・・それに私、君の名前も知らないよ。)」

「じゃあさ、これから、オレのこと知って付き合ってくとか、そんなのはどうかな?」









『どうかな?』と、言われても困ったものである。

自身にもう付き合う気がないという気持ちがあるのだから。











「ん・・気持ちは、すごく嬉しいんだけど・・その、本当、ごめんなさい、私今本当にそういう事は・・」

「なんで?好きなヤツとかいんの?」

「え、いや・・あの・・」








急に彼の口調が棘のあるような、そんな口調になった。

その変化に少し戸惑いを感じながらも首を横にふる。








「じゃあ、なんで?」

「え、だから、今はそういう・・」

「そうやって今まで断ってきたんでしょ。」






確かにそうだが、それと今は関係ないはずだ。

そう思いながらも口にはできない。

何よりも、は今のこの状況に怯えを感じていた。

咎めるような、彼の口調、台詞。











「オレ、さんの事、好きだから。オレの事知ってもらいたいし、オレももっとさんの事知りたい。・・付き合ってから気持ちも変わるかもしれないだろ?」






そんなの彼の一方的な断定だ。

彼がに自分のことを知ってもらいたいと思っていても、実際は彼のことを今日の今まで何も知らなかった。

そんな相手にいきなりそんな事を言われても困るだけだ。

好きだと言っても、何もかも自分の思い通りになるわけがないのだ。

しかし彼の言い方は“さんとオレが恋人にならなければ気が済まない”、そんな言い方にも聞こえた。
















「で、でも、その、ほんと、ごめんなさ」

「なんでだよっ。」





















その瞬間、自分の視界の変化に気づくのは遅くはなかった。

真っ直ぐと捕らえていた瞳の視界は急に反転するように変わっていった。

彼が、を床に力ずくで押し倒した。

その瞬間、本当に自分の身の危険を感じ、自然と涙が頬を伝った。




何故こんな事になっているのか

相手に気持ちを伝えられ

自分はそれに応えられないと言った

それはいけないことなのだろうか

自分は相手にこんな事をされなければいけないほど悪い事をしたのだろうか



そんな気持ちが頭をよぎるが、今は自分の身の危険を回避しなくてはいけない事でいっぱいだった。

しかし、声を出したいのに震えて大きな声が出ない。

















「付き合ってくれないなら、力ずくでもモノにしたいんだけど。」








「その人は“モノ”ではありませんよ。」

























を押し倒していた彼の声以外に教室に響くもうひとつの声。

聞き覚えのある、独特な、何処か安心するような声。





















「りゅ、・・が、くん・・・」

「何してるんですか、貴方は。」








そこにいたのは流河だった。

何故彼がこの場にいるのかなど、今のには考えられる余地もなかった。

涙で声が掠れ、流河を呼ぶ声に重なるようにの上に乗っている彼に冷ややかな視線と共に、また冷たい声色で問うた。

流河のその問いに『見てわかんねぇのかよ』とでも言いたげな目で流河を睨む彼にヒョコヒョコと静かに近寄った。









さん、行きましょうか。」






ズイっと彼をの上からどかすと、優しくを起こしあげた。

当然、そんな事をされた彼が怒らないわけもない。実際彼は怒れる立場にいるとは思えないのだが。









「お前なんなの?急に入ってきて。うざいんだけど。」

「それは失礼。しかしこのような人徳に反する事を見逃すほど私も馬鹿ではないのでこうさせていただきました。」

「人徳に反するって、・・お前全部見てたわけじゃねぇのに。」






さも、彼女も合意した上でこういうことをしました、的なことをサラリと言いのける彼に苛立ちを覚える

しかし、流河は顔色ひとつ変えずに彼に反論するのを見て、自分は今何も言わないほうがいいのだろうと判断し黙った。








「だってそうでしょう?彼女が涙を流しているんですから。」

「それは」

「それは、なんですか?貴方が無理やりにでもさんを手にいれたくてという気持ちからの行動でしょう、これは。

どうせフレられて、その腹背に、とでもいったところですか。」






そのままの事を言われ、少し怯むが今度は反論しただけでは流河に何も出来ないと判断したのか、流河に殴りかかろうとした。

















「流河くんっ・・」











「人の痛みが分からない人は、体でその痛みを知るといいですよ。」














殴られそうになった瞬間、ゲシッ、とでも効果音のつきそうなくらい勢いの良い蹴りをかます流河に驚きを隠せない

そして彼を見下ろしながら、冷たい目で言葉を言い放ちそのままの手をクイッと引っ張り教室から出て行った。

流河に蹴られた彼は悔しいやら、ムカツクやら、何が何だかわからない、そんな色々な気持ちを抱きながら、何も言えずに教室から出て行く二人の背中を見ていた。






















































「・・・・あの、りゅ、流河くん、」

「大丈夫ですか?」

「え・・?」

「ケガとか、してませんか?」

「え、あ、はい・・。」

「そうですか・・・よかったです。」

「あの、ありがとうっ・・すごく、助かったし、嬉しかったし・・」

「はい、私もよかったです。・・・ノートを、」

「え?」

「ノートを借りようと思って教室へ戻ったんですけど、さんがあのような事態になっていたので驚きました。」





さっきの事を思い出し、少し怖くなったのか少し苦笑気味にうつむきながら返事を返した。











「・・・ん・・」

「怖かったですよね。・・・もう大丈夫ですよ。」













そう言って優しくポンポン、と頭を撫でてくれる流河に安心感を覚え、涙が出る。

それでも流河は何も言わずにただ、が落ち着くまでずっとそうしていた。























本当は、聞いてしまったんですよ、彼と貴女の会話。

放課後に話があるなんて、意味深すぎるじゃないですか。







だから、本当はたまたまじゃないんです。









貴女が



貴女の彼への返答が気になっていたから









だから本当はたまたまじゃないんです














なんて、言ったら貴女はどんな反応をするのでしょう



怒りますか?


































「・・・有難う、流河くん・・」

「いえ・・、落ち着きましたか?」

「うん。・・・流河君が来てくれて嬉しかった。」

「そうですか。・・・・私も、貴女が無事で嬉しいです。」

「流河君のおかげですよ。」

「それは光栄です。さんのヒーローになってしまいましたね。」



























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ビミョウな終わり方フォーッ!!ワラ
や、無駄に長いし、なんかもう全てにおいてすまそん。
ありきたりな感じですまそん。