ボタン一つ




これを押せば繋がるのが嬉しい





そんなことすら今日が初めてなんだって



















































頭脳は大人、中身は子供 私の隣は名探偵
隣の○○君





































「遅くなってしまってスイマセン。」

「大丈夫だよ、送ってくれてありがと。」

「当然です。こんなに暗い中、さんが言ったって絶対に一人じゃ帰らせませんから。世の中物騒です、ストーカーやら変質者やらたくさんいます。」

「そんなに心配しなくても大丈夫だって。」

「何言ってるんですかっ、・・実際そういう目にあってるんですよ、さんは・・・。」





もっと自分の危機感を感じてください、困ります。、そう言ってハラハラと心配そうにしている流河を見て少し申し訳なくなる。

でも、そう思ってくれるのは不謹慎ながらもやっぱり嬉しいもので、思わず笑顔になってしまう。






「なんですか?」

「なんでもないよ。」

「そうですか?・・あ、そうです、これを・・」






ポケットからゴソっと無造作に取り出したのは一枚の紙。

相変わらずつまむようにしてソレを持ち、に手渡した。








「なぁに?これ。」

「私の携帯の電話番号とメールのアドレスです。まだ教えていませんでしたね。」

「あっ、うんっ、ありがとうっ。」




それを渡されすごく嬉しそうにしてるもんだから、不思議そうに目をパチパチさせる竜崎。




「嬉しそうですね。」

「嬉しいよー?だって、これでいつでも流河君と連絡取れるもの。」

「すいません、今まで教えなくて・・・。」

「いいよ、全然。今教えてくれたじゃない。」

「はい。」

「やっぱりLとして、そう簡単に教えられるものじゃないってこと?」

「よく分かりましたね。」

「あぁ、やっぱりそうなんだ。」






そう言いながらポケットに竜崎からもらったメモをしまおうとすると、思い出したかのように竜崎が言葉を付け足した。






「あ、さん。」

「ん?」

「その紙、中身を携帯に登録したらすぐに燃やすかちぎって捨てるなどしてください、お願いします。」

「あ、うん、分かった。」

さんの番号とアドレスも送ってくださいね。」

「もちろん。」









ぎゅ、っと携帯を握り締め至極嬉しそうにニコリと笑って流河を見れば、ぎゅーーーぅ、っと効果音でもつきそうなくらいに

竜崎が抱きしめてきた。今日何度目だろうか、こうして竜崎に抱擁を交わされるのは。

嫌ではないが、寧ろ嬉しいとは思うのだがやはりまだ慣れないであろうの表情は本当に初々しい。







「りゅ、流河君??どうしたの??」

「・・はぁ・・。」

「・・なんかあった?」

「・・・・ずっと一緒にいたいです・・・。」





まさかそんなことを言われるとは思いもしなかったので驚くが、はすぐに笑顔で流河に言葉を返した。






「私も一緒にいたいよ。」

「本当ですか?」

「本当だよ。そんなことで嘘なんかつかないよ。」

「いえ・・なんだか、私だけがそう思っているんじゃないかと思っていたので・・嬉しいです。」

「そんなわけないじゃない。」

「大好きですよ、さん。」





そう言うと、まだかまだかとばかりにを見つめてその返答を待っている流河。

きっとこう言って欲しいのだろう








「私も大好きだよ。」








えへへ、と相変わらず照れながらもそう言うを見て竜崎はますますとずっと一緒にいたいという衝動にかられるが、

ここはグッと我慢をしてそれはまた今度のことにしようじゃないか、そう心に思った。

名残惜しいので最後にの額にちゅ、と軽くキスを落とし、待たせていた車へと乗り込み、別れを告げた。







「バイバイ。」

「さようなら。・・あ、明日、」

「ん?」

「学校、一緒に行きませんか?」

「!うん!!」










車に乗り込むも、後ろを向きながらの姿が見えなくなるまでずーっと見ている。

も、流河の車が見えなくなるまで家の前でそれを見送った。















「ワタリ、・・・さんが見えなくなってしまいました・・。」

「明日また会えますよ。」

「・・・はぁ・・・。ずっと一緒にいたいです・・。」

「おや、随分と甘えたになりましたね。」

さんだからですよ・・・早く明日になってほしいです・・・。」


































手馴れた手付きで携帯にポチポチと文字を打っていく。

その打たれていく文字は、先ほど竜崎からもらったメモに書かれているアドレスと電話番号。

嬉しそうにそのメモを見てそれを自分の携帯に登録する。







「・・名前、って・・・流河君でいいかな・・」





Lなんて入れたらそれこそ危険であろう。

竜崎、というのもなんだか慣れない。

だったら今までどおりでいいか、などと色々考え結局登録名は【流河君】に。

自分の携帯に流河の文字があるのがなんだか嬉しい。

それだけで少し幸せになった。








「・・・メール、いいよね、アドレスと番号送るだけなら・・」





返事が返ってこなくていいからなんとなく、流河にメールしてみたい。

そう思い、少し戸惑いながらメールを打っていく。

別に緊張することもないのに、なんだか無駄に緊張する。

初めてのメールだから、と言ったって、今まで何度も会話をかわしてきた仲なのに、なんだか改めてメールを送るというのが少し照れくさいようだ。

ポチ、ポチ、とゆっくりボタンを押す音が静かな部屋に響く。









メールを送信しました








その文字がなんだか更に緊張を誘う。

ただメールを送るだけなのに、なんでこんなにドキドキするんだろうか、不思議なものだ。



































「そういえば、ワタリ・・今日の依頼・・」

「なんでしょうか?」

「・・別に私ではなくてもよさそうな物だった。」

「嫌そうですね。」

「他の探偵でもいいだろう、あれは。私じゃなくても解決できる。」









PiPiPi・・・







ズボンのポケットに入っている携帯が不意になる。

その瞬間、竜崎の顔が一瞬しかめっ面になりすこぶる機嫌の悪そうな顔をしたが、面倒くさそうに

携帯をパカっと開け、新着メールを確認した途端、その不機嫌そうな顔は一気に変わり嬉しそうな表情になった。















sub :です
−−−−−−−−−−−−−−−−−−

早速メールしてゴメンね。
取り合えずアドレスと番号だけ、送るね
番号↓↓

090-****-****

です(●^∀^●)




お仕事、大変そうだったけど、
頑張ってね。
でもあんまり無理しちゃダメだよ。

じゃあ、また明日学校でね。
バイバイ(´∀`)/”

−−−−−−END−−−−−−−−−−−















なるほど竜崎が嬉しそうな表情になるのが分かる。

メールの相手は

早速送ってくれたみたいだ。

しかも最後に自分の心配までしてくれてる一文を見てますます表情は嬉しそうになる。













「ワタリ!さんからメールです。」

「おや、よかったですね、早速メールをくれたんですね。」

「はい。しかも私の体調のことも気遣ってくれてます。」






自慢するかのように運転しているにも関わらず運転席のワタリにチラチラとその画面を見せるけるようにプラプラさせている。

しかし、そんな嬉しそうな竜崎を見てワタリも嬉しそうにしながら『お返事を返してあげてはどうでしょう?』と、丁寧に竜崎の自慢に返答を返す。

ワタリがそう言うと、はっとしながら『そうでした。』と慌てて携帯のボタンに手をかけた。

あまり表情には出ていないものの、やはりいつもよりは嬉しそうな、そんな表情をしている竜崎を見て竜崎以上に嬉しそうな表情をしているワタリ。

きっとこんな竜崎を見るのは初めてなんだろう。

そしてカチカチ、と携帯をいじっている竜崎。

こうしていれば、全然普通の高校生だ。


































♪〜♪♪♪〜・・













メールを受信しました





ディスプレイに浮かぶその文字を見て少し期待する。

そんな想いでメールを開いてみると、【流河君】の名前が一つ。

あぁ、後でフォルダを分けて流河専用のフォルダを作っておかなければ、そんなこと思いながらいそいそとメールを読んだ。









Re:
−−−−−−−−−−−−−−−−−−

メール有難うございます。
こんなに早くしてくれると思いませんでした。
嬉しいです。

メールしてたらなんだか声も聞きたく
なってきました。

今電話しても大丈夫ですか?



−−−−−−END−−−−−−−−−−−
















「で、電話っ・・わっ、ちょ、ちょっと待って、」




あわあわと身だしなみを整えるように髪の毛を手でとかすようにいじった。

電話越しじゃそんなのは見えないのに、何故か条件反射のように身だしなみを整えている彼女は微笑ましい。

少しすると、また携帯を開きカチカチ、とメールを打っていく。

送信ボタンを押せば、後は彼からの電話を待てばいいだけ、なんだかそれが嬉しかった。


























Re:Re:
−−−−−−−−−−−−−−−−−−

うん、どうぞ。(*^∀^*)
私も流河君とお話したいよ。


−−−−−−END−−−−−−−−−−−
















そう送れば、1分もせずにディスプレイには着信の文字が一つ浮かんだ。

もちろん、それは流河からで。

電話を取る前に、少しだけ深呼吸をした。











「もしもし?」

『もしもし、私です。』

「分かってるよ。」

『メール、有難うございました。』

「ううん、ちょっと、早くメールしてみたくなってさ、・・送っちゃった。」

『・・・。』

「・・?流河君?」

『そういう可愛らしいことを言うのはやめてください、・・・今度は会いたくなってしまいますから。』







深呼吸をしておいて良かった、そう思う

相変わらず流河は聞いていて照れるようなセリフをサラリと言ってしまう。

きっと淡白な性格からきているのだろうけど、それを言われる本人は結構恥ずかしい、というか照れる。










『早く明日になってほしいです。』

「なんかあるの?」

『明日になれば、さんに会えますからね。』

「そ、そっか・・わ、私も、あの、うん、・・流河君に会えるの、すごく楽しみだよ。」

『本当ですかっ?』







電話越しの竜崎の声が少し明るくなったような、そんな気がしたのは気のせいじゃない。

きっと大きな目をもっと大きく開き、目をパチパチしながら嬉しそうにしている。

電話越しじゃ表情は分からないが、なんとなく分かる。

そんな彼を想像すると、なんだか可愛くて仕方がない。









「う、うん。」

『嬉しいです、さんもそう思ってくれるなんて・・あぁ、不味いですね・・』

「ん?」

『今すぐ会いたくなってきました。』

「あはは、さっきバイバイしたばっかなのに。」





まただ、声色が変わる。

きっと今は電話を持っていないほうの手の親指を口に当てて、口を尖らせてムスっとしていそうだ。

電話越しで竜崎の声と共に、バタン、と車のドアが閉まる音がした。その音がしたと思えば今度はガチャっと開く音が聞こえる。

部屋が静かだからだろうか、電話越しから竜崎のいる場所の音がすべて聞こえる。










『あぁ、今降りる。・・・あ、すいません、さん、もう着いてしまったので電話を切らなければです・・』

「そっか。」

『・・・切りたくないです。』

「ワタリさんが困っちゃうよ。」

『・・・でももっと話していたいです。』

「明日、いっぱいお話しよう?」

『・・はい、・・後、いっぱい一緒にいたいです。』

「うん。」

『じゃあ・・切りますよ?』

「うん。」

『・・・切っちゃいますよ?』

「・・うん?」

『・・・・・・』

「・・・?」

『・・・・・・・・・。』

「・・・・流河君、時間稼ぎしてない?」

『・・・・バレましたか?』

「はい。バレました。」

『・・じゃあ、また明日。』

「うん、明日ね。」

『大好きですよ、さん。』

「・・わ、私も。」

『・・・さんも言ってください。・・じゃないと切りませんから。』






なんてことを言うんだ、この人は。

でもきっと竜崎の性格上、本当に言わないときっとずっとこのまま切らないでいるに違いない、はそう思う。

言いたくない、というか、恥ずかしいから言わないだけである。

しかもさっき、別れ際にも言われ、自分も言ったはずだ。

『大好き』とか『愛してる』の言葉を自分の口に出すのがは恥ずかしくて少し苦手だった。

しかし、このまま言わなければずっとこの状態だし、何より竜崎を待っているワタリが可哀想だ。










「大好きだよ、流河君。」

『・・なんだかやる気がわいてきました。』

「頑張ってね。・・・でも無理しないように。」

『はい、有難うございます。・・・じゃあ、おやすみなさい。』

「うん、おやすみなさい。」







名残惜しそうに電話を切る竜崎の姿が目に浮かぶ。

そういうも、なんだか名残惜しそうに通話の終わった携帯を見てパカっと閉じた。

そして充電器に携帯を置き、明日になるのを竜崎同様、楽しみにした。










「はぁ・・」







一つため息を落とし、今日の出来事をふと思い返した。

思い返してみれば、かなりの怒涛の1日だった気がする。

竜崎に自分の想いを伝え、竜崎からもきちんと気持ちを伝えられ、晴れて付き合うことになったのだが

自分の想い人は世界屈指の名探偵【L】。

あまりにも信じがたいことばかりでなんだか夢かとおも思ってしまうほどだったが、やはりそれは確実に現実で。















流河君がL

Lが流河君

・・・・なんか、もしかして私すごい人と付き合ってるのか、もしかしなくても。

でもなぁ・・・Lって言っても、流河君は流河君だし・・・あんまLだっていう実感はない、んだよね

・・ただあんまり無理はしないでほしいけど

だからあんなに目の下の隈がスゴイんだ

・・・寝てないのかな・・

・・・徹夜とかで事件解決してたりするのかな

でも何日寝なかったらあんなに隈がすごくなるんだろう

・・・・・あぁぁぁー、なんかすっごい心配になってきた

でもなぁ、私なんか絶対役にたつことなさそうだし

寧ろ、なんか邪魔な気がしそうだけど・・・

































「竜崎、明日はいつもどおりに学校へ?」

「いや、明日はいい。」

「おや。・・・あぁ、さんと行かれるんですね?」

「あぁ。」

「それは、楽しみですね。」

「はい。・・・あぁ、そうだ、この事件、・・明日中にでも終わらせます。」

「そんなに無理して大丈夫ですか?あまり負担をかけないほうが、」

「まだ他のものが残っていますから。簡単なものから片付けていきます。」

「・・・せめて、少しは休息してくださいね。でないとさんが心配しますよ。」

「・・はい。」














ワタリにそう言われると、むぅ、と口を尖らせながらソファに腰をかけた。

そしてコトン、とテーブルに紅茶が静かに置かれる。

いつものことのようだが、ワタリはつくづく気が利くと思う。

竜崎が何も言わなくてもこうして紅茶を運んできてくれたり、大好きなお菓子を持ってきてくれたり。

きっと“L”という名を背負っていく竜崎の負担を少しでも減らせるように、そんな思いもあるのだろうか。

なんにせよ、ワタリ以上にこんなに気が利く人間はそうそういないであろう。

ワタリが持ってきてくれた紅茶をズズっと飲むと、またいつものようにパソコンと睨めっこし始めた。

ただ、いつもと違うのは途中途中にきちんと休憩を入れていたこと。

いつもならば集中してしまうと休憩もせずにずっとパソコンと資料を見ながら、寝ることさえも忘れてしまうのに。

からの『あまり無理しないで』という言葉をきちんと守っているのがなんとも素直というべきだろうか。











































翌日、登校時間になると昨日言っていたとおり、ちゃんと時間通りに竜崎が迎えに家まで来てくれていた。

相変わらずのその寝不足そうな目の下の隈は、昨日ちゃんと睡眠を取ったのかさえも分からないくらいに染み付いている。







「おはようございます、さん。」

「おはよ、流河君。」





そんな竜崎の顔を見て少し心配そうな顔をするが、『昨日はちゃんと仮眠を取ったので大丈夫です、心配しないでください』と言ってきた。

心の中を読まれてしまったのか、そんなことを思うが、きっとよほど心配そうな顔をしていたのだろう。

しかし『仮眠』という言葉にも少し疑問符を頭に浮かばせる。

普段きちんと寝ていない竜崎の『仮眠』なんて、どれほどのものだろうか。

気になったは、ふと竜崎にそれを聞いた。









「仮眠って、どれくらい?」

「そうですね・・どれくらいでしたっけ・・・あぁ、多分30分くらいはちゃんと寝ました。」

「30分だけ?!」

「はい。」

「それで大丈夫なの?」

「はい。慣れっこです。」

「・・・私、流河君がいつ倒れちゃうんじゃないかと心配でしょうがないよ・・・。」

「そうならないようにいつも一緒にいてくださいね。」




あぁ、結局そうくるのか、この男は。

きっとこの男の頭の中は今でいっぱいだ。

依頼された事件なんてきっと頭の1割にも過ぎないくらい、頭の中はでいっぱいになっている。

に会うために依頼を頑張っていると言っても過言じゃなさそうだが(ちゃんと事件のことも考えているが)









「あ、そういえばもうすぐ文化祭だね。」

「文化祭?・・ですか。」

「うん。」

「・・私は今まで文化祭というものに参加したことがないんですが。」

「あ、ホント?文化祭ねー、楽しいよー。」






文化祭に参加したことのない人間に『文化祭楽しいよ』なんて、随分と簡単に説明するもんだ。

しかし、の表情が楽しそうだったので竜崎も『あぁ、楽しいものなんですね』と解釈(?)した。









「何やるんだろうなぁー、うちのクラスは。確か今日ホームルームの時間にそれ決めるんじゃなかったけ。」

「何かやるんですか?」

「うん、クラスで出し物やるんだよ。模擬店とか、ステージ発表とか。」

「・・私、ステージ発表は嫌ですね・・人前に出るのは好きじゃありません。」

「私も模擬店がいいなぁー。この前ね、リコと他の学校の文化祭行ったらメイド喫茶とかやってるトコもあったよ。面白かったッ。」

「メイド喫茶って・・・あの、少し前に流行ったアレですか?」

「そう、少し前に流行ったアレですよ。」

「ダッ、ダダダダッ、ダメですよ!!絶対にそんなのダメです!!!さんがメイドの格好なんてしたらっ・・あぁ!!変な虫がいっぱい寄ってきます!!大変です!!」

「ま、まだやるって決まったわけじゃないよ・・流河君・・」

「あぁ・・そうでした・・。でもそんな案が出たら絶対に私は反対の方に手を挙げますから。」






メイド喫茶という案が出ることを前提にそう話している流河を見て思わずおかしくなり噴出す

しかし、流河のこの予防線が後で現実になるのは、ホームルームの時間になってからであった。










*****

もうベッタベッタですよ。笑
溺愛です。