ただ居てくれるだけでいい


なんて綺麗なこと思っても



いつだかそれは欲望に支配され




いずれ貴女の全てを欲しがるでしょう





私という人間は












































頭脳は大人、中身は子供 私の隣は名探偵
隣の○○君






























































「ねぇねぇ。昨日どうだったの?」

「何が?」

「とぼけないでよ。泊まってきたんでしょ?流河君の家。」

「え?;」

「だって今日一緒に遅刻で登校してきたじゃない。」

「いや・・・・・泊まったっていうか・・・遊びに行ったら、そのまま寝ちゃって・・・」

「・・・・・色気も何もないわね。」

「ないですよ。」

「生殺しか、流河君は。可哀想に。」







たちが学校に着いたのは昼過ぎ。

一緒に遅刻で登校してきたということで何やら興味ありげに聞いて来るのはリコ。

泊まったか、と聞かれればそうでもあるが、実際泊まろうと思っていたわけでもなく。

ただ流河の仕事が終わるのを待っていたら寝てしまった、という。

ただ『流河の仕事が終わるのを待っていた』なんて言えるはずもなく。








「生殺しって・・。」

「だってそうじゃないー。好きな女の子が無防備にそんな寝ちゃってたら・・・ねぇ?」

「(・・流河君も一緒になって寝てたけど・・。)」

「それにしてもさぁ・・・」

「ん?」

「流河君のどの辺好きになったの?どっちかっていうと・・・ホラ、夜神君の方がカッコイイし、頭もいいし」

「流河君だってカッコイイし、頭もいいし、優しいんだよ。どの辺って言われても分かんないよ、全部好きだもん。」

「・・・お惚気有難う。」

「そ、そんなんじゃないよっ;」

「ハイハイ。」






とリコがそんな話をしてるうち、男子は男子で盛り上がっているようだった。

いつもは一人で奇妙な座り方をしながら文庫本を片手に読んでいるか、と一緒に話をしているか、それともライトとくだらない言い争いをしているかの

竜崎だったが、今彼の周りにはクラスの男子の大半が囲んでいる。

囲まれている竜崎は本当にウザそうな顔をしながらそこにいた。







「・・・・・なんですか、そんなに集まって。(大方予想はつきますが。)」

「流河さぁ、大人しそうなくせに意外と目の付け所いいよな。」

「なぁなぁ、どうやってさん落としたんだよ?」

「(・・・やっぱり。)・・・別に何をしたわけではありません、が、そんな下品な言い方はやめてください。さんに失礼ですから。」

「うわ、すっげぇ硬派な言い草。」

「うわー、でもショックなんだけどオレー。さん可愛いから狙ってたんだけどなぁ・・」

さんを物みたいに言わないでください。それ以上そんなこと言ったら今度から二度と見れないような顔になりますよ。





ギロリと睨むようにその男子を見る竜崎。

その瞬間、竜崎を囲んでいた男子達の顔が凍った。

そこに居た男子達全員『コイツ本気だっ・・・』と思うほどの圧力を静かに放つ竜崎に少し恐怖を感じたりもした。







「あ・・そ、そういえばさーっ、アレじゃんっ、文化祭ッ、さんメイドやるじゃん、よかったな流河っ。」

「なっ、何言ってるんですか、いいもんですかっ!!」

「え・・?;だってそういう可愛い姿見れんの嬉しくないか?」

「嫌ですよっ、公衆の面前でそんな・・・そんな格好私の前だけにしてくれればいいんですよっ!!他のヤツらに見せるなんて嫌です。いっそ死んでくれればいいのに・・」

「・・・・・・・。」




表情はさほど変わっていないが、言葉の強弱が今までで一番強いこの言葉は流河の切実な気持ちがよく分かるようだった。

男子全員、『なんでさんコイツと付き合ってるんだろうか。』と同時に思った瞬間でもあった。

そして近くに居たライトは大げさにため息をつき同じく『どうしてこんなヤツに負けたんだろうか。』なんて頭を痛くしていた。











「なんか流河君の周りいっぱい男子が集まってるよ。」

「珍しいね。あんまり人に関わるの好きじゃないのに・・」

「・・流河君引きこもりなの?まぁそれっぽい顔してるけど。」

「違うよっ、しかもそれっぽい顔って何さっ!!」

「そのままの意味だよ。」

「うぅー・・」





口を尖らせながら『なんでそんなに変な風に言うのさ』なんて拗ねているを見てリコはよしよし、と頭を撫でる。

をからかってたりすると面白いのか、リコはたまに意地の悪いことを言ってみたりする。

そのときのの反応が面白かったり可愛かったりするのでやめられないとか。

軽くサディストだ。









「でもと流河君が付き合ってたら夜神君ファンの女の子、喜ぶんじゃない?」

「なんで。」

「だって今まで皆と夜神君は付き合ってるって思ってたらしいし・・あ、いや、多分今でも思ってる子いっぱい」

「それ本当ですか?!」

「うっわ!!おまっ、どっから沸いてきたのよ!!」





リコが『とライトが付き合っている噂』の話題を口にした瞬間、さっきまでクラスの男子に囲まれていた竜崎がすっ飛んできた。

なんて地獄耳なんだろうか。いや、彼はのことに関すると聴覚が更に研ぎ澄まされてしまうのだろう、きっと。

そんな竜崎に驚き思わず突っ込むリコ。







「そんな・・・困ります、ヅライト君なんかとさんがっ・・」

「オイ、お前いい加減にしろよ?今なんつった?今なんつった?」

「いつからいたんですかカツラのライト君。」

「お前質悪いよ!!何それ!!あだ名よりもムカつくんだけどっ!何その説明的な名前!!やめてくんない?!いい加減そのネタから離れてくんない!?」

「うるさい人ですね・・・」

「お前のせいだよお前のぉーーー!!!」

「ライト・・落ち着いて・・」





がなだめるようにライトの肩をポンポンと叩く。

『落ち着くも何もコイツが』なんて言い訳しようとも思ったが、なんだかますます見苦しいし言ったところで竜崎がやめるはずもないので

もう敢えて何も言わないライトだった。







「はぁ・・・ライト、頑張ろう、ね・・?」

「ん?あ、あぁ、クラスの出し物ね・・。・・・・あまり気が乗らないけど・・」

「同じく・・・・私も・・・。」

「あぁ!!ズルイですズルイです!なんでライト君なんかとさんが意気投合してるんですかっ!」

「知らねぇよ!!;こっちだって無理やり決められたんだよ!;」

「・・はぁぁ・・・ライト君じゃなくて私が変わりたいです・・・。」

「(流河君はマニア的な人に人気がありそうだけど・・)流河君は絶対にダメだね。もしなっても絶対から離れないでしょ。」

「当たり前じゃないですか、何言ってるんですか。さんをカスにも等しい下劣な男共から守るのが私の役目でしょう?

「大人しくちゃんと裏で下準備とかしててください。ホント、頼むから。アンタ何しでかすかわかんないから怖いわ。」

さん・・・何かあったら絶対呼んでくださいね。絶対ですよっ・・もし何かされたその時にはそいつを・・・・・だから絶対に呼んでくださいねっ・・」

「え?今何か言葉濁したよね?なんか言えないようなこと言ったんだよね?ねぇ?」

「うるさいですよ、ライト君。黙ってください。貴方のその大事な髪の毛むしりとりますよ。」

「大事な髪の毛ってお前僕がヅラだからだって言いたいんだろうけど、ってゆうかヅラじゃないけど(危ねぇぇ!!流されるトコだったぁぁ!!!)

髪の毛むしり取られるってヅラじゃないやつだって相当の苦痛だぞ。お前の髪の毛もむしるぞコノヤロウ。」

「むしれるものならむしってみてくださいよ、このヅラッ。」

「なんだとこの引きこもりオタク!!」

「オタクじゃありません、オタクっていうのは秋葉原で練り歩いていてフィギアなどに本当に感情移入してしまう人のことを言うんです。」

「お前オタクに対してそんな偏見もってんのかよ!!しかもそんな具体的なこと聞いてないんだよ!!」









二人のやり取りを初めて見るリコは目を真ん丸くしながら驚いている。

普段クールなライトがここまで熱くなっているのを初めて見るのよりも、竜崎が意外に喋る子だというほうが驚いているみたいだった。







さぁ、」

「ん?」

「・・・なんか、随分と個性的な人と付き合ってるんだね・・。」

「そこがいいんだよ、流河君は。」

「あぁ、そう・・。」































〜数日後〜



文化祭も近づいてきている。

各クラスそれぞれの出し物を準備しながら教室が彩られている。

たちのクラスもまた例外ではない。

教室にはメイド喫茶をやるべく机が綺麗に飾られたり、壁にレースをつけたりと可愛らしい教室になっていた。







「すごいね、着々と進んでるね。」

ちゃんちゃん!!」





教室の装飾を手伝いながら飾られていく教室を感心しながら見ていると、ふと自分を呼ぶ声に反応し

声のした方へと振り向いた。振り向いたそこにはクラスの大半の女子。

ものすごいいい笑顔でを手招きしている。







「なになに?どうしたの?なんかあった?」

「じゃーーんっ、ちゃんのメイド服が出来上がりましたー☆」








なるほど、嬉しそうにしていたのはそういうわけか。

クラスの女子が出来上がったそのメイド服を持ってきてに着せてみようとでも、そういう魂胆で来たんだろう。











「で、これ、試着してみてほしいんだけどvv」

「え、今?」

「うんv早く見たい。」




せっかく作ってくれたのに断ったら申し訳ないな、どうせ当日着ることになるんだしまぁいいか、なんて思いながら

首を縦にふりそれを了承した。








「じゃっ、ここは男子がいるから違うとこで着替えようッ!」







背中を押されるように違う教室へと移動させられる

一体どんな出来栄えになっているのか、楽しみだが、個人的にはあまり派手なのは着たくないので少し不安も感じる。

先ほどチラっと見せられたが、あまりよくは見えなかったので気になって仕方がない。

違う教室へ移動すると、早速クラスの女子に急かされるようにそれに着替えるようにと指示された。

数分後、初めて着るメイド服に戸惑いながらもなんとか着れたは物凄く恥ずかしそうにしながらその格好を披露した。











「あの、さぁ・・・・これ・・・すごくスカート短くて・・・その、嫌なんだけど・・・」








恥ずかしそうにしながらスカートの裾を伸ばすようにぎゅっと掴みながらそう言う。

それもそのはずだ。

スカートはざっと見て膝上20センチはある。

そして可愛らしいフリルが裾にブワワっとついていて見た目はとても可愛らしい、が、そのスカートの短さが逆になんというかいやらしい感じもするのはきっと策略なんだろう。

更に言うとその恥ずかしいからと裾をぎゅっと掴みながらスカートを伸ばそうとしている姿がまたそそるんだろう。







「うんっ、やっぱりすごく似合う!!可愛い!!」

「え、いや、あの、これ短くて・・もう少し長めにして欲しいんだけど・・」

「ダメだよっ、その短さが男心くすぐるんだからっ!!見えそうで見えない丁度いい短さなんだよ!!」

「え、あ、そうなん、だ・・でも短いとちょっと恥ずかしいから」

「その少し恥ずかしそうにしてる素振りもすごくいいね、萌えー、って感じね。」

「いや、恥ずかしそうな素振りっていうかホントにこれ恥ずかしいんだけど、」

「よし、このままクラス戻ろう。」

「え!!?ちょっ、いや、これはマズイって!!これは・・ちょっ・・!!(流河君がきっと怒るから!!)」











の意見も全く無視され強引にそのままの格好で教室に引き戻される。

そして教室に入ると同時にクラス全員の視線がに注がれた。

こういうのにあまり慣れていないのか、可哀想なくらい恥ずかしそうにしている

逆にそんな姿が可愛いんだ、とか思ったりもする輩がたくさんいるが。

そして問題の竜崎は、というと、目を真ん丸くして固まったようにを凝視している。

そんなのおかまいなしにクラス全員たかるようにを囲んだ。

特に男子にはとてもお気に召されたようだった。

囲まれているを見てようやくハッとした竜崎はを囲んでいたクラスメイトをかきわけて学校で教室だというのにガバっと勢いよく抱きついた。






「ちょっ、わ、りゅ、流河君!!!;;」

「ダ、ダメです!!こ、こんな格好しないでください・・!!」





抱きついたかと思えば今度は肩をガシっと掴みガクガク揺らしながら必死にそう訴え始めた。

この格好以上に教室で思い切り抱きつかれたことが恥ずかしいはもうそんな話聞いていられる状態じゃなさそうなのに。

そしてクラスメイトは当然流河のその行動に驚いている、というか、なんだかもう『やっぱりか』なんて顔もしている。







「スカートもこんなに短いし・・レースとかたくさんついてて可愛いですし・・ダ、ダメですよ!!」

「・・あの、流河君、それってちゃんのこと褒めてるのよね?」

「当たり前じゃないですか!こんなに可愛らしい人間世の中の何処探してもいませんよ・・!だからダメですっ、こんな格好してたら余計に変な虫が寄ってきます。」








真面目な顔をしながらそんなことをサラリと言いのける流河に呆れるというか、もうなんかすげぇなヲイ、みたいな表情をしている。

一方は皆の前で抱きつかれた挙句、そんなことを言われて恥ずかしいの極みだったのだが、流河は至って真剣に言っているし、自分のことを

心配してくれているのかと思うと怒るに怒れない。(前に街中で抱きつかれそうになったときにちょっと怒ってみたが『スイマセン。でも怒った顔も可愛いです。』

なんて言ってのけられたのできっと怒ってもまたそう言われるだろう)








「そんな格好、私の前だけにしてください!」

「いい加減にしろよお前!!;」




スコーンッと実にいい音で流河の頭を手元にあったノートで引っ叩くのはもうもはや『流河専用ツッコミ役』のライト。

叩かれた頭を抑えながら叩いた本人をギロリと睨む流河。






「痛いですよ。」

「教室でそんなことしてるお前が悪い。」

「何が悪いんですか。私が何を悪い事をしたんですか?いつ?何処で?地球が何回廻ったときに?ライト君のヅラが何回取れたときに?

「お前は幼稚園生かよ!!てゆうか最後の余計な一言いらないだろ!!なんだよそれ!!」

「いちいちツッコミの激しい人ですね。」

「お前がそうさせてるんだろ!;突っ込まなきゃお前そのまま突っ走ったままになるだろ!;」

「なんでもいいですが・・さっきノートで私の頭引っ叩きましたね。一回は一回です。」






と、言いながらロッカーの上に無造作に置いてある英語辞書をスっと手に取り、それをそのままライトの頭にスコーン、というか、

バコーンッとなんとも鈍い音で引っ叩いた。

先ほどノートで引っ叩かれた流河に比べてて、ライトは本当に痛そうにしながら頭を両手で押さえていた。

そりゃそうだ、なんたって辞書で引っ叩いたんだから。(なんてヤツだ。)









「っあたー!!;;」

「どうしたんですか、頭おさえて・・・大丈夫ですか?取れそうなんですか?」

敢えてもう何が取れそうなのかは聞かないけど。お前辞書で人の頭殴るヤツがいるかよ!アホが!」

「やられたら倍返ししなさいと、よく親に言われませんでしたか?」

「言われないよ!どんな親だよ!!馬鹿かお前!!」

「馬鹿って言ったほうが馬鹿なんですよ、ライト君。」

「だからお前何歳だよ!!」









そこから蹴る体制と殴る体制を整える竜崎とライトをなんとか止めようとクラスの男子が慌てて割って入ったため

なんとか事態はそこまでで済んだ。











(・・・流河君がLだって皆に言ったって・・・きっと、いや絶対信じないだろーなぁ・・・。)













呑気にそんなことを思いながら竜崎とライトのケンカの行く末を見届ける

文化祭まで後少し。










****

ヒロインちゃんにぞっこんな竜崎が書きたかった。
後久々にライトとの言い合いも。