オレンジ色の空が隠してくれている気がした。
全部全部。
私の頬が赤いのも
鼓動が早いのも
全部全部。
隣の○○君
いつもは車で帰ってる流河君なのに、今日は私の事を気遣ってくれたのか歩きで一緒に帰ってる。
大丈夫だよ、って言ったのに、心配ですから、って言って一歩も引かない流河君はなんだか子どもみたいで可愛い。
もちろん、その気遣いはすごく嬉しい。
可愛いんだけど、すごく頼もしくて。
「家は何処ですか?」
「えっとね、あっちの3番地の方なんだ。結構近いよ。」
「なるほど。」
「流河君、時間大丈夫なの?」
「はい?なんでですか?」
「だって、歩きだからいつもより帰り遅くなっちゃうよ?」
「あぁ、大丈夫です。さっき遅くなると連絡しておいたので。」
「そっか。」
「ところで、さんも時間は平気でしょうか?」
「うん、私は全然、結構放任主義的だからさ、うち。」
「そうですか、では少しお茶でも飲みませんか?」
ニコリと柔らかく笑う流河はにそう問いかけた。
もちろん、断る理由もない。
断る気もなかった。
「うん、喜んで。」
「そうですか、よかったです。じゃああっちの方に私のお勧めのお店があるので行ってみませんか?」
「うん、行く行く。」
流河君のおすすめのお店ってどんなんだろう。
ていうか、まさか流河君と一緒に帰って一緒にお茶するなんて思わなかった。
今こうやって隣一緒に歩いてるのも、他人から見たらカップルに見えるのかな?
流河君となら、そうやって見られても全然嫌じゃない。
あ、でも流河君が嫌かもしれないね。ははん。
「ここですよ。」
「こんなところにこんなお店あったんだぁ。」
「穴場です。」
「いいの?穴場教えちゃって。」
「さんには特別です。」
「あは、ありがと。」
特別、って。なんか嬉しいなぁ。
店に入り、奥の方の席へ座ると、流河はそこでも相変わらずいつもの体育座りのような格好で腰をかけた。
それを見て、“あぁ、やっぱり”と思う。
向かいに座り、メニューを取り出し選んでいると、流河ももメニューを見ながらメニューに書いてある物を指で
追いながらどれにしようか真剣に悩んでいた。
「・・・・・。」
「(迷ってる、のかな・・?)」
「・・・あ。さん、決まりました?」
「え、うん、一応・・ミルクティーと苺のミルフィーユにしよっかな、って。」
「苺のミルフィーユですか・・・私もそれにしようか迷ってるんですけど・・・こっちショコラケーキも美味しそうです。」
「迷ってるんだ?」
「はい。すごく。」
たかがケーキを選ぶのにこんなに真剣に悩む男子高生は珍しい。
だけどそれもまた可愛いと思ってしまう。
そんな流河を見て何か思いついたらしく、頭に古典的な電球マークをピコーンと浮かべて流河に話し掛ける。
「ねぇねぇ、私もね、ショコラとミルフィーユ、迷ってたの。」
「どちらも美味しそうですからね。」
「うん、だからさ、二人で違うの頼んで半分こずつしない??流河君が嫌ならいいんだけど。」
からその言葉を聞くと、流河は少し目を見開き、驚いたような表情をしていたがすぐににこりと笑った。
「いいですね、それ。そうしましょうか。」
「じゃあ半分こね。」
「はい。じゃあ決まったので店員さんを。」
店員さんがケーキを持ってくると流河君は嬉しそうにケーキに手を伸ばして目の前にあるケーキをフォークで器用に半分こし始めた。
さっきから思ってたけど、流河君の物の持ち方って、面白い。
なんか、汚い物を触るような、そんなような。
「はい、半分に出来ました。」
「あ、有難う。」
「美味しそうですね。」
「そーだね。流河くんて、甘いもの好きなの?」
「大好きです。」
大好きです、って。
なんか可愛い。
「さんは、」
「ん?」
モゴモゴとケーキを口にしながら喋りかける流河に返事を返す。
食べながら喋っているので流河はケーキをボロボロと零したりしていた。
「さんは、好きな人とかはいないんですか?」
まさか流河にそんな話をされるとは思いもしなかったはモグモグと動いていた口がふと、止まる。
そんな恋愛ごと、なんとなく流河には興味なさそうだろう、などと思っていたため、この質問は意外だった。
「んー・・・そうだね、いないね。」
「そうですか。」
「なんで?どうしたの、急に。」
「いえ、気になったので。いつも断ってるらしいじゃないですか。」
「あー、うん、まぁ・・。流河くんは?どうなの?」
「いますよ、好きな人くらい。」
「あ、そうなんだぁ。」
普通にそう言葉を返したけど、なんだか少し胸の奥がツキンとした。
そりゃ、流河君にだって好きな人くらい、いるだろうに。
でも、それを考えると、少し切なくなる。
なんか私恋してるみたいじゃないかヲイヲイ。
「美味しかったですね。」
「そうだね。あのさ、いっつも思ってたんだけど、ね。」
「なんですか?」
「流河君、なんでいつも敬語なの?疲れない?」
「あぁ・・クセです。いつもこうして喋っているので。」
「へぇ。5へぇ。」
「(5へぇ?)」
食べ終わって、どうでもいいこととか、色々と話したりして、お茶飲みながら、流河君と。
まさか、流河君とこんなに親しくなれるとは思わなかった。
「あ、流河君、私もうあそこの角曲がったらスグだから、ここでいいよ?」
「いえ、送っていきます。」
「え、でも、」
「危ないですよ。・・・また、何かあったら心配ですし。」
あぁ、・・・さっきのこと・・・。
優しいね、流河君。
「あ、ありがとう・・。」
「いえ・・さんが迷惑でなければの話ですが・・」
「や、迷惑なんてとんでもないっ。寧ろ嬉しい。」
「そうですか。よかったです。」
ニコリと微笑む流河君は可愛い。
普段あまり笑ってるの見たことないし。
まぁ普段って言えるほど流河君のこと知ってるわけじゃないけどね。
がごちゃごちゃと考えてると、ふっと自分の手に温もりを感じたのに気づき手元を見ると、
流河がの手を取り歩き出そうとしていた。
「行きましょう?」
「え?え、あ、はい・・。」
何気なく握ってくれた流河君の手は尾思ったよりも暖かく、大きくて、ドキドキする。
てゆうか、・・・さりげなさすぎる、この子。
無駄に心拍数が早くなっちゃったじゃないか、ヲイヲイ。
まるでこれじゃ乙女じゃない。(空笑い)
時間がたつのは早いもので、辺りはすっかり暗くなっていた。
所々に立っている電柱が、気紛れに達を照らしていたが、それでも暗いことには変わりない。
は『やっぱり流河君に送ってもらってよかった』などと思っていた。
「あ、流河君、ここだから・・」
「そうですか、では・・」
「うん、送ってくれて有難う。」
「いえ、大したことはしてませんよ。」
「ううん、嬉しかったし、安心もした。ありがとね。」
「いえ、では、また学校で。」
「うん、バイバイ。」
「はい。さようなら。」
『バイバイ』『さようなら』
その言葉と同時に繋いでいた手がスルリと離れた。
少し、流河君の手が離れていくのが名残惜しかった。
もう少しその温もりを感じていたかった、なんて思ってしまうのは
貴方が気になるからですか?
家の前で別れを告げた時の暗い空は、少し染まった頬を隠すのには十分だった。
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相変わらず駄文だな。w
お互いに惹かれているのに。