今日もミサちゃんはライトにべったりだった。

心なしか(いや、明らかに)ライトの顔が迷惑そうにも見えたけど気のせいにしておきたいと思った。









「ライト、ライトッ。ねぇねぇ、でもさ、ミサたちもまだ1度もデートしてないんだよぉ?今度どっか遊びに行かない??」

「し、してないも何も僕は君と付き合って」

「ライト君、彼女がデートしたいと言っているのに・・・そのぐらい聞いてあげたらどうなんですか?」

「流河ぁぁぁぁぁ!!!!!余計なことを言うなぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」








そして流河君は明らかにこの様子を楽しんでいる。








































頭脳は大人、中身は子供 私の隣は名探偵

隣の○○君















































今日ミサちゃんが家に来た。

この前貸したスカートをわざわざ返しにきてくれた。

そのとき何故かライトも一緒にいた。








ちゃん、スカート遅くなってゴメンね〜、ありがとうっ。」

「あ、いつでも良かったのにー、ありがと、ミサちゃん。」

ちゃんの家に行く途中でライトも誘ったの〜。偶然会っちゃってv」

「・・・本屋の帰りだったんだ・・。(もう少し本屋に居座っていればよかった・・)」

「そっかぁ、あ、上がってく?」

「いいの??」

「うん、いいよ。ライトも上がってくでしょ?」

「じゃあお邪魔しようかな。」







ミサちゃんてホント可愛いなぁ・・・

細いし、顔ちっちゃいし、人懐っこくて。

モデルさんやってるだけあるよねぇ・・・

羨ましいなぁ、あんなに可愛くて・・・・








「お邪魔しまぁーすっ。」

「どうぞー、散らかってるけど。」

「あれ、なんかすっごいいい匂いするー。なんか作ってたの??」

「え?あ、うん、ちょっと・・」

「なになに??」

「あ、ケーキを・・」

「あー!分かった!!流河君に作ってあげてたんだ!!」

「う、うん・・」

ちゃん照れてるー。可愛いーvいいなぁー、ラブラブじゃん。ライトー、ミサも今度ライトにお菓子作ってあげるっ。」

「え?あ、ゴメン・・僕は甘いのあまり・・」

「そうなの??ちぇーっ。」







そう言いながらミサちゃんはライトの腕にぎゅーっと抱きつきながら『じゃあお弁当作ってあげるーv』とか言いながらニコニコしてる。

ミサちゃんみたいに素直に『好き』とか言えるの羨ましいなー。

私恥ずかしくて言えないもん。









「ねぇねぇ、流河君は呼ばないの??」

「え?あ、忙しいかなぁって思って・・・」

「なんかしてるの?」

「え!?あ、えぇと・・・あの・・バイト・・」

「あぁー、なるほどー。ていうか流河君でもバイトとかできるんだねぇー、ミサ、絶対に接客業は向いてないと思うよ。」






私も思う・・・。

そんなことミサちゃんと話してたら計ったかとも思えるようなタイミングで流河君から電話が来てしまった。











「あ、流河君だ。」

「バイトじゃないのかな??」

「も、もしかしたら今日バイト休みなのかも・・ちょっと電話出るね。」

「うん。」








携帯を手にしてディスプレイに写る『流河君』の一文字を見るとなんか少し嬉しくなる。








「もしもし??」

『もしもし、私です。』

「知ってるよ。」

『今は暇ですか?』

「あ、うん・・あ、流河君こそ今大丈夫なの?」

『どうってことありません。さんの声を聞かないとやる気でません。』

「コラコラ・・あ、今ね、家にミサちゃんとライトが来てて」

『なんで呼んでくれないんですか!!?』







私がそう言った瞬間、流河君は急に声色を変えてそう聞いてきた。

なんか、すごく焦っているような、そんな声だ。







「え、あ、い、忙しいかと思って・・」

『そんなのどうでもいいです・・っ、わ、私も行きます!』

「あ、うん・・いいけど・・」

『すぐ行きます。そうですね・・5分です。5分で行きます。』

「5分!?き、気をつけて・・(ワタリさんが・・)」

『待っててくださいね?』

「待ってるよ、だって家にいるんだもん。」

『では、切ります。』







切る瞬間、電話の向こうで流河君が『ワタリ、すぐに車を出してくれ!』と言う声が微かに聞こえた。

あぁ、やっぱり、とも思ったけど、流河君らしい。

ワタリさん、気をつけて来てください・・・。













「流河君来るの??」

「う、うん。なんか今日はバイトなかったみたい。」

「そうなんだぁー。」

「え、流河来るの?」

「うん。」

「・・・へぇ・・。」

「え?ライト、嫌なの?」

「もう嫌とかそういう次元超えてるよね、・・・もう疲れる。」

「つっこみばっかだもんね。」

・・・少しは彼の暴言を止めてくれないかな・・。」









竜崎が来る前からもう疲れきった顔をするライト。

確かに竜崎が来るとライトは取りあえずつっこみしかしていない気もする。

そして更に拍車をかえたように今日はミサも一緒にいる。

全くもってライトには最悪な日である。

そうこうしている間に本当に5分足らずで竜崎が到着した。













─ピンポーン・・・ピンポンピンポンピンポーン













「あ。流河君だ。」

「・・・鳴らしすぎだろ、インターホン・・・」







しつこいぐらいに押されたインターホンはきっと竜崎だろう、と勝手に決めつけ確認もせずにはそのままドアを開けに行った。











「ハイハーイ。」






ガチャっとドアを開ければやはりそこには竜崎がいた。

しかしとても不満そうな顔をしていた。










「ホントに5分で来たね。」

「はい。・・・それよりさん。」

「ん?」

「何回言ったら分かってくれるんですか。インターホンは必ず確認してから出てくださいと言ってるでしょう。」

「だってあんなにインターホン鳴らすの流河君しかいないもん。」

「もしかしたら私を装ってさんに近づこうとする馬鹿かもしれないです。」

「あぁ、ないない。あ、まぁ上がってよ。」

「とにかくこれからはちゃんと確認してくださいね。」

「あー、うん。」






言っておくと、この会話はいつもしている。

竜崎が家にくるたびにこの会話をしているのだ。

インターホンをあんなに鳴らすのは竜崎だけだ、と決め付け、インターホンがたくさん鳴らされたときは確認せずにそのままドアを開ける。

竜崎はのその行動が非常に気に入らないらしい。(危ないから。)













「・・・・本当にライト君もいるんですね。」

嫌そうな顔をするな。寧ろ嫌なのは僕だ。

「ライト君と一緒にいたらハゲ菌が移ります・・・。」

「オイ、ハゲ菌てなんだ、ハゲ菌って。大体ハゲてない。」

「そうだよ、流河君ッ、ライトはハゲてなんかないもんっ。でもミサはライトがハゲてても大好きだよっ。」

「いや、ハゲてないから。そのまま『ライトはハゲてない』で止めてくれると嬉しいんだけど。」









そんな会話がされている中は後から来た竜崎に『ハイ、紅茶でいい?』と紅茶を差し出しながら砂糖をドポドポと入れていた。









「あぁ・・有難うございます。」

「お砂糖はもういい?」

「はい、大丈夫です。」

「流河君って変〜。そんなにお砂糖入れたら紅茶の味しないもん。」

「ミサさんに変だなんて言われたくないですね。」

「流河君ってホント失礼ね。」

「ミサさんに言われたくないですね。」

「きぃっ!!」






足をじたばたさせて悔しそうにするミサだが竜崎はそんなの眼中にもないようにズズっと紅茶をすする。






ちゃん、こんな変人流河君とデートとかするとき大変じゃない??」

「え?あー、でも普段外で会ったりとかあんまりしないし・・大体会うときは家とか、」

「えー!!なんで?どっか行ったりしないの?」

「うん。」





ミサのその質問に普通に答えるだったが、竜崎は少し考えるような素振りをしながら聞いていた。






「えぇ〜・・でもミサもライトと一緒だったら何処にいてもいいけどぉーv」

・・・付き合ってないのに・・・。

「ライト、ライトッ。ねぇねぇ、でもさ、ミサたちもまだ1度もデートしてないんだよぉ?今度どっか遊びに行かない??」

「し、してないも何も僕は君と付き合って」

「ライト君、彼女がデートしたいと言っているのに・・・そのぐらい聞いてあげたらどうなんですか?」

「流河ぁぁぁぁぁ!!!!!余計なことを言うなぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」






『流河君ってホントたまにいいこと言うよねー。』なんて言いながらライトの腕にぎゅーっと抱きつくミサ。

そしてまたいつもの思いつきである提案をし始めた。









「じゃあさー、今度ダブルデートは??楽しそうっ☆ね、ちゃんもそう思わない??」

「え?あ、う、うん・・」





ミサにそう聞かれ、一瞬チラリと竜崎を見たがすぐに目を逸らし『皆の都合が合えば、してみたいよね。』なんて言った。

そんなに気づいたのか、竜崎は話題を変えるかのようにに話しかけた。







さん。」

「ん?なに?」

「さっきから甘い匂いがします。何か作ってたんですか?」

「え?あー・・う、うん。」

ちゃんねぇー、流河君にケーキ作ってたんだってぇー。」

「ミ、ミサちゃん!;」

「いいじゃん〜、ホントだもん。」

「私に、ですか?」

「えーあー、うん、・・・まぁ・・。でも少し失敗しちゃったから」

「食べたいです。」

「え、今失敗しちゃったって言ったよね?」

「いいんです。」

「そう?お腹壊しても知らないよ?」

「自慢ですが、私は今までお腹を壊したことがありません。」

「自慢ですが、って・・・。」







竜崎にそう言われ渋々作ったケーキを出す。

失敗したというのはどの辺りなのかは見た目からはよく分からないくらいに綺麗である。









「何処が失敗なんですか?」

「んーー・・甘さが足りないっていうか・・」






にそう言われパクリと口にいれ口をモゴモゴさせ、うんうん、と何故か頷いている。







「ね?」

「はい、この前よりも・・・でもとても美味しいですよ?」

「あ。ホントに?それならよかった。」

「甘さが足りないって・・どのくらいの甘さなの?」

「ミサちゃんも少し食べてみる?普通の人には甘すぎるかもしれないけど。」






どんな甘さなのかと気になり、普段あまり甘いものなど職業柄控えているミサだったが、それを口にした。







「わっ甘っ!!」

「ね?でもこれでも少し甘さ抑えちゃったほうなんだよね。」

「こ、これで?流河君ってやっぱ変・・・。」

「美味しいじゃないですか。」

「美味しいけど甘すぎっ。糖尿病になっちゃうよ!」

「あー・・それは困るかも・・じゃあこれからちょっとずつ甘さ抑えていこうかな・・」

さんまで・・そんなことしなくても大丈夫ですから。なので今までどおりの甘さでお願いしますね。」

「流河、お前甘いもの控えたほうがいいぞ、ほんとに・・」

「あ、触らないでくださいライト君、ハゲ菌が移りますから。

「オイ。ふざけるな。」

「ふざけてません、私は冗談が苦手ですから。」

「冗談は顔だけにしくれ、流河。」

「何を言ってるんですか・・ライト君こそ冗談は髪の毛だけに・・・おっと、すいません、冗談ではなく本当にヅラ」

「だから違うって言ってるだろ、分からないヤツだな。ヅラじゃ、ない!!!!!」

「・・・そうやってムキになってるところがまたヅラっぽいんです・・。」

「どんな理屈だよ!!誰だってヅラだって言われたら否定するだろ!!」

「ライトォ、流河君ばっかじゃなくてミサにもかまってよぅ。」

「じゃあコイツのこの暴言をなんとかしてくれないかな・・・」






もう疲れきった顔をしているライト。

流河からは『ヅラ疑惑攻撃』、ミサからは状況を考えない『かまって攻撃』。

そしてはそれをただ見ているだけだ。

なんというか・・・哀れである。









「あ!そうだ、ミサこれから撮影あるんだった!!」

「そうなの?じゃあ急いで行かなくちゃだねっ・・」

「うんっ、ちゃん、今度は予定ない時にゆっくり遊ぼうねー☆」

「うん、そーだね。ミサちゃんもお仕事頑張ってね。」

「ありがとっ。」

「ライト君、彼女を送っていってあげたらどうですか。」

「(こいつはまた余計なことをっ・・・)・・まぁ、予定もないし・・」

「え!?いいの!?」

「途中までしか送っていけないけど・・」

「わぁーいvvライト大好きーっvv」






ライトが途中までとはいえ、送っていくと言うとミサはライトの腕をぎゅっと組み嬉しそうにニコニコしていた。

こうしてべったりされるのが苦手なのかライトは相変わらず困ったような顔をしていたが、まぁ仕方ない。

そして多分、いや、絶対に竜崎はと二人きりになりたいがためにライトにあのような言葉を差し向けたんだろうということが

今の竜崎の“してやったり”、そんなような表情からよく分かる。























「二人きりになれました。」

「ん?あ、そうだね。」

「・・なんか普通の反応ですね・・。」

「え?」

「私はいつだってさんと二人きりがいいのに。」

「流河君。」

「まぁ・・そのことは置いておき・・、さっきミサさんが言ってましたが・・」

「なに?」

「何処か、出かけたいとは思わないんですか?」

「なんで?」

「なんで・・と言われても・・・やはり外に出かけたり・・そういうったデートとか、したいと思いませんか?」

「いや、特には・・・」

「別に遠慮しなくてもいいんですよ。事実、一度もさんと外で一緒にでかけたことはありません。」

「でも一緒にはいてくれるでしょ?それで十分・・」

「いつもそうですよ。」

「?」

「・・我慢させたいわけじゃありません。気を使わせたいわけじゃありません。もし無理だとしても・・・我侭ぐらいは言ってくださいよ。」







そう言いながら愛しそうにの頭をポンポンと撫でながらじぃっと見つめる。






「流河君が思ってるほど、私はいい子じゃないよ。」

「・・はい?」

「いっぱい我慢できるような子じゃないし、そんなに気を使えるような子でもないよ。」

「・・はぁ・・。」

「だから、いいの。別に我慢もしてないし、気使ってるわけでも、ないよ。」

「本当ですか?」

「ホントだって。・・ありがと、流河君。」

「いえ・・でも・・そうですね・・私も一度ぐらいはさんと学校の帰りにケーキを食べたりとかではなく・・休日に何処かにデートしてみたいです。」

「あはは、Lがそんなこと言ってていいの?」

「実際学校にも行ってるわけですし、外で私がLだと知っているのはさんだけですし、誰も私のことをLだなんて思わないでしょう。」

「(確かに。)」

「あ、今『確かに見えない』って思いましたね?」

「お、思ってないよっ。」

「思ってましたよ。さんは分かりやすいので。」

「・・・そんなに分かりやすかった?」

「やっぱり思ってたんですね。」

「あ!またそうやってハッタリかけたね!!」

「はい。でも分かりやすいというのは本当です。顔にすぐ出ますよ、さんは・・。」

「そうかなぁ・・。」









そうですよ、そう言いながら流河君は私をぎゅっと抱きしめてくれた。

こうやって一緒にいるだけでもすごく嬉しいのに。

お仕事が忙しいくせに、そうやっていつも私のことを考えてくれる流河君がたまらなく好き。

デートしなくてもいい、っていうのは嘘になるかもしれないけど、でも一緒にいるだけでもいいっていうのは本当。








「今度何処に行きたいか考えておいてください。」

「え?ホントにするの?」

「嫌ですか?」

「い、嫌じゃない嫌じゃないっ。でもいいの?」

「はい、私もしてみたいです。・・・いつになるか分かりませんが・・・」

「じゃあー、ゆっくり考えておくね。楽しみにしてる。」

「はい。約束です。」

「うん、約束よ。」






そう言ってそっと唇にキスを一つ落とす。

条件反射のようにはきゅっと軽く目を閉じる。

愛しそうにの頬を優しく片手で撫でながら、そっと唇を離せば竜崎の目に映るのは少し顔を紅くしたの顔。

いつでも彼女のことが好きだが、この瞬間、どうしてだろうかたまらなく愛しく感じてしまう。









「紅茶、淹れてくるよ。」

「有難うございます。」













自分がLだということも忘れて安らげるのは彼女のおかげだ、

そう思いながらの淹れてきた紅茶をすすりながら空が薄暗くなるまで一緒にいた。

それだけで十分だ。















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竜崎に『デートしてみたいです』て言わせたかっただけ。(なんだそれ。)