事件はその日の放課後に起こった

何の変哲もない日常だったのに

どうしてこんなことになってしまったんだろうか

何故こんなことに

私は絶対に許さない

犯人を

必ず捕まえてみせる





































「何すごく大事みたいな出だししてんだよ!!」

「大事ですよ!!ヅライト君には分からないんですよこの重大さが!!」

「おまっホントいい加減にしろよな!何回言えば分かる、これは地毛だ!!地毛!!!

「見栄っ張りはよしなさい。」









竜崎とライトのいつもとなんら変わらぬ会話。

別段、事件が起こったわけでもなかった。











































頭脳は大人、中身は子供 私の隣は名探偵

隣の○○君
















































放課後

帰り支度をして帰る者、部活に勤しむ者、それぞれいるが竜崎や、ライトは前者だ。

部活なんぞ入っていない。竜崎なんて特に論外である。

そんないつもと変わらぬ放課後に事件は起こったという

竜崎がトイレにでも行ったのだろうか、フラリと姿を消したその後に。


















「な・・・・・」

「流河?どうしたんだ、口が阿呆みたいに開いてるぞ。」









恐らくトイレから戻ってきた竜崎が自分の席を見て口を開いたまま閉じない状態で固まっている。

そんな滑稽(こっけい)な竜崎の姿を見てライトはどうしたのかと竜崎の肩をポン、と叩き彼に理由を問出だした。








「な・・・・・・」

「な?」

「な・・なくなってます・・・・」

「なに?ついに何か盗られたのか?教科書にでも落書きされてたのか?だから言っただろ、日ごろの行いが悪いから」

「黙ってください。私の日ごろの行いは神様も驚いてしまうほどいいですよ。」

「その口が何を言うか。」

「ないんです。」

「だから何が・・」

「私が最後に取っておいたお菓子が・・・!!!!」

「・・・・・・。」







竜崎のその一言を聞き、半目で呆れたようにため息をつきあからさまに『さぁ帰るか』の素振りをするライト。

机から視線を外さないままガシッとライトの肩を掴み、ライトの帰りを阻止する竜崎。










「なっ、なんだよっ。」

「何処行くんですか。」

「帰るんだよ。くだらない。」

「くだらない!!?くだらないって言いましたね今!!」

「あぁ・・ウザイ・・・。」

「これがどういう意味か分かってるんですか。」

「さぁ、分からない知らない。分かりたくもないよ。」

「これは・・・私への挑戦ですか、反逆ですか。」

「挑戦って何がだよ。大体反逆されるような輩じゃないだろお前は。」

「・・まさか怪盗カツーラ3世の仕業ではありませんか?」

「オイ、それ遠まわしに言いたいこと言ってるよな?僕に。




呆れつつもちゃんと突っ込むライト。

いや、彼、竜崎といると突っ込まずにはいられなくなるのだろう。








「兎に角これは大事件です。・・・まずはライト君、貴方から取り調べさせてもらいますよ。」

「ちょーーーっと待て、ちょっと待て。」

「なんですか、言い訳は見苦しいですよ。」

「何取調べって、僕のこと疑ってるのか?ていうか言い訳は見苦しいってそれもう僕がお前のお菓子を取ったっていうことになってるじゃないか!!」

「違うんですか?」

「当たり前だろ!!誰もお前のお菓子なんて取らない!!」

「でも実際なくなっています。」

「勘違いじゃないのか?実はもう食べてしまっていた、とか。」

「私は食べたのに食べてないなんてそんなボケ老人のようなミスはしませんよ。」

「・・・じゃあ、本当はなかった物なんじゃないのか。」

「それもないです。あれは絶対にありました。机の上に置いておいたんです。最後に食べようと思って。」

「(何処のガキだコイツ。)」

「カツーラ3世の仕業ではないとすれば・・・これは、」

「オイ、やっぱりカツーラ3世って僕だったのか。」

「他に誰がいるんですか。」

「うっわ、うざ、うざっコイツ!!」







これは由々しき事態ですよ、なんてブツブツ言いながら親指の爪をガリっと噛んだ。

一方ライトは本当にあきれ返ったような表情で竜崎を見ていた。

早く帰りたそうである。








「・・・ヅラ刑事、一緒に探してください。なくなってしまった私のお菓子を。」

「オイ、それが人に物を頼む態度か?」

「なんですか、気に入りませんでしたか、今のコードネーム・・。」

「当 た り 前 だ ろ う 。」

「そうですか、ライト君にピッタリな名前がパっと思い浮かんだので・・・残念ですね。」

「お前なんて変態刑事でいいじゃないか。」

「私は変態じゃありませんよ。」







変態:人間の性的行動や性欲のありようにおいて、正常と見なされない種類の嗜好を指す







「お前にピッタリじゃないか。」

「ライト君、貴方死にたいんですか。」

「まさか。そしてその言葉をいつものお前にそっくりそのまま返してあげるよ。」

「つべこべ言わず探してください。」

「おまっ、ホントムカつくなぁ!!」

「そういえば・・・さんは何処に行ったんですか?さんがいないとやる気も出ないんですが。」

「知らないよお前のやる気事情は。は・・・さっき急に委員会の招集がかかったからってそっち行ったけど。確かリコちゃんの代理だったと思うけど。」

「なんでライト君は知ってて私が知らないんですか。なんでですか、ずるいじゃないですか。」

「なんでそこでそういう考え方できるのお前。ある意味すごいよね。」

「話をはぐらかさないでください。」

「お前がトイレ行ってていなかったから僕にそれを告げて行ったんだよ、お前にそう言っておいてくれって!!これで満足だろ!?あぁ、もう疲れるなぁ・・!!」

「言ってくれれば私も一緒に行ったのに・・・」

「行かなくていいんだよお前は!!お呼びじゃないんだよ!!;」

「というわけで一緒に探してください、ヅ・・、ライト君。」

「言いかけたよな?言いかけたよな今。」

「細かいこと気にしてたらハゲますよ。」

「うるさい。絶対探してやらないからな。」

「あ、なんですかそれ。友達が困っているというのにそれはないでしょう、鬼、悪魔、ヅラ。

「そんなこと言うヤツと友達になった覚えはない。最後の一言いらないだろ、オイ。」

「早く探さないと食べられてしまいますよ。」

「いや、多分もう取られてるんなら食べられてると思うよ。」









ライトがそう言うと『クソッ・・』とでも言いたげにガリっと爪を噛んだ。

ライトは早く帰りたそうにしている。

まぁこんなくだらないことに付き合わされているのも少し気の毒ではあるが。

が戻ってくるまでの辛抱だ、ライトはそう自分に言い聞かせていた。










「食べられてしまっていたとしても取った犯人を見つけ出します。」

「・・・もういいじゃん・・・。」

「そして血祭りにあげます。」

「お前大げさだよ馬鹿。」

「窃盗罪ですよ。」

「たかがお菓子」

「されどお菓子です。『パンがなけれお菓子を食べればいいじゃない』、マリー・アントワネットも言ったものです。大事なものですよ。」

「意味が全く違うから。」

「しかしこの言葉、マリー・アントワネットが発言されたと言われていますが、実のところマリー・アントワネットはこのようなことは言っていないようです。」

「そんな無駄な豆知識いらないよ!!!」

「さぁ探してくださいヅラデカ。」

「そうだな変態デカ。お前が探せ。」








取られたお菓子を探そうにももう下校してしまった生徒もいるだろうし探すには難しいと思われる。

そんな中一向に探そうとする気配はなく相も変わらず仲がいいんだか悪いんだか分からないコントじみた会話をしている二人。

そんなことをしている間にがようやく戻ってきた。











「ゴメンねー、リコが今日休みだったから急遽代理で委員会に行ってきたよー。」

「あぁ、、お帰り。(良かったやっと帰って来た!)」

さん!」

「あ、ゴメンね流河君、ライトから聞いてると思うけど・・。言おうと思ったら流河君いなかったからさぁ。」

「トイレに行ってました。」

「そっかそっか。」

「それよりも大事件が起きました。」

「うん?どうしたの?」






なんとなく、ろくなことではなさそうだなぁ、なんて少し思いつつも竜崎のその話に耳を傾ける。

実際がそう思っている通り、別段大事件ではないし騒ぎ立てることでもない。

ろくなことではない。







、真剣に聞かなくていいよ、すごくくだらないから。」

「え、そうなの?」

「うるさいですね黙っててください。」

「で?なにがあったの?」

「盗難にあいました。」

「え!?教科書とか?あ、お財布?事務室行って落し物箱に」

「最後に食べようと思っていて机の上に置いてあったお菓子が盗られました。」

「え・・」







真剣な表情でにそう訴えかける竜崎、呆れ返るライト、そしてなんだかなんとも言えない顔をしている

竜崎のその発言に呆れているのかと思いきや、申し訳なさそうな顔をして竜崎に謝りだした。








「ゴ、ゴメン流河君・・・」

「え?」

「それ、食べちゃったの私・・・」

「え、が?;」

「う、うん。だって私の机の上に置いてあったから・・あれだよね、なんか、可愛い包み紙に入ってたチョコのクッキー・・」

「あ、それです。」

「ゴメン、私が、食べました。」






両手を合わせて苦笑気味に謝ると、竜崎はさっきまでと態度が打って変わった。





さんだったんですか、いいです、ならいいんです。あぁ、そういえばさんの机に置きました。」

「オイ、お前な、」

さんが悪いんじゃないんです、私が紛らわしいことしたから悪いんですよ。気にしないでください。」

「え、でも最後に取っておいたって・・ゴメ」

「いえ、ウソです、さんにあげようと思ってました。」

「おい、流河お前さっき食べた犯人見つけ次第血祭りにあげるとか言って」

「え!!;」

「何言ってるんですかライト君、やめてくださいよ、そうやってあることないこと言って・・・嘘つきは泥棒の始まりですよ。」







よくもまぁそんな真顔でぬけぬけとウソがつけるもんだこの男は。

そんな竜崎の発言をニッコリと『あぁ、そうかそうか、僕が悪いのか、ははっ、そっかそっかぁ。』なんて、

天使のような悪魔の笑顔で笑っているライトの手は既に拳を作っていつでも竜崎めがけて降りかかれる状態にあった。








「ゴ、ゴメン、ほんとゴメンね・・!!その代わり流河君の好きなお菓子買ってあげるから・・!!」

「いえ、さんは悪くないです。でもお菓子は欲しいですね。」

「うん、いいよいいよ、だって私食べちゃったんだし。」

「じゃあさんが作ったやつがいいです。」

「え、」

「駄目ですか?」

「いやいや、そんなんで良かったらいくらでも。」






満足そうな顔をしての手を握り『じゃあ帰りましょうか。』と帰り支度をする竜崎。

そして何か言いたそうに口の端をひくつかせているライト。







「オイ。」

「あぁ、ライト君。なんですか?」

「なんですか、じゃないだろう、何か言うことはないのか?」

「・・・あ。」







ポン、とわざとらしく手を叩き、彼なりに(きっと)謝罪をした。








「ヅラ刑事、お疲れ様でした。今日の任務は完了です。帰宅していいですよ。」

「ねぇ、殴っていい?」

「ライトも一緒に帰ろうよ。」










今日も仲良し3人です。

















*******

ヒ、ヒロインちゃんの出番少な、い・・・!!!
この3人書いてるのが一番好きだったりします。うぷぷ