クシャっと皺が寄ったシーツ


手を伸ばしたらすぐに届く場所に一番欲しいぬくもりがあった


貴方の手が一番暖かい
















































頭脳は大人、中身は子供 私の隣は名探偵

隣の○○君






















































「・・・ゴメンね・・」

「なんで謝ってるんですか。」

「だって、・・いきなり、ビックリしたでしょう?」

「あぁ・・、はい。」

「だから、ゴメン、ね・・?」

「そんなこと気にしてないですよ。・・・なにか、ありましたか?」





シーツに包まって竜崎にぴったりとくっつく

そんなを心配そうに見つめる竜崎。

いきなり恋人が泣きじゃくりながら自分に抱きついてきたものだから、何が起きたのかと思い心配した。











「・・・そういえば、前にもありましたよね。」

「・・・・なにが?」

さんが、私に『何処か行ってしまったんじゃないか』と、聞いてくるのが。」

「・・・あったけ?」

「ありましたよ。」

「・・・・そっか。」

「一人になるのが嫌なんですね。」








竜崎にそう言われると、一瞬、ためらうが、すぐにコクンと頷いた。












「・・・うん、ヤダ。」

「大丈夫ですよ、私はさんに黙って何処かに行ったりしません。」

「・・ありがとう。」

「いいえ。」

「・・・・・ちっちゃいころね、」












ポツリと話し出した。

初めてだ、が自分のことをこうして話すのは。

今まで一緒にいたけれど、彼女がこうして自分のことを話すのは珍しい。

意外と自分のことを話すことはなかった。

ただ、そういう機会がなかっただけなのかもしれないけれど。














「ちっちゃいころね、」

「はい。」

「・・・お母さんとお父さん、仕事忙しくて、家にいつも一人だったんだ。」

「お父さんとお母さんは、何をしている人なんですか?」











自分でそう聞いておきながら、今更『そういえばさんの両親がどんな仕事をしている人なのか初めて聞く』などと思った。

実際、そんなこと聞かなくても調べれば分かる自分なんだけれど。









「お父さんは、お医者さん、外科の。お母さんは、看護婦さん。あ、今は看護士さんって言わなきゃダメなのかな。」

「お二方、病院で働いてるんですね。」

「うん、そう。だから、夜勤とか当たり前でさ、帰って来れないこと多くて。今もだけど。」

「寂しかった、ですか?」

「うん。・・・・でもね、ちゃんと留守番してると、お母さんもお父さんも褒めてくれるから、それだけが嬉しかったの。」

「そうなんですか。」

「うん。でも、やっぱ、一緒にいたかったってほうが大きいかなぁー・・。」

「でしょうね。甘えたい盛りですからね。」

「あは、そうだね。あ、でもいつも一人だったわけじゃないんだけどね、ライトが遊びにきてくれたし・・」

「・・・あぁ、なるほど。」

「あ、嫌な顔しないでよ。」





ライトの名前が出ると、不本意そうな顔をする。

だけど竜崎のそんな反応でさえ嬉しい。








「ライトのお母さんとか、私一人じゃ危ないからってたまに来てくれたし。」

「そうですね・・・今でも私はさん一人でっていうのが心配で仕方ないですし。」

「い、今は流石に大丈夫だよ・・・。」

「いや、さんインターホン確認しないで出るじゃないですか。」

「流河君のときだけだよ。」

「それが危ないんです。」

「気をつけるよ。」

「そうしてください。」










竜崎の肩に寄りかかり頭をコテンと置く。

ちょうどいい高さで心地が良い。











「夜とかさ、」

「はい?」

「一人でいるとき、時計の針の音が怖くて。」

「あぁ・・・あれって一人でいるときとか、やたらと大きく聞こえますよね。」

「うん・・それが怖くて。なんていうか・・・一人でいることを強調されて、更にその音が迫ってきて襲われちゃうような感覚がね、怖かったの。」

「今でも?」

「うーーーん・・・たまに・・・。」

「さっきもですか?」

「・・うん。」

「そうですか。」








コクンとが頷けば、竜崎はぎゅっとを抱きしめた。

愛しそうに、大事そうに、ぎゅうっと。

そんな抱擁が心地よい。暖かくて。










「私がいるから大丈夫ですよ。」

「うん。」

「一人で寂しかったら、怖くなったら、いつでも呼んでくれて構いませんよ。」

「え?」

「夜の何時でも、すぐに行きますから。・・・・だから、泣かないでください。」

「・・・・優しいね、流河君。ありがとう。」









も、竜崎の背中にぎゅっと腕を回す。

どうしてこんなに愛しいんだろか、どうしてこんなに一緒にいたいと思うんだろうか。

本当に、この人が大好きで仕方がない。

















「でもさ、なんかおかしいね、小さい頃のことなのに。未だにこうやってさ。」

「そんなことないですよ。小さい頃に体験した嫌なことはトラウマになりますし、おかしくなんかないですよ。」

「そうなんだ。」

「はい。」

「流河君は?」

「?」

「流河君は、・・小さい頃、どうやって過ごしてたの?」





そんな質問初めてされた、そんな表情をしながら、少し考えて答えた。





「私は、・・・どうですかね、私もあまり人と関わって過ごしていなかったですね。」

「寂しくなかった?」

「特に、そう思ったことはありません。必要なことはワタリがしてくれてましたし、まぁ今もですけど。それに友達なんて必要なかった。

親の顔も知りません。なので親がどういう存在なのかも分からないので寂しいと感じたことはなかったです。」

「・・そうなんだ。」

「でも、」

「うん。」

「今は、寂しい、と感じることが、できてしまいました。」

「やっぱり、ご両親と会ってみたいとか、思ったりするの?」

「そんなこと、今更思わないですよ。」

「じゃあ、流河君も一人でいるとき?」

「私が寂しいと感じるのは、貴女がいないときだけですよ。」







そう言って抱いている腕に少し、力をこめた。











さんが、私の傍にいないと、そう感じてしまうんです。早く会いたいとか、そんなことしか思いません。」

「・・・・・。」

さんがいれば、いいんです。それだけで満たされますから。」

「・・・・・。」

「・・・あの、さん?」

「・・・・・・いや、ね、私、少しでも流河君の役に立ててたんだなぁと思って、嬉しいな、って。」

「・・・何を今更・・・。貴女は、役に立つどころか、私になくてはならない存在なんですよ。」

「ありがとう。・・・ほら、私、頭が特別いいわけでもないし、何か手伝えることがあるわけでもないから、さ。」

「そんなこと、いいんですよ。さんがこうしていてくれれば、それで十分です。」









ちゅ、とキスをする。

反射的に目を瞑るが、は嬉しそうだ。

こうしてキスされるのも、抱きしめられるのも、全てが愛しくて仕方ない。

竜崎がかけてくれる言葉一つ一つが、嬉しくて仕方ない。

自分だって、竜崎がいればいい、それだけで十分だ、そう思った。




































「でも、吃驚しました。」

「え?」

「いえ、泣いていたので、てっきり後悔したのかと。」

「後悔?」

「昨日の、」

「うわっいやっ、あの!!!いいいいい、いいよっいい、言わなくて!!」

「・・・・そんなに言わなくても。」

「・・・う、うん・・。」

「顔、真っ赤ですよ。」

「ううう、う、うる、うるさいや!!」







ポカポカと軽く竜崎を叩くがそんな可愛らしい攻撃はへでもない。

いや、もダメージを与えたくてそうしているわけではないのだけれど。

ただの照れ隠しだ。

そんな彼女の行動が竜崎には愛しくてたまらない。

そして竜崎がまた一つ、キスを落とそうと顔を近づけた瞬間だった。












「あ!!!」












ゴチン、と鈍い音。

急に頭をパッと上げたと竜崎の顔面がぶつかった。

どちらも痛そうな顔をしている。












「あうー・・・!!;」

「・・い・・痛いです・・・。」

「ゴ、ゴメン・・!!顔面クラッシュだったね流河君・・・!!!」

「いえ・・大丈夫です・・。どうしたんですか・・そんな慌てて・・・」

「学校!!また遅刻だ!!!」

「いいじゃないですか。」

「・・・流河君、いっつもそれね。」

「だってさんといたいんです。」

「・・・・。(ズルイ・・・。)」

さん、さん。」

「うん?」

「今日はもう学校休」

「まないよ、私は。」

「・・・・そうですか・・。」

「やっぱり休もうって言いたかったんだね・・・。」







じゃあ今日もお昼から行きましょう、仕方なさそうにそう言ってさっき出来なかったキスをそっと、した。















「あ、じゃあ、着替えちゃうね。」

「はい。」

「・・・・。」

「・・・・。」

「・・・あの、」

「なんですか。」

「ちょ、ちょっと、あっち向いてて・・・?」

「なんでですか?」

「なっ、なんでですか、って、き、着替えるからっ・・」

「いいじゃないですか・・・今更・・・」

「いいいい、嫌だよっ・・・!!;」

「ケチ・・・。」

「ケッ・・!?」











はぁ、と非常に残念そうにため息をつきながらベッドから降りトボトボと隣の部屋へと移動した。(させられた、というか。)

竜崎から言わせれば、昨日全部見たんだからそのくらい気にしなくても・・・、とでも言いたいのだろうが(ただ見たいだけだろう)(変態じゃないか)

からしてみれば恥ずかしい他ないのだ。それとこれとは別なんだ、と。














「・・・あ。」








着替えている途中、ふと、自分の首筋の紅い跡が目に入った。

昨晩、竜崎がつけたものだ。

少し、思い出して恥ずかしくなった。

そっとその跡を指でなぞると、隣の部屋に追い出された竜崎が『もう入ってもいいですか?』とドアをノックしていた。










「あ、うん、ゴメンね。」





その返事を聞いてドアを開ければ、もう完全に着替え終わっているがいたのを見て少し残念そうな顔をした。

そんな竜崎に気づいたのかは『着替え終わったから返事したんだけど・・・』と苦笑いした。

が首筋に手を当てていたのに気づいた竜崎は、少し口の端をあげ嬉しそうにそれを見た。











「それ、」

「・・・?どれ?」

「首筋の跡です。」

「あ・・・」

「なんか・・・嬉しいですね。」







そっと、竜崎がその跡に指をすっとあてた。

はさっき思った疑問をふと竜崎に聞いてみることにした。








「ねぇ、流河君。」

「はい。」

「この跡、」

「はい?」

「・・なんでつけたの?」









まさかそんなこと聞かれようとは、少し驚いたのか思わずきょとんとしてしまった。







「これってさ、跡つける意味とか、特にあるのかなぁ?」

「あぁ・・それはですね、」

「うん。」

「これは・・・『さんは私の女性です』という意味です。」







それを聞いて顔が熱くなった。

あぁ、そういう意味なのか、と。

恥ずかしいけど、嬉しい。

こんな跡がなくても自分は竜崎しかいないのに、そうなんだけれど、この跡がついていると別段嬉しくなった。









「これで変な害虫も寄ってこなくなりますよね。」

「害虫って・・。」








だけど、嬉しそうに顔を赤らめてそう言う






そんな顔はやめてほしい。

そんな顔されたら、我慢できなくなってしまう。










の腕をぐいっと引っ張り、またキスをする。

軽く、そして深く、深く。

昨晩もしたのに、どうしてこんなにも貪欲に気持ちが湧き上がるんだろうか。









「ん・・・」

「は・・」

「りゅ、がくん、」

「・・・はい・・。」

「・・・大好きよ。」









あぁ、もう



だから



どうしてそんなこと言うんだろうか



今にも理性の糸は切れてしまいそうだというのに









































































ギリギリ、4時間目には間に合う時間に着いた。

なんだか、昨日のことでいっぱいいっぱいなのに、教室に入ればなんらいつもと変わらぬ風景。

だけどなんだか自分達だけはなんだか違う気がして少しこそばゆい。

カタン、と普通に席についたと思えば隣に座っている竜崎がこっそりこう言った。






























「・・また、しますか?」


















目を真ん丸くしながら、顔を紅くしながら、竜崎のその言葉を受け入れた。

恥ずかしそうに小さくコクン、と頷く彼女の姿を見て満足そうに鞄からチョコレートを取り出し食べていると

教室に入ってきた授業担当の先生に注意されている竜崎だった。
























*****

一人になることが怖かった。




TAKUIの歌でなかったっけかね。(うろ覚え)