「あ、・・・・いやいや、でもなぁ。」










一人でブラブラ買い物しているとき、ちょっといいものを見つけた。





























































頭脳は大人、中身は子ども。それでも彼は世界の切り札。


隣の○○君































































「流河くんー。」

「なんですか?」

「あ、いや、邪魔してゴメンね?」

「いいですよ、気にしないでください。どうしたんですか?」

「え、いやぁーー・・、流河君って、その白いTシャツ、お気に入りなの?」








ふと疑問を投げかけてみた。

竜崎はいつもこの白の無地のシンプルなTシャツにジーンズといった、これぞシンプルイズザベストという格好をしている。

こんなシンプルな格好だけど、彼にはとてもそれが似合っていてもそれが好きだった。

だけどこの服以外の服を着ている竜崎なんて、制服でしか見たことがない。














「気に入ってるわけではないですけど・・・・。めんどうくさいじゃないですか、色んな服持ってても。」

「そういうもんなのかぁー。」

「はい、私は。でもさんが色んな服を着るのはいいですよ、可愛いですから。」

「あ、ありがとう。」

「このシャツ、さんは好きじゃないですか?」










少し残念そうな顔をして自分の着ているシャツを少し引っ張りながらにそう聞いた。

もちろん、そんなはずはない。











「ううん、好きだよ。流河君、それすごく似合ってるし。」

「そうですか。よかったです。」














がそう言うと嬉しそうにまたパソコンをいじり始めた。

この白いTシャツが竜崎にはとても似合っているので竜崎のこのスタイルが好きだ、というのは確かなことだった。

だけど、そうではなくは竜崎が違う服を着ているのも見てみたいなぁ、というのが心情だった。

彼が『めんどうくさい』とか『これで十分だ』とか言ってるところから見ると、自らこれ以外の服を着たりすることもないだろう。

(この白いTシャツは何枚も持っている。)



















「最近はあれだよね。犬とか猫も服着てるよね。」

「そうですね。」

「私ねー。あれは如何なものかと思ってるんだぁ。」

「何故ですか?」

「犬とか猫からしたらだいぶはた迷惑じゃない?あれって。」

「確かにそうですね。動物には毛がありますし、結構迷惑ですね。」

「そうそう。夏とか『あちぃよ!』って思ってるよ、絶対。まぁチワワみたいに小さくていつもプルプルしてる

犬なら・・・いいのかもしれないけど・・・・。」

「チワワってプルプルしてますか?」

「してるよね?」

「あまりチワワをよく見たことがないんで分かりませんが・・・・。」

「まぁとにかくさー、あれだよね。動物にも色々とオシャレ時代がやってきているんだよね。」

「はい。・・・・どうしたんですか?」

「え、」

「なにか、私に言いたいんですよね?」










なんて鋭いんだろうかこの人は。

飄々とした顔してるくせに竜崎は相変わらず人のちょっとした言動で物言いが分かってしまう。















「・・流河君も、なんかいつもと違った服、着てみないかなーー、って・・・さ。」

「あぁ、なるほど。それで服の話題だったんですね。」

「・・そうです。」

「私、この服しか持ってないですよ?」

「うん、知ってる。それ、同じの何枚もあるよね。」

「はい。これが一番落ち着きます。まぁ・・・さんが言うなら他のも着てみないことはないですが・・。」

「え、ホント??」









に対してはやっぱり甘いというか、なんというか。

竜崎の意外な言葉には喜んだ。

















「いいですよ。」

「わーい!!」

「それだけでさんが喜んでくれるなら全然構いません。」

「この前ね、流河君にぜひとも着てほしいなー、っていうのを見つけてね・・・」

「それを?」

「うん、残念ながら今はないんだけど・・・。今度買ってくる!」

「え、ワタリに買ってきてもらいましょうか?」

「ううん、そんなことでワタリさんの手を煩わせるなんてとんでもないよ・・!!」








































というわけで竜崎の承諾を得たは後日、“竜崎着てもらいたい服”を買いに行った。

もちろん、竜崎には待っててもらっている。

それを見せたときの竜崎の反応が楽しみだからだ。

その服を手に取って竜崎がそれを着たときのことを想像すると、少し、いや、かなりワクワクしていた。






















「本当に買ってきたんですね。」

「うん。」

「どういう服ですか?」

「え?」

「黒とか、白とか、・・・・あんまりピチっとした服は好きじゃないんですけど・・。」

「あ!ピチっとはしてないから大丈夫!むしろ結構ダボダボしてる感じかな・・・。」

「そうなんですか。それなら良かったです。」

「じゃあ、これを、どうぞ。」








早速買ってきたソレを竜崎に袋ごと渡した。

紙袋に包まれているのでどんな服か、分からない。

がものすごく嬉しそうにしているのを見て竜崎も顔が緩んだ。

こんなことで彼女がこんなに喜んでくれるのならいくらでもしようじゃないか、そう思った。














「じゃあ、着替えてきますね。」














ここで着替えようとズボンに手をかけた竜崎だったが、に『楽しみ感がなくなるから隣で着替えてきてほしい』と頼まれた。

まぁ、にそう言われたなら仕方ないとのそのそと隣の部屋へと移動した。

はワクワクしながら竜崎が着替え終わるのを待っていた。



























さん・・どんな服を買ってきたんですかね・・・。)












ゴソゴソと袋の中から服を取り出した竜崎は一瞬、全ての機能が停止したように固まった。

が、彼女の喜ぶ姿を考えその服を手に取り着替えを始めようとした。














(・・・・・さん。これ・・・・・・服・・・・・・ですか?)

































数分後、に渡された服に着替え終わった竜崎がのそのそとまた戻ってきた。

その瞬間、の顔が今まで見たことないぐらいに輝いていたのに竜崎は驚いたが、まず一言、に少し文句を言いたかった。
















さん・・・あの・・着ると言いましたけどね・・・いや実際こう着てるんですが・・・これ、服じゃないですよね?」

「かっ・・・・」

「・・え?聞いてますか?」

「か、・・か、かわ、カワイイ・・・!!!!!!!!!」









なんとも言えない微妙な顔つきで言う竜崎だが、の耳には届いていない。

着替え終わった竜崎を見て『カワイイ』と豪語する

竜崎が言っているように、これは、服と言うのだろうかもよく分からない。

彼が着ていたのは着ぐるみだった。

それも、リラッ●マのなんとも可愛らしい着ぐるみだ。

確かにダボダボしてはいるが、これが果たして服として認識していいものなのか。














「カワイイよー!!やっぱり!!やっぱり似合う!絶対これ、流河君なら似合うと思ったの!!」

「・・・・・・それって喜んでいいんですかね・・・・・。」

「わーーっもうーっ!!流河君カワイイーーーーッvvv」











『よく似合う』と言われ、素直に喜べない竜崎をよそに、は予想以上に(自分の想像以上に)竜崎にそれが似合っていたので

カワイイの連呼、そして普段なら絶対に恥ずかしがってやらないのにガバっと抱きついた。











「・・・・まぁさんがこんなに喜んでくれるなら・・いいんですけどね。」

「・・ゴメンね??やっぱ、嫌だった・・、よね・・?」












ようやくハっと我に返ったは申し訳なさそうに竜崎の顔を覗き込み謝った。

やっぱり甘いというか、なんというか、さっきまで不満を漏らしていたのにコロっとそれも態度を変えて許してしまう。













「いえ、いいですよ。ただ・・これ繋がってるので着にくいですね。」

「うん・・。いや、でも本当・・かわいいなぁ・・・。こんなに似合うなんて・・・。くまのプーさんとかね、

ミッキー●ウスとか、コロ助ちゃんとか色々あったんだけどやっぱりこれが一番似合うかなー、って思ったの。」

「コロ助ちゃんってなんですか。」

「キテレツ大百科の・・・ちょんまげの。知らない?」

「知りませんね・・・。プーさんとかミッキー●ウスは分かりますけど。というか、今私が着ているこのキャラクターもよく

分からないんですけど・・・・・。」

「リラッ●マだよー。」

「・・・よく分かりませんけど、さんのお気に入りキャラなんですね。」

「うん。」









なんだかディ●ニーラ●ドにいるネズミに抱きついている感覚にも見えるが、はものすごく嬉しそうにしているし

これを着ていることでがこうしてベッタリと自分にくっついてくれるので悪くはない。













「今度私が泊まるときこれ着て一緒に寝よう?」

「・・・・・・誘ってますか?」













悪くはないが、いくら可愛い着ぐるみを着たって自分が男だということまで忘れてもらうのは困る、

そう思う竜崎だった。












*****

着ぐるみ竜崎が書きたかったっていう、ね。(爆)