─・・・別れませんか?












頭の中にその言葉がずっと響いた

























































頭脳は大人、中身は子ども。それでも彼は世界の切り札。



隣の○○君











































「っっ・・・夢・・・!!!」








目覚めは最悪。

天気は、曇り。

おかしな夢のせいで冷や汗をかいていた。













「・・・嫌な夢見たなぁ・・・。」








一番見たくない夢。

寝癖のついた髪の毛をワシャワシャと両手でいじりながら首を横にふった。

そんな気を知らず、1階からは母の声がした。











ー?起きてる?」












あぁ、朝。

改めて気づく。

そういえば母は今日も休みだとか言ってたような、そんなことを思いながら

『起きてるよ』と1階の母に聞こえるぐらいの声を出した。















「どうしたの、ー、なんかすごい顔してるけど。」

「えー・・・なんか、嫌な夢見たよ・・・。」

「どんな?」

「え?えぇと・・・」

















竜崎に別れを告げられる夢を見た─・・・

らしい。

きっと竜崎にこのことを言ったら

『私がそんなこと言うはずがないじゃないですか!』

と言うに違いない。

竜崎のことは母と父には内緒にしているはうっかり竜崎の名前が出ないよう、気をつけた。






















「・・・ガイコツに追いかけられる夢。」

「なんか嫌なことありそうな夢ねー。」

「嫌なことかぁ・・・。(お見合いだよ、お見合い)」

「お母さん、今日も休みだから。」

「うん、聞いた。」

「お父さんも今日は早く帰ってくるって。」

「珍しいね、お母さんもお父さんも。」

「でしょ?あ、そうだ!今日晩御飯、ライト君も誘ってみたら?」

「え?」

「久しぶりにお話したいし。」

「急だなぁ・・・。後で聞いてみるよ。」
















母とそんな会話をした後、部屋に戻り着替えに手をかけた。

昨日行くことの出来なかった竜崎の元へ行くために支度をした。















「お菓子は途中で買っていって・・・後は・・あ、雨降りそう。傘。」











鞄の中に折り畳み傘を入れる。

きっと帰りには降るかもしれない、そう思った。

携帯に手をかけ、竜崎への番号に繋いだ。

コールが二回、相手の声が聞こえた。


















『もしもし。』

「もしもし、おはよ、流河君。」

『おはようございます。もう昼近くですけど。』

「いっぱい寝ちゃった。」

『今日は来てくれますか?』

「うん、今から行こうと思って電話かけたの。」

『迎えに行きますよ?』

「え?あっ、ううん、いいの、いいの、大丈夫!」

『今仕事は休めているところだったので平気ですけど・・・』

「ううん、ありがとう、寄っていきたいところもあるから。」






それに迎えに来られたらお母さんにバレちゃうかもしれないもの。

なんて、思った。







『そうですか・・・残念です。』

「お菓子、買ってくね、何か食べたい物ある?」

『いいんですか?』

「いいよ?」

『すいません、ケーキが食べたいです。あと大福もです。』

「分かった。適当に好きそうなの買ってく。」

『有難うございます。気をつけて来てくださいね。車には気をつけてください。変な人に声をかけられてもついて行ってはいけませんよ。

もし何かされそうになったらすぐに電話をしてください。それと』

「し、心配しすぎだよ・・。」

『だって』

「じゃあ、今から家出るからね?」

『(シカトしましたね。)はい・・・気をつけて来てくださいね、車には気をつけてくだ』

「あの、切るよ?」

『・・・はい。』










エンドレスに続く竜崎の言葉を遮り、電話を切った。

心配してくれている彼の言葉は嬉しいのだけれど、なんだかおかしくなった。

竜崎を心配させないために足早に向かおう、鞄を肩にかけ、家を出ようとした。














「あれ、何処行くのよ?」

「え?あ、と、友達んとこに。」

「なんだー、言ってよー。」

「ゴメンね。」

「気をつけてね。」

「うん。」

「あ、後夕飯までにには戻ってきてね。あとライト君にも聞いといてね。」

「うん、聞いたらメールするよ。」

「そうして。」

「じゃ、行ってきます。」

「はい、行ってらっしゃい。」










行ってらっしゃい、家を出るときに久々にこの言葉を聞き少しこそばゆくなった。

そう思いながら、まずはライトの家へと立ち寄った。

インターホンを鳴らすと、今日はライトの母ではなく、ライト本人が出た。












『はい?』

「ライトー、私。」

?どうしたの?ちょっと待ってね。』

「うん。」










ガチャリとドアを開けて出てきたライトの格好は、多分外に出る予定はなかったのか

ゆったりとした服を着ていて休みモード全開だった。












「寝てた?」

「ううん。寝てないけど。」

「あのさ、今日夜暇?」

「夜?別に予定はないけど・・・なに?なんかあった?」

「いや、珍しくうちの両親がいるから、お母さんがもし良かったら久しぶりにライトも食べに来ないか、って。」

「へぇ、そうなんだ。本当、珍しいね。最近のお母さん見てないもんな。」

「娘の私もちょっと顔合わす程度ですからねー。」

「でもいいの?行っても。」

「うん、お母さんも久しぶりにライトと話したいって。粧裕ちゃんは?」

「粧裕は今日友達の家に泊まるって。」

「そっかー。じゃあ、ライトだけでもおいでよ。」

「うん、じゃあ、そうさせてもらうよ。」

「お母さん、喜ぶよ。」

「夕方になったら行くよ。」

「分かった。じゃ、後でね。」

「あぁ。」








用件をライトに告げ、また後で、と別れた。

それにしても暑い、そう思いながら足早に竜崎の下へと向かう。

途中、竜崎が食べたいと言っていたケーキと大福を買って。






















さん!大丈夫ですか?暑かったですよね。」

「うん、夏だねぇ。」

「熱中症とか大丈夫ですか?」

「うん、平気だよ、大丈夫。」









竜崎のところへと着けば着くなりさぞかし心配していたのであろう彼が出迎えた。

買ってきたケーキと大福を冷蔵庫にしまいながらは竜崎と話す。










「ちょっと出るだけで汗かいちゃうもんねぇ。」

「シャワー浴びますか?」

「え?でもいいの?」

「いいですよ。自由に使っていただいて結構です。」

「わー!ありがとー!」

「私も一緒に入りましょうか?」

「・・・・・。」

「冗談ですよ。」










本当に冗談なのかは分からないが、苦笑いでかわしシャワーへと向かった。

竜崎にタオルを渡されそれを受け取った。

タオルを渡す際に再び『一緒にどうですか?』と聞いていたが華麗にスルーされていた。




























さん。昨日は楽しかったですか?」

「え?なにが?」










シャワーから出て頭をタオルでワシャワシャ乾かしているにそう聞いた。

途中、からタオルを奪い『拭いてあげます』と代わって竜崎はの髪の毛を乾かしていた。












「何って・・・ご両親と久々に過ごしたんでしょう?」

「あぁ、それかぁ。うん、まぁ、やっぱ久々だと色々話すこともあって楽しかった。」

「そうですか、それは良かったですね。」

「あ・・でね、今日も夜いるから、夕飯までには帰ってきて、って・・・」

「そうなんですか、分かりました。では帰りは遅くならないように送っていきますね。」

「え!?いや、ううん、大丈夫!いいよ、いいよ!」

「・・・なんでそんなに拒否するんですか。」

「え・・・いや・・だって流河君が送ってくれたら私が流河君と付き合ってるのバレちゃうし・・・」

「え?隠してるんですか?」

「隠したほうがいいよね?」

「・・・・Lだからですか?」

「・・・うん・・・そうだけど・・・。」









が心配そうにそう答えると竜崎はフッと笑っての頭をポムポムと撫でた。











「ありがとうございます。」

「?」

さんの言うとおりですね。」

「ね?」

「でも、私は別に構いませんよ?」

「え?なんで?困るでしょ?」

「私がLだと言わなければいいじゃないですか。」

「・・うん・・」

「だから、いいんです、大丈夫ですよ。」











優しく、そう言った。

気を使わなくていい、そう言いたかったんだろう。

そうやって気を使っているが、竜崎は愛しくてたまらなくなった。










「いずれはさんのご両親にも言わなくてはいけないときがくるかもしれませんし、・・ね?」

「いずれ?」

「はい、いずれ。(娘さんをください的な、あれです。)」

「そっか。」

「(・・・ん?あれ、分かってませんよね、この反応・・・。)」

「・・・あ、どうしよう。」

「はい?どうしました?」

「・・・あ、いや、なんでもない。」

「言ってください。」

「だって」

「言ってください」

「はい。」














ズイっと顔を近づけられそう凄まれ、昨日母に言われた“院長の息子と会うこと”を竜崎に話した。

その際竜崎はずっと目を見開きワナワナしていた。
























「・・・・というね、ことなんだけど・・・。」

「な・・な・・駄目です駄目です!!行っちゃ駄目です!行ったら嫌です!」

「私も行きたくないよ・・・。」

「行かせません。」

「・・・・・。(自信満々に言うなぁ・・・)」

さんが他の男性と会うなんて絶対嫌です!」

「ねぇ・・それに急すぎだよね、話が・・・。」

「それに・・・相手の男は絶対さんのこと気に入りますよ・・・。」

「なんで?まだ会ってもないのに・・。」

「だってさん可愛すぎるからです。」

「・・・・。(そんな根拠もない・・・。)」

「とにかく駄目です。」










竜崎のこの反応はなんとなく想像はついていたが、案の定であった。

しかし、の手をガッシリと握り、マンガで言うならば頭の上にピコーンと電球マークの出たような表情をした。












「どうしたの?」

「いいこと思いつきました。」

「え?」

「もういっそ紹介してください。」

「なにを?」

「私をさんのご両親に。」

「え、」

「嫌ですか?」

「嫌じゃないけど・・・。」

「じゃあ決まりです。今日送っていくんでそのときにでも。」

「う、うん。」










大丈夫かな、などと心配にもなるが、竜崎がいいと言っているんだから大丈夫だろう、

そう思い夕方まで竜崎の仕事の様子を見ながら一緒にケーキを食べたりエルと遊んだりとした。

















「流河君、ゴメンね、私そろそろ・・・」

「あぁ、そうでした、ちょっと待っててください。車用意しますから。」











が鞄に手をかけ、竜崎ものそのそと立ち上がったそのとき、の携帯の着信音が鳴り響いた。













「あ、電話・・ゴメン、出てもいい?」

「いいですよ。」











ディスプレイに表示されている名前を確認せずに、通話ボタンを押した。

てっきり母親からかと思っていたからだ。










「もしもし?」

『もしもし??』

「あ、ライト?どうしたの?」










電話の相手は母親ではなく、ライトだった。

もちろん、それに反応しないはずがない人物が一名。











「ちょっ・・なんでライト君と!!」






ガバっと後ろからに抱きつくようにしてライトに聞こえるぐらいの声で電話に向かって

話しかけた。








「あ、ちょっと流河君!;」

『え?なに?流河と一緒だったの!?;』

「そうですよ、私とさんはいつでも一緒ですよ。」

『お前じゃないから!お前と話したいんじゃないから!!ちょ、!』

「りゅ、流河君、ちょっと待ってね?少しライトと・・・」

「・・・さんが言うなら・・・。」

「ライト、ゴメンね、どうしたの?」

『うん、もうの家にいるんだけど・・・のお母さんが早くおいでって・・』

「え、ゴ、ゴメンね、せっかちで;」

『うん、僕もメールにすればよかったね・・・』

「な、なんでライト君がさんの家にいるんですか!?」

『ホラ・・きた・・・。』









電話越しだというのにライトの呆れたような、うんざりしたような、そんな表情が読み取れた。

苦笑い気味にが竜崎に説明した。









「今日ね、うちのお母さんがライトも久しぶりに一緒に夕飯おいで、って、誘ったの。だから。」

「・・・ヅライト君のくせに。」

『久々に聞いたな、それ。相変わらずムカツクんだけど。

「ええと・・・ああ、じゃあ、ライト、私、今から帰るから!」

『あ、うん、分かった。』

「バーカバーカライト君のバーカ。」

『お前いつの小学生だよ!!』







切り際に竜崎が先ほどよりも少し大きな声でライトに嫌がらせをした。(小学生でもしないような)

ライトがの家で夕飯を食べることがかなり羨ましい・気に食わない・嫉ましいらしい。

電話を切ったあともムスっとしていた。










「・・・・・ワタリ、車を。」

「(拗ねてる・・・。)」

「はい。・・おや、竜崎、先ほどから何故そんなにむくれているのですか。」

「なんでもないです。」

さん、今日はお早いお帰りなんですね。」

「あ、ワタリさん。はい、今日も母がいるので夕飯までには、と。」

「そうなんですか、それは良かったですね。」

「すいません、送ってもらってしまって・・・」

「いいえ、全く構いませんよ。」

「いつも有難うございます。」





『そんなこと気にしなくて結構ですよ。』ニコリと笑いそう一言、ワタリはすぐに車を用意した。

車に乗る前、竜崎は一応、に聞いた。








「・・さんとライト君は、幼稚園からの付き合いなんですよね?」

「えーー、そうだなぁ・・・でも幼稚園入る前から遊んでたらしいし・・・私が覚えてるのは幼稚園からの記憶かなぁ。」

「長いんですね。」

「うん、それなりに。でもそんなこと気にしないでよー。」

「はい・・・。ただ・・」

「うん?」

「ライト君が羨ましいですね。」







ポツリとそう言う竜崎を見て、はニコリと笑いながら

『だったら私はワタリさんが羨ましいよ。』

そう言った。













がそう言ったとき、角を曲がった。

もうすぐ家に着く。

竜崎は少し身を乗り出しての家を様子見た。









「いや、外から見ても分からないでしょ、うちのお母さんは・・・」

「じゃああそこにいるの、誰ですか?」

「え?」











竜崎が身を乗り出して見ていたのは彼女の家の玄関前で夕刊を手に取っている女性だった。

それを見ては『あ、うちのお母さん。』そう言った。












「なんていうか、グッドタイミングっていうんですかね。」

「そう、だね。」

「それにしても・・・」

「ん?」

さんのお母さん、ということもありやはり可愛らしいですね。」

「そうかなぁ・・・。」

さんが一番可愛いですよ?」

「・・・・ありがとう。」

「照れなくていいです。」

「照れるよ。」










家の前に着き、車を止める。

黒いリムジンが家の前に止まっているのを見ての母親も『どうしたんだ』というような目で車を見た。

その車の中から自分の娘が出て来るなんて思ってもいなかったので目を丸くした。










「た、ただいま、お母さん。」

「おかえりー。あんたいつからお金持ちの子になったの?」

「え?あ、違くて・・・これは」






その先を続けようとすると、それを遮るかのように車から降りた竜崎が言葉を発した。











「こんにちは。さんのお母さん、ですか?」

「えぇ、こんにちは。のお友達?」

「いえ、さんの恋人です。」

「あぁ、の。え?彼氏?」

「はい。」

「ちょっと!!昨日そんなこと言ってなかったじゃないのー!」

「いや、あの。・・・うん、ゴメン。」






の胸倉を掴みガクガクと揺らしながらにそう言う彼女の母。

助けてくれとばかりに竜崎にアイコンタクトを送ると、竜崎は普段は絶対に見せないであろう

俗に言う営業スマイルの母にニコリと微笑み、口を開いた。










「すみません。照れくさかったので、私がしばらく内緒にしてほしいと言ったので・・・。」

「照れることないのにー。もっと早く言ってよー、お母さんビックリしちゃったよ!!」

「う、うん、ゴメン。」

「そういうことなら院長の話だってちゃんと断ってたしさぁ、もー。」

「う・・・その、それなんだけど・・・」

「断っとくわ。」

「え?断るの?」

「だって彼氏いるんじゃそんなことしてもねぇ。それとも会いたかったの?」

「いやいやいや!!!まさか!!でもすごいあっさり断ってくれるなぁ、って・・・」







の母がそう言ったのを聞いてホッとしているのはだけではなく竜崎もだ。

以上にホッとしているそんな表情だった。

竜崎を見やると、良かったです、とでも言っているような表情でを見ていた。









「では、さん、私はこれで。」

「あ、うん。送ってくれてありがとう。」

「いいえ。じゃあ、また。」

「うん。」






そう言って車に乗り込み、彼女の母に会釈をし、に別れを告げた。

車が去るのを母と一緒に見送った。











「礼儀正しい子ねー。」

「う、うん。」

「あ!お母さん名前聞いてないよ!」

「あ、名前は流河君って言ってクラスも同じで。」

「ふーん。クラス一緒なんだぁ。あ!だったらライト君もいるし一緒にゴハン食べて行ってもらえば良かったのにー。」

「・・・そ、そうだね。」








竜崎とライトが一緒にいたら収集つかなくなるんだろうな、そんなことを思いながら相槌を打った。

だけど母が意外なほどにあっさりとしていたことに一番驚いていた。








。」

「ん?」

「流河君とちゃんと仲良くね。」

「え?・・うん、ありがとう。」

「なんか個性的な子でいいじゃないの。」

「うん、それにすごく優しいよ。」







がそう言うとにっこりと笑っての頭をポンポンと撫でた。








「よっし!ゴハン作るよー、せっかくライト君にも来てもらったし!」

「そっか、ライトもう来てるんだ。」











竜崎のことも知ってもらえて良かった、そう思うだった。

その後久しぶりの家族+幼馴染のライトとの夕飯を楽しんだ。

が、次の日にライトが電話で竜崎にネチネチと嫌がらせを受けていた。












*****


無駄に長いあげくにすごいグダグダ。
書き直したい。