春が来て夏が来て秋が来て冬が来て。
ほら、もう春がやってくる。
頭脳は大人、中身は子ども。それでも彼は世界の切り札。
隣の○○君
「一年ってさ、あっという間だよね。」
「あっという間ですね。」
「もうすぐ3年だよ。」
「・・そう、ですね。」
「早いなぁー。つい最近2年になった気がするもんね。」
「そうですね。」
ソファに座る竜崎の肩に頭をもたれながらそう話を持ち出す。
冬休みもあと少しで終わり。
3学期、と言ってもとても短い時期であり後2ヵ月半もすれば進級して3年にあがることになる。
「そういえばね、駅前に今度デザートが美味しい喫茶店できるんだって!」
「そうなんですか?では是非行きましょう。」
「うん、なんかね、春・・えーと、4月くらい?にオープンらしいよー。」
「・・・そうですか。」
「あんま嬉しそうじゃないね?」
「そんなことありませんよ。美味しいお店が出来るのは嬉しいです。」
自分の肩に頭をもたれながら、腕の中には子猫を抱いてそのことを楽しそうに話す彼女を見て目を細める竜崎。
「ブラックホールってどんなふうになってるのかなぁ。」
「・・・どうしたんですか、急に。」
「気にならない?なんでも吸い込んじゃうんでしょ?」
「そうですね。」
「なんで?」
「簡単に言えば質量が大きいってことです。」
「すごい簡潔だね・・・。重力がすごいってこと?」
「そうですね。光さえも吸収してしまいますから。地球なんてサイコロほどに凝縮されてしまうぐらいですよ。」
「へー・・難しいことはよく分からないけど、うん、なんとなくは分かった。」
「難しいことは分からなくても今の私のこの簡潔な説明でなんとなくは分かっただけでも素晴らしいですよ。」
突然こういった突発的な疑問を投げかけてくるのは珍しくはないので竜崎もそれに対応してに返答する。
これが彼女達の日常だった。
「また同じクラスになれるといいなー。」
「え?」
「クラス。3年になっても同じクラスがいいなぁって。で、また席隣がいいなぁ。」
嬉しそうに頬を緩ませてそう話すを見て、竜崎はギュっと唇をかんだ。
「ライトも一緒でさ、」
「さん・・・」
「ん?なぁに?」
「その・・・、」
「どうしたの?」
「─・・・・いえ、同じクラスになると、いいです。ライト君はいいです。」
「またそういうこと言って・・・。」
「さん・・・」」
「なに?」
「・・・・・すみません。」
「なにが?」
「いえ・・・なんとなくです。」
「・・・・・変なの。」
竜崎のその煮え切らない、そんな態度に疑問を感じつつもにこりと笑って竜崎のその言葉の意味を確かめなかった。
そんな彼女を見て竜崎はから目を逸らした。
─言わなければいけない
─分かっている
─いずれ言わなくてはいけないことは分かっている
─だけど
「あ、そうだ、そういえばね、」
「─ッ・・・さん。」
「え?」
「・・・・その、」
「ね、さっきからどうしたの?なんか、あった?」
「・・・・・はい。」
「どうしたの?」
─・・・言わなければ
「さん、」
「ん?」
「私は、」
「うん。」
「私は─・・・・」
逸らしていた目を、またに戻し、今度はの目をまっすぐと見ながらゆっくりと口を動かした。
何かいつもとは違う、そんな竜崎の言葉をも待った。
「私は─・・・・さんと一緒に3年生にはなれません。」
「え?え?どういうこと?」
「隠してなんかいられませんから─・・・いずれ、言わなければならないことです。」
「・・・留年しちゃった・・・とか、そんなんじゃ、」
「もちろん、そんなことはありません。」
「じゃあ、なんで」
「さん。」
「・・うん?」
言いづらそうにしながらも竜崎は、次の言葉をしっかりと口にした。
「しばらく─・・・会えなくなります。」
竜崎のその突然の言葉に、は目を丸くするほかなかった。
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クライマックスは続くよどこまでも!(あれ、番組違うぞ