自分にできること。

きっと間接的なことでしかないんだろうけれど、僕が彼女にしてあげられることを今精一杯考えている。

















































side Childhood friend



隣の○○君









































「ライトー!」

「あぁ、久しぶり。」

「えへへ、ライトに会えなくて死んじゃうかと思った!」

「・・あはは。」

「ね、ちゃん元気?」















突然のことだった。

と言っても彼女、ミサが来るのはいつも突然なのだけれど。

どうやら仕事が忙しかったらしい。

久しぶりに会った彼女は相変わらずだった。

僕だけではなく、にも会っていなかったためと流河が別れてしまったということも知らなかった彼女のそんな質問に、

どう答えるべきかと少し迷った。





























「ええええ!?別れちゃった!!?」

「あぁ。」

「なんでぇ!!?なんでなんで!?」

「理由は分からない。」

「なんで分からないの?」

「聞いてないからだよ。」

「どうして聞かなかったの?」

「聞けるような状況じゃなかったんだよ、・・・がね。」

「信じられない!!」












心底驚いたようで先ほどから目をパチクリさせながらそのことを聞いていた。

僕だって驚いた。

まさか別れるなんて。

正直、流河のあの性格上別れるなんてないと思っていたから。

多分、ミサも同じことを思っていたはずだ。

















「納得いかない!」

「そんなこと僕に言われてもね・・・。」

「だって!!ミサ、ちゃんのお家行ってくる!!」

「ちょっ、ミサ!!」

「なに、ライト!」

「気持ちは分かるけど、」

「こういうのは、女の子同士の方が話しやすいのよ!」

「でも」

「だいじょーぶ!知らないふりして上手く話すから!!」

「・・・・。」

「それにしてもあの流河君が・・・信じられないなぁ・・・。」













ポツリとミサがそう言った言葉、やっぱり彼女もそう思っていたらしい。















「ミサ、あんまり、」

「分かってるって、だいじょうぶ!」

「(・・・大丈夫ってなにを根拠に。)」

「ミサ、ライトのこと大好き、っていうか愛してるけど、ちゃんのことも大好きだから。ちゃんの辛い姿見たくない。」

「・・・・僕もだよ。のあんな泣いてる姿は、小さい頃に一度見ただけだから。」

「やっぱり元気なちゃんいいもんね。」

「そうだね。─・・・僕もちょっと、会ってくるよ。」

ちゃんに?」

「いや、じゃなくてね。」

「・・?」










































一週間。

流河君と別れて一週間も経った。

実感が沸かない。

あの日になんで別れたくないって言わなかったんだろう。

どうしても後悔してしまう。



















『っ・・りゅ、がくんと・・・別れ、た・・・。』

『・・え?』

『っ・・ふ・・ぇ・・』

、何があったの?』

『わ、っ・・別れ、よう、って・・っ』

『・・流河が?』

『・・・・・ん・・。』

『・・・っ!なんで・・!!』

















ライトが珍しく怒った。

私があぁして泣いていたことに対して、怒ってくれてたんだと思う。

実際あんなに泣いたのは小さい頃以来だと思う。

あのとき涙が止まらなかった。



どうして何も言わなかったんだろう

どうして強がってしまったんだろう

どうして私は流河君が大好きだと言わなかったんだろう



そう思うと、悔しくてたまらなくなった。

自分に。

こんなに大好きな人ができたの初めてなのに。

流河君と会ってから、多分、きっと、私を支えてくれてたのは流河君の存在だったと思う。

大好きで、大好きで、─・・・大好きで仕方ないのに。

もう隣にいることはなくて。

それを実感すると、寂しさとか、虚しさが一気にこみあげてきて。

でも、もう流すだけの涙はなかった。























ちゃん!」

「ミサちゃん・・。久しぶり!」

















一週間経ったそんな今日、ミサちゃんが遊びにきてくれた。

多分、私の顔は酷いことになってたと思う。














「最近お仕事忙しいみたいだね、大丈夫?」

「うん!ありがと、大丈夫だよ!」

「そっか。元気そうで良かったよ。」

ちゃんは?どう?」

「私?うん、いつもどおり。元気だよ。」















馬鹿みたいな嘘をついてどうするんだろう。

目は泣いて腫れてて、すごく酷い顔をしてたのに。

ミサちゃんは心配そうに私の顔を覗き込んで言った。















「嘘。」

「え?」

「元気じゃないでしょ?なんかあったでしょ。」

「なんでそう思うの?」

「その顔見て元気だと思えるほうがそうかしてると思うよー。」













きしし、と悪戯に笑いながらそう言うミサちゃん。

相変わらず可愛くて、その明るい態度にホッとしてしまった。

ミサちゃんとは随分会ってなかったから、流河君とのことももちろん話していない。

ミサちゃんには、話しておかなくちゃ、そう思った。


















「やっぱり?酷い顔してるでしょ。」

「うん、せっかくの可愛い顔が台無し!」

「えへへ・・ありがと。」

「言いたくなかったらいいけどさ、・・・なにかあったんでしょ?」

「えぇっとね、・・・びっくりするかもしれないんだけど、この前流河君と別れちゃって・・・。」

「なんで!?」

「へへ・・・ちょっと・・」














もう涙も出てこないし、この前より気持ちも落ち着いた今だから、そのことについてちゃんと話せた。

流石に仕事で外国へ行くなんてことは言えなかったから、急に留学することになった、そう話した。

そのいきさつを話したとき、ミサちゃんは本当に心配そうな顔をしていた。




















ちゃんは、それでいいの・・?」

「え?」

「よくないよね?だって、・・・・多分、ミサは流河君も、ちゃんのこと本当は大好きだと思うから。」

「・・でも、もう」

ちゃんだって、大好きなくせに。」

「・・・まぁ、それは、そうだけど、」

「じゃあなんで?いいじゃんそれで!!好きなら、好きでいいじゃん!!

好きなら、別れたくないって思うならそこで我侭言っちゃ駄目だなんて考えてる場合じゃないよ。」

「・・・・。」

「ミサは嫌だよ、大好きなのに、別れちゃうなんてそんなの悲しすぎるもん。」

「うん・・・。」

「なんで我慢するの?いいじゃん、我慢なんてしなくて。流河君が遠くに行っちゃっても、好きならいいじゃない。考えるのはそれからでいいじゃない。」














ミサちゃんがそう言った。

何かが、ふっきれたような、そんな感覚。

















「ごめん、ミサなんかが偉そうに言って・・・」

「そうだよね・・。うん。」

「え?」

「うん、そうだよね。ありがとう、ミサちゃん、なんか、スッとした!」

「え?え?」

「馬鹿みたいにうじうじしてたり泣いてばっかじゃ駄目だよね。うん。」

ちゃん・・・?」

「よし!」















ミサちゃんのおかげでなんだかふっきれた気がした。

悩んでたりへこんでたりしてるだけじゃ何も変わらないんだ。

うん。

もうちょっと私、頑張ってみようと思う。

あと、意外と自分が単純なんだってことにも気がついた。

遅いかもしれないけど、自分が出来ることはしよう。

出来ることをする前に諦めるんじゃなくて、やってから諦めなくちゃ。




流河君のことが大好き。




それだけでいいんだから。















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