思ってるだけじゃ伝わらない
言葉にしてこそが想いなんだろう
side Childhood friend
隣の○○君
ミサちゃんと話した後私はすぐに行動を移した。
普段こんなにアクティブかと言えば別段そういうわけでもないのに、
だけど今すぐにでも行動に移さなければ、そう思った。
未練がましいとでも言われるのだろうか、まだメモリに残っている彼の番号に電話をかける。
もしかしたら、もう出てくれないかもしれない。
だけど、今の自分にはとにかくこうするしかなかった。
緊張しながらその電話番号に手をかけた。
プルルルル、規則的で単調なその音が自分の緊張感をさらに高めた。
コールが長ければ長いほど、不安に駆られるから。
だけど、3回ほどコールが鳴ると聞きなれた、その声が聞こえた。
『─・・はい。』
たった一声、その声を聞いただけなのにすごく嬉しくて、一週間ぶりなのに懐かしささえ感じてしまった。
正直、彼女から電話がかかってくるだなんて思っていなかった。
消せずにいた彼女のメモリ。やっぱり残しておいてよかった。
ディスプレイに映し出されたさんの名前を見て緊張しながら通話ボタンを押した。
聞こえたその声が緊張に包まれていたのは、電話越しでも読み取れた。
『・・もしもし?』
「─・・はい。」
『・・・えっと、・・・・・少しだけ、久しぶり。』
実際一週間、日にちにしてみたら短いのではあろうけれど、私にはとても長く感じていた。
そして久しぶりと言葉にした彼女もやはり同じように感じていたのだろうか。
「はい、一週間ぶりです。・・・どうしましたか?」
何故彼女が電話をかけてきてくれたのか、気になって仕方がなかった。
焦る気持ちを抑えて、精一杯冷静をたもったようにそう答えた。
実際、冷静なんかではなかったのだけれど。
そしてその焦っている内心に対し拍車をかけるかのような言葉を彼女の口から発せられた。
『・・・あの、・・・・・すごく急で申し訳ないんだけど、・・・』
「・・はい。」
『今から、少し会って話をしたいんだけど・・・。』
答えは言うまでもなくイエスだ。
「─・・と、いうわけです。悪いですけど、今から行きます。」
「・・・あぁ。」
「・・・今度は、大丈夫です。」
「またのこと泣かせたらさっきの倍で殴るからな。」
「はい。─・・・あ。」
「?」
ライトにそう言ったそのあと、何か思い出したかのようにひょこひょことライトに近づいた。
一体なんなんだとばかりの表情をしていたライトは、竜崎のその行動に不意をつかれた。
瞬間、ゴッ、と先ほどのように鈍い音が聞こえる。
「どんな理由があろうとも一回は一回ですから。お返しします。」
ライトのパンチに対し、今度はライトの顔面に竜崎のキックがヒットしていた。
「・・っ・・」
「では。失礼します。」
「・・・覚えてろよ、お前。」
『ケーキ屋さんの前で待ってる。』
「そちらに行きますよ?」
『ううん、いいの。』
「そう、ですか。・・はい、では今からそちらに向かいますので。」
そんな会話をして、通話を切った。
今日はなんて偶然にも呼び出されることに縁がある日だ。
自然と歩く速度が早くなった。
早く会いたい、というのが正直な気持ちだ。
別れると言ったにも関わらずこの調子だ。
彼女に会えることがこんなにも嬉しいなんて。
何を話されるのか分からない。
それでもさんに会えるというだけで、たまらなくなった。
繋がった電話越しから聞こえた彼の声はなんだかとても懐かしく思えて、別れたことなんて嘘のように嬉しくてたまらなかった。
あぁ、こんなに好きなんだって、改めて実感した。
今度は強がったりしないで、自分の素直な気持ちを伝えなければいけない。
結果が変わらずとも、後悔したくない。
そう思いながら流河君と会話をしていて、なんだか涙が出そうになった。
電話をしてから数十分。
待ち合わせ場所には互いに大好きで仕方のない人物の姿があった。
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