「うぉわぁぁぁぁぁぁ!!!!」

さん落ち着いてください。というか予想外に色気のない叫びですね・・・。」













多分、私は今年一番の大声を発したと思う。

何故こんなことになっているのだろうか。




































夏だ!海だ!水着だ!・・・なんて、現実そんなに甘くない。



隣の○○君




























『夏と言ったら肝試し!』




ミサのこの発言により・竜崎・ライト・ミサの一行は新しく出来た遊園地でギネス級の怖さだともっぱら噂の

お化け屋敷に夏ならではの肝試しをしに行くことになった。

普段こういうことには興味を示さない竜崎も、何故か今回は予想外にもノリ気なもので仕方なくも同行することになった。

もちろんライトはミサのペースに巻き込まれているだけである。ノリ気ではない。

そして何よりは怖いものが苦手である。

ホラー映画も駄目であるし(だけど見たがる)、お化け屋敷なんてもっての他である。



そして土曜日。

“肝試し”と称された夏休みの行楽に行くことになった。



















「わー、やっぱり新しいだけあっていっぱいいるねー。」

「そうですね。夏休みですしね。」

「あ!あれ面白そう!」

「違います。今日の目的はジェットコースターじゃありません。逃げようとしないでくださいね。」

「・・・流河君なんか意地悪。」

「!いえ、その、・・・・・・拗ねた顔も可愛いですね。」

「そうやって誤魔化して!きぃ!」

ちゃん、流河君!あれだよ!」













ミサが指差した先には噂のお化け屋敷。

学校をモチーフにしたらしく、廃校された校舎がででーんとたっている。

その廃校になった学校、という設定というだけでも十分に怖いものである。

の顔がひきつっている。














「あれ、今日はなんだっけ、あぁ、そっか、パンダを見に来たんだっけ。うん、じゃあ行こう。」

「落ち着いてください、遊園地にパンダはいません。ていうかあからさまですね、分かりやすすぎです。」

「もちろんペアはミサとライト、流河君とちゃんでいーよね!」

「もちろんです。さん以外と組むくらいだったら一人で乗り込んだほうがマシですよ、このメンツ。

「お前は本当一言多い上にムカつく言い方をするヤツだな。」

「いえ、それほどでも。・・・あぁ、それとさんと一緒がいいのはこのメンツに限らずですけどね。」

「褒めてないんだよ!バカ!」

「バカと言ったほうがバカなんですよ。」

「小学生かよ!」

「いやいやいや、待ってよ、私の意向は無視?無視なの?ねぇ!」

「往生際悪いですよ、ここまで来たんですから行きますよ。」

「ぎゃああああ!!鬼!!流河君の鬼!鬼畜!」

「褒めてるんですか?」

「ああああああ言葉が通じてない!!!」

















そんなこんなでの意向など全くシカトでいざお化け屋敷へと足を踏み入れた。

─・・・そして今に至り、は今年一番の大声を出して恐怖にもがいていた。

















「大丈夫ですよ、さん。これ全部アルバイトの人間ですから。

「なんてリアリスト!!いやいやいや、怖いもんは怖い!!!ぎゃああああっ来た!!!」

「あ、ちょっとさんに触らないでくださいよ、色々とさんに触っていいのは私だけです。

お化けと会話しないで!!ていうかどさくさ紛れに何言ってるの!!!」













次々と現れるお化けにいちいちリアクションを起こすと相変わらず飄々とした顔で

『なんだコイツは』とでも言いたげな目でお化けを見る竜崎。

お化けとしてはのような客は有難いかぎりだが、逆に竜崎のような客は迷惑そのものである。

驚かしているのに無反応でしかも普通に会話をしてくるなんてもってのほかだ。














「ああああ・・・ミ、ミサちゃんたち大丈夫かなっ・・・!?」

「貴女は他人の心配してる場合じゃないと思うんですが・・・あっ!さん!!」

「わしゃー!!!なに!?」

「いえ、何もないですけど。ていうか、わしゃーってなんですか、わしゃー、って。」

「ひ、酷い!!からかって・・!!!」











の反応を見て面白がっている竜崎。

それを見ては半泣きでプクっと頬を膨らませて怒っている。

そんな姿で怒られても全く迫力はなく、竜崎には寧ろ・・・















「可愛いですね。」

「ううう・・・!!!」

「すいません、つい意地悪しちゃいますね。さんの反応が良すぎるのでついついからかいたくなります。」

「・・・もう!!」

「はい、すいません。でもいくらなんでもそんなに怖がらなくてもいいじゃないですか・・・。」

「駄目なの・・!!本当苦手なの!!失禁しそう!!」

それは困りますけど。私がいるじゃないですか。大丈夫ですよ。」

「・・・・・うん。」

「はい、じゃあしっかり捕まっててくださいね。捕まってないと私スタスタ行っちゃいますよ。」

「!!!嫌だ!!置いてかないで!!!」

「(なんて、そんなことしませんけど。)」












これでもか、とギュウっと竜崎にしがみつくを見て竜崎が思うことは一つ。














(こんな積極的なさん滅多に見れませんからね。今回は来て良かったです。)





















様々に駆使されたお化け屋敷に最後まで無反応でやり過ごした竜崎と

最後まで半泣きだったもようやくゴール達成ができた。



















「・・・・ああああなんか私ここに来たときよりも老けてない?老けてない?」

「可愛いですよ、大丈夫です。」

「・・・・・。うう・・疲れた・・・。」

「はい、よく頑張りましたね。」

「!」











ポムポムと竜崎に頭を撫でられると、のさっきまで青ざめていた顔がほんのり紅くなった。













「ズルイなぁ・・もう。」

「そういえばライト君とミサさんの姿が見えませんね。」

「まだ来てないのかな?」

「そうかもしれませんね。待っているのもめんどくさいですし、このまま私たちだけで行きましょう。」

「え!?何言ってるの!そんな「はい、じゃあ何処に行きますか?」勝手な・・・」











が言い終わる前に竜崎はそう言いながらの手を引っ張った。

あぁ、こうなったらもう聞かないだろうな、そう思ったは諦めたようにニコリと笑った。











「もー・・・流河君、何処行きたい?」

「とりあえず何か甘いものが食べたいです。」

「じゃあ美味しいケーキ食べに行こっか。」

「はい。そうします。」











後でミサちゃんにメールしておかなくちゃね、ポツリとそう呟いた。














「でも、楽しい、な。」

「散々泣いてたのにですか?」

「う、うるさいな!違くて!こうやって流河君と一緒に遊園地で遊べるのが、ね?」

「じゃあ、」
















『今度は二人だけで来ましょうね。』













竜崎がそう言えば、はとても嬉しそうに頷いた。















『でも今度はお化け屋敷はなしで、ね。』














夏休みの楽しい思い出。













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おしまい!