「メリークリスマス。」
「ぎゃーーー!!!ちょっ、おまっ、ふ、不法侵入!!!110番!!!110番!!!」
「そんなに大声を出さないでくれ、本当に怪しいと思われて通報されるから。」
「もう十分怪しいから安心してよ。」
真夜中12時。
部屋にスーっと冷たい空気が入り込んだと思ったら部屋の窓が開いていた。
おかしい、鍵は閉めたはずなのに。
そしたらどうだろうか。
目の前にはサンタを意識したのだろうか、赤いセーターを着て当たり前だとばかりにその開いた窓から入ってくる幼馴染。
「ライト君。」
「ん?なに?」
「何しに来たの?てゆか、いくら家が隣で不幸なことにも私の部屋とライトの部屋が真向かいだからって窓をつたってくるなんてどうかしてる。」
「ははっ。愛故だよね。」
「そしてどうやって鍵を」
「僕はいつでもヘアピンを忍ばせているんだ。何かと便利だからね。」(満面の笑み)
「ピッキングか。ピッキングなのか。」
「そして今日は何の日か覚えてるかな?」
「君の突拍子もない行動に度肝抜かれて何の日かも今日が何曜日だったかも昨日の晩御飯がなんだったかも思い出せないよ。」
「今日はクリスマスだよ。イエス・キリストが生まれた日だ。」
「・・・あぁー、クリスマスね。はいはい。」
「・・なんだい、その興味なさげな反応は。」
「だからそんなに真っ赤なあまり趣味のよくないセーターを着てるのね。」
「ひどいな、君のために3日もかけて編んだというのに。」
「お手製!?お手製なの!?それお手製なの!?メイド・イン・ライトなの!?」
「時間がなくて二人分間に合わなかったんだけどね・・」
「いやいや、いいって。気持ちだけで十分。」
「そしてクリスマスといえば恋人達のクリスマスだろ?」
「まぁ、恋人達はね。」
「そして僕達も」
「ちょっと待って、ちょっと待って。いつからだ、いつから私と君は恋人同士になったというんだい?」
「何言ってるんだ、前世からの運命じゃないか。ユーミンの歌にもあるだろ、『恋人はサンタクロース』、まさに僕じゃないか。」
「その奇天烈な頭どうにかなりません?クリスマスのプレゼントにヅラを買ってあげるから、帰ってくれないかな、頼むから。」
「言っておくけど、これ地毛だしね。それにせっかくとびっきりのクリスマスプレゼントも用意したんだ。」
「じゃあそのとびっきりのプレゼントだけ置いて帰ってくださいな。」
「そうさせてもらおうかな。」
「・・・・・。オイオイオイ、何故そこで私のベッドへと潜っていくの?帰れと言ったはずですが。」
「何を寝ぼけてるんだ、君へのプレゼントは僕に決まっているじゃないか。そして僕のプレゼントは君だ。」
「寝ぼけてるのはアンタだよーー!!!ちょっ、お願い、帰って!!」
「ははっ、照れなくてもいいよ。記念すべき初夜だからって」
「今なら110番せずに帰してあげるけど?」
「だから照れなくても」
「ライトのお父さんに言いつけるよ。」
「・・・・・。」
でも、可哀想だから。
真っ赤なセーターを着た変なサンタはベッドからは追い出したけど
クリスマスだから一緒に居てあげることだけ、してあげた。
これじゃあ私がプレゼントあげてるじゃない。