「えー、リク浴衣だぁ。」
「なに、その不満げな声。」
「甚平が良かったなぁ。」
「浴衣じゃ不満か?」
「色っぽいですよ、お兄さん。」
「あんま嬉しくないんだけど。」
「髪結ってあげようか?」
「や め て く れ 。」
「冗談だよー。」
リクとお祭に行くことになった
って言っても、毎年一緒に行ってるんだけど
「浴衣、色変えたんだな。」
「え?」
「去年は薄い黄色だった気がする。」
「よく覚えてたねぇ。そう、今年はピンクにしてみたよ。」
「だてに長くいないからな。」
「あはは、なんか嬉しいねぇ。」
「似合ってるよ。ピンクも。」
「ありがとう。リクも浴衣に合ってるけど、今度は甚平にしてよ。」
「来年な。」
「もう来年の話?」
「気が早いか。」
「でも一年なんてあっという間だしね。」
「そうだな。」
「来年もさ、こうやってリクと一緒にお祭行きたいなぁ。」
「毎年行ってるだろ。」
「そうだね、なんだかんだ。」
「去年はソラとカイリも一緒だったけど。」
「ソラ食べてばっかだったね。」
「あぁ。お前もな。」
「そうでしたっけ?」
「そうです。」
お囃子の音が聞こえる
これを聞くと祭だな、と実感する
そう思ってたら同じこと言うもんだからびっくりした
「お囃子の音聞くと、『祭ーーー!!!』って感じ。」
「だな。」
「リク!!」
「え?なに急に。」
「あれ取って!あれ!」
そう言って指差したのは射的の商品
去年も同じことした気がする
「しょうがないな。」
「えへへ。」
毎年同じやり取りしてるけど
なんか一緒にいるって実感できて嬉しい
君は来年何を取ってくれとねだるんだろうか